M16自動小銃
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M16自動小銃は、ユージン・ストーナーによって開発されたアメリカ合衆国の小口径自動小銃。アメリカ軍における主力小銃として採用され、派生型も含め広く用いられている。アーマライト社の製品名はAR-15、アメリカ軍の制式名はRifle, Caliber 5.56mm, M16(M16 5.56ミリ口径ライフル)。「ブラックライフル」の異名も持つ。
- 1 M16自動小銃とは
- 2 M16自動小銃の概要
M16A2 (モデル645)
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「M16自動小銃」の記事における「M16A2 (モデル645)」の解説
1980年、北大西洋条約機構(NATO)は、FNハースタル社が開発したSS109弾を新しい標準弾薬として制定し、アメリカ軍でもM855弾として制式化した。これは従来のM16で使われていた.223レミントン弾(M193)と同じ寸法だが、弾丸が重くなり、また鋼鉄製の弾芯を挿入して貫通性能を向上させた。 M16A1をもとに、この新弾薬の運用に対応して設計を修正したのがM16A1E1であり、1983年にM16A2として制式化された。M16A1の銃身は12インチで1回転するライフリング(1-12)が刻まれていたが、これは.223レミントン弾(M193)に最適化したものだったため、これより重いM855弾を安定して飛翔させるためには、ライフリング転度を変更する必要があった。このため、M16A2では7インチで1回転するライフリング(1-7)が刻まれた。また銃身の厚みもより肉厚に変更されたほか、下記のような変更が加えられた。 リアサイト(照準器)をそれまでのL型2段階切り替えからダイヤル方式の多段階調整式に変更した。 フロントハンドガードを三角断面の左右分割形状から、円断面の上下分割形状に変更。上下対称形のため、ハンドガードに左右で別形状の部品を必要としたM16(A1)よりも部品の種類がひとつ減ることになる。材質もナイロン系の高強度プラスチックに変更された。 カートリッジ・ディフレクター(排莢反射突起)の追加:排莢孔後方に突起を付すことで、排出された空薬莢が後方ではなく真横から斜め前方に落ちるため、左利きの射手でも使用しやすくなった。 弾薬の節約及び点射による命中精度向上のため、フルオート機構から3点バースト(3点射)機構に変更した。 銃床の形状を変更し、長さがA1より少し長くなった。材質もナイロン系の高強度プラスチックに変更された。 消炎制退器の側面スリットを、外周の上半分だけとした。火薬ガスが上方向に噴出するため、射撃時に銃口が跳ね上がるのを緩和し、また、砂塵を巻き上げにくくなった。 これらの改良を経てアメリカ軍制式ライフルとして使用が開始されたが、3点バースト機構について兵士からは「命中精度にバラつきがあり、使い勝手が悪い」との意見もあるほか、M16A2やM16A4はバースト射撃の作動機構にギアラック式を採用しているため、2発発射された時点で引き金を戻した場合、次に引き金を引いたときには1発しか発射されない欠点がある。また銃身が強化されたとはいえ、M203グレネードランチャーの装着方法がM16A1と共通のため、ブラケットを取り付ける部分の銃身外径はM16A1と同じである。
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