シドニアのスタッフ
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「シドニアの騎士」の記事における「シドニアのスタッフ」の解説
小林(こばやし) 声 - 大原さやか 第二十八代シドニア艦長の女性。シドニア軍総司令でもあり、戦闘時には総指揮を執る。不死の船員会と呼ばれる最上位船員の一員であり、設立時のメンバーでもある。約700年ほど生きている。 冷静沈着で的確な判断力を備え、シドニアの存続を常に最優先とし冷徹な処置をとることにも躊躇しない。一般船員の前では能面のようなマスクを着け素顔を隠しているが、長道など一部の面々には素顔で接している。船内移動時には、同様のマスクを着け黒いスーツを着た護衛を従えている。人類が存続するためにはガウナを撃滅せねばならないとの強い信念を持つ。 冷徹公平な判断の裏で、一人の人間として罪悪感や迷いも持っているが(マスクにはそんな表情を他人に見せない意味もあった)、最悪の結末を避けてシドニアを存続させるために割り切っており、考えが凝り固まってしまっている。しかし、長道達新世代のあり方を見ていく内に、その考えが過去のヒロキ・落合との確執に繋がったのだと思うに至り、自身が妥協する判断を下す事も増えてきている。シュガフ船の攻撃でシドニアが大破して多くの船員たちが負傷したとき、マスクを捨て素顔で自ずから介護にあたっていた。そして迷いを断ち切り、前線で戦う長道達に命運を預けおだやかな表情をしている事をヒ山に見られ、数世紀ぶりだと驚かれる。 唯一の楽しみは一般船員に紛れることで、保健室医や宿屋(重力館)の女将の姿で登場することもあるが、いずれも素顔を知られている長道には一目で正体を見抜かれてしまう。(原作では長道らが重力館を訪れた際に、浴衣姿の落合(クローン)が女将は小林の変装であることを長道に説明している。)医師に扮して勢威の悩みを聞いたが、その性癖に懲りたのか二度としていないようである。また密かに歌手としても活動しており、居住区で地球があった時代の歌を披露した事もある。 かつてヒロキに憧れて操縦士訓練生になった頃は、おかっぱで眼鏡を使用していた少女であった。 後に惑星セブンに入植し、地上から新シドニアの出航を見届ける。 緑川 纈(みどりかわ ゆはた) 声 - 金元寿子 シドニア軍の司令補。元は衛人操縦士訓練生。長道らの正規操縦士任命と期を同じくして、第628期訓練生に途中編入された(編入にあたり長かった髪を切りボブカットにした)。訓練生時の機体番号はTS緑-256。アニメ版でのプロフィールは、シドニア出航紀元995年12月生まれ、身長160cm、体重40kgとなっている。 赤井班の緑川出雲の妹。戦死した兄の仇を討ってくれた長道に並々ならぬ興味を抱き、露骨なまでの好意と大胆な行動でアプローチするが、空回りに終わることが多い。長道と親しいイザナをライバル視しており当初はわざとらしく「君」付けで呼んでいたが、女性化が判明してからは「さん」付けで呼ぶようになった。第1回水城乗員人気投票の女性部門においては4位。 兄に代わって衛人操縦士になりたいとの強い願望を抱いていたが、過去に例のない適性の高さにより勢威の推薦で操縦士訓練生から彼の後任の司令補に抜擢される。まだ若年でありながら、艦長の下で対ガウナ戦の指揮を執ることになり、往々にして厳しい選択を迫られる。その任務柄ガウナの位置がいつも気になるため、女子力の低下と引き換えに特注のレーダー画面付きの携帯端末を使用している。 司令補だけに高い権限を持ち、並の船員では居住できない外周壁にある長道の家に押しかけ強引に住み着く。プラモデルの製作が趣味で、部屋には箱が山積みになっており、新作の発売日にはシフト終了後模型専門店に直行する。また長道の前では家庭的な一面を見せ、イザナ宅に勝手に上がり込んで食事の準備をしていたことがあり、さらに谷風宅に居候するようになってからもエプロン姿で登場する。(ちなみにアンコウ鍋が得意料理である。) のちに艦長から落合(融合個体二号)撃退の功を認められ、正式に副司令に任じられる。そして大シュガフ船総攻撃のため、第一艦隊を率いて恒星レムに向かった。作戦なかば、小シュガフ船29隻という強力なガウナ側の戦力と、落合(融合個体二号)の挟撃という危機に晒されていた。しかし、機転を利かし丹波によって重力子放射線射出装置を新型推進機関に改造、小シュガフ船の船団からは脱出したが、そこには落合(融合個体二号)が待ち受けていた。 原作では亡き兄の祭壇ですれ違ったのが長道との初対面だったが、アニメ版では機密扱いだった長道の初陣データを盗み見て彼に強い興味を抱き赤井班が全滅する前からしつこく追い回しており、原作よりも早期(自由浮遊ガス惑星破壊の頃から)に司令補としてブリッジ勤務になっている。髪型も初登場時からボブカット(原作はロング)で、制服のタイツの色が他の女性と違い濃緑である。さらに製作上のミスにより原作では巨乳でないにも関わらずキャラクターモデルが巨乳としてデザインされており、女性化したイザナが自身よりも巨乳になった事に纈が驚愕するというシーンでの整合性を図るため、「女子士官用胸部衝撃保護帯」なる分厚いプロテクターを胸部に装着していたために制服を着た状態では巨乳に見えていたというフォローがなされた。一方、原作ではメイド服やキャミソールなど派手な衣装を身につけていることがある。 不意にイザナの手を握りしめるという意味深な行動が当初よりみられたが、後にサイボーグ化して男性となりイザナと交際するようになる。新シドニアの司令に就任し新天地を目指して旅に出る。 ヒ山 ララァ(ひやま ララァ) 声 - 新井里美 衛人操縦士や訓練生が暮らす寮の寮母。人語を話す二足歩行の熊の姿で、服を着て人間と同様の生活をしている。実は熊の毛皮は生命維持装置で、中に本当の体が入っている。過去の戦闘で脳にエナが癒着してしまい、生命維持装置から出ると死んでしまう。単行本には人間の姿がイラストで載っている(第6巻136ページ)。これにより不死の船員会設立以前からの不死者の一人。 カビ発見当時の負傷で失った右腕に機械式の義手を着けている。普段は温厚な性格で、訓練生・操縦士たちの身の回りの世話をしている。下の名前で呼ばれることを極端に嫌がっており、「ララァ」と呼ばれると「野生が剥き出しになる」(激怒する)。 元は衛人操縦士としてヒロキや小林とともに戦闘に参加しており、不死の船員会の一員であった。後にヒロキが長道を連れて旧転換炉管へ逃亡した際にはそれを手助けしたためか、船員会への発言権を奪われてしまったようである。長道の素性を知る数少ない人物であり、ヒロキの姿と重なるあまり長道には特に優しく接している。小林との付き合いは以前より減っているものの時に意見を交わすことがある。離反した落合のことも気にかけており、復活を知った際は戦闘区域にもかかわらず、身一つで説得に向かった。 基本的に戦闘へ参加はしないが、ヘイグス機関の使えないテルルの救出作戦では、既に操縦できる人間がいなくなった一五式衛人を操りこれを支援した。 勢威 一郎(せいい いちろう) 声 - 坪井智浩 物語当初は司令補佐であり、シドニアの司令室より衛人隊の指揮を執っていた。 後に人手不足の操縦士を補うため適性のある纈を司令補に推薦、自身は操縦士として戦闘に参加する。機体番号は「026」。操縦士の中で唯一フルフェイスタイプのヘルメットを着用する(アニメ版では他の操縦士と同型のヘルメット)。第1回水城乗員人気投票の男性部門においては2位にランクインしている。 件のサマリに関する噂を流した張本人。どうやら士気を高めるため本人に無断でデマを流したようである。長道の戦いからヘイグス干渉爆発を用いた戦法を考案した。大シュガフ船撃破後、惑星セブンに入植する。 BD特典ドラマCDでは、かなりのマゾ性癖がある事が判明。医師に扮した小林に罵倒してもらうことを請うなど、噂を流した件も含めて表向きは人格者であるが、本音はやや問題がある模様。自らの教え子の指揮の下、自分を死地に送り込む事に幸福を感じている様である。 アニメ版では配置転換で操縦士になる時期が原作より早いため、一部のセリフは纈に振り替えられている。 落合(おちあい) 声 - 子安武人 特殊な事情の人物であり、作中では複数の落合が存在している。落合(オリジナル) ガウナ研究を進めていた優秀な科学者。 6世紀前に小林達と共に衛人隊の指揮をして、カビを発見したことで不死の船員会の一員となった。マッドサイエンティスト的な面もあるが、離反するまで多くの人々を救っており、慕われていた。ヒ山の生命維持装置(熊)も彼の手によるもの。かつて母が命がけでまもったシドニアとシドニアの人々を守る事を生きがいとしていた。また、身体改造主義者であるため、眼球を始めとする身体各所を機械式にしており、ヘルメットなしでも宇宙空間に出ることが出来る。その機械具合は長年改造を繰り返してきた結果、落合自身が元の顔を忘れてしまうほどである。頭はモヒカン刈りにしている。 100年前の「第四次奇居子防衛戦」末期に独断で起動した融合個体が暴走、カビザシを宇宙に投棄した結果、シドニアにガウナの侵入を許し大惨事を引き起こす。さらにシドニアのライブラリを「補助脳」と呼ばれる記憶装置に複製した後に消去した。最終的に生け捕りにされ、記憶を消した脳が落合自身のクローンに移植された。 加筆された「第四次奇居子防衛戦」では、ガウナに共感している面が強くなり、カビを廃棄し共存できる可能性を模索する事を主張。ガウナ研究が封印されると、カビザシを全て放棄し(カビにひきつけられている事を証明したかった模様)、自ら融合個体に搭乗してシドニアに攻撃を仕掛けた。 落合(クローン) 艦長の側近。 役職は不明だが、調査や監視活動などもこなしている。艦長の護衛と同様に黒いスーツを着ているが、マスクは着けていない。長道の身元引受人となった艦長の代理として長道の面倒を見ており、空腹に苦しむ長道に山菜おこわを奢ったりもした。また、整った顔立ちをしており、水城艦内で行われた「第1回水城乗員人気投票」では女性からの人気1位となっている。同性からも誘いを受ける事があるが、そちらの趣味はないので断っている。不死の船員会のメンバーを殺害する際に掌から弾丸のような物を発射している他、シドニア艦橋にいた落合の手駒をやはり掌からスタン弾を発射して無力化している(アニメ版ではグローブ形の銃器を装着している描写がある)。 その正体はオリジナルの脳を記憶を消去した上で移植されたクローン。「補助脳」から情報を引き出すには落合の生身の脳が必要なため、「降ろしの儀」の鍵となる人物である。脳はオリジナルだが記憶と共に人格や科学者としての資質はリセットされ、落合(オリジナル)とは完全に別人となっている。ただ、海蘊(トクシーヌ)によれば、私的な場面で見せる性格はオリジナルそっくりとの事で、小林が負傷した際も即座に実行犯を無力化、纈へ指揮継続を指示するなど、依然高い判断力と行動力を持つ。小林に付き従いセブンに留まる。 落合(補助脳) 補助脳内に記録されている落合。 「降ろしの儀」の際にのみ、クローンに憑依する形で表れる。オリジナルと同じ人格を持っており、小林に許しを乞う。落合(岐神)により補助脳から全てのデータが回収された後、物語の最後まで、この人格の行方は不明である。 落合(岐神 海苔夫) オリジナルのコピー(いつ時点のコピーであるかは不明)であり、研究室に侵入した海苔夫を「シドニア血線虫」で乗っ取った落合。 周囲の人間は乗っ取られていることを知らないため、海苔夫として接しており、海苔夫の立場を利用して、岐神開発を拠点とした新たな融合個体の開発を行っている。なお、岐神の父は原因は不明だが急逝している。つむぎ開発後、しばらくはその安全装置兼操縦士として搭乗していたが、オカリナ戦以降は操縦士を海蘊に譲り、研究職に戻ってかなた開発を行う。同時に「シドニア血線虫」を使用して、手駒を増やしていた。かなたの暴走により重傷を負い、意識不明の重体となる。過去に融合個体を撃破し自分を捕縛したヒロキのクローンである長道のことは苦手な模様。オリジナルの脳を持つ落合(クローン)に関しては、既に未練もなく放置している。 ドラマCDでは、ギャグパートを担当。慣れない若社長として得意先からいびられたり、シドニア血線虫を持ち歩いていつでも支配できると優越感に浸ったり、うっかりヒ山の本名を呼んでしまい(あまりにも自然に呼んだので一瞬ヒ山もスルーした)野生の脅威に晒されたり、落合(クローン)を男前と自画自賛してみたり、ユレの天然トークと小林の対話不能演説にウンザリしたりしながら、海蘊(トクシーヌ)にツッコミを入れられている。 落合(融合個体二号) 岐神の肉体を経て融合個体二号の予備本体にコピーされた落合の人格、そのため落合(岐神 海苔夫)からの記憶は完全に継続していて人格もその延長線上である。落合の600年にわたる夢である融合個体への人格転送、そして種という概念から外れる念願を達成した姿。さらに重力子放射線射出装置という現状最強の攻撃力を備え、射出装置以外に破壊する手段の存在しない高純度の超構造体の鎧で全身を覆っている。シドニアの完全破壊をもくろむが、纈の機転でシドニアごしに未完成の重力子放射線射出装置の攻撃を受け逃走、惑星エイトで体を修復していた。 大シュガフ船総攻撃のさなか、半壊してしまった重力子放射線射出装置を新型推進機関に改造して、第1艦隊へと向かう。第1艦隊は小シュガフ船29隻の船団と遭遇する前に脱出して、恒星レムにたどり着いたが、落合(融合個体二号)は先回りして艦隊への攻撃を開始した。強力なヘイグス粒子砲によって圧倒的火力を有していたが、操縦士としての技能が未熟である事を見抜かれて衛人隊の追撃を受け、仄姉妹の連携攻撃により唯一の弱点、ヘイグス粒子砲射出口を打ち抜かれた所を捕獲され、水城の重質量砲直撃を受け再びエナとヘイグス粒子を損ない、逃走。半自律式転換機構からヘイグス粒子を回収しようとしていた所転換機構に取り付いたガウナと遭遇した。落合はガウナと転換機構を取り込み、重力子放射線射出装置を完成。谷風と一騎討ちとなる。恒星レム中心核で行われた戦闘の果てに谷風が駆る却衛により撃破された。 この他にも、落合は機械人形等を使い、外生研や東亜重工、シドニア艦橋などに自分のコピーをシドニア血線虫で手駒として多数配していた模様。 斎藤 ヒロキ(さいとう ヒロキ) 声 - 小山力也 長道と共に暮らしていた男で、祖父を自称していた。第一話の時点で既に故人であり、長道によれば3年前に死亡している。シドニアの行政上は17年前に死亡扱いとなっていた。 その正体は7世紀前、カビ無しで実体弾だけでガウナを撃退することの出来る唯一のエースパイロットであり、あまりの優秀さにより人格・知識のコピーも検討された唯一の人物、シドニアのエースチームである斎藤班の班長(斎藤班は通常の4機一組ではなく24機からなる中隊となっている)。そして6世紀前、小林・落合・ヒ山と共に謎の構造物を探索中、ガウナの本体部分を貫通する「カビ」と遭遇、同時に人類初のガウナ討伐に成功し、不死の船員会の一員となる。100年前の「第四次奇居子防衛戦」でも多大な戦果を上げ、末期にシドニア内部に侵入したガウナを継衛で撃破した「撃墜王」の正体でもある。 防衛戦終結時に自身の換装用クローンを失うが、新たなクローンを作ることを拒み失踪。第一話より14年前に小林達が発見した時にはかなり老化が進行しており、小林の判断で脳移植のために、不死をはじめとした禁断の遺伝子改造を多数施したの特別製の換装用クローンが作られた。その事を知ったヒロキは、赤子の段階まで成長したクローンを奪って居住区外に逃亡する。その際に幼い長道を抱えながら複数の保安員を相手に圧倒するなど剣術にも長けていた。逃亡先でクローンに谷風長道と名づけて成長を見守り、自身の操縦士としての技術、心構えを伝授していった。最後は自らを超えた長道の成長を喜び、自分を戦いの道具として生かし続けてきた小林やシドニアのあり方に恨み言を言うこともなく、穏やかに息を引き取った。 不死の船員会の一員であることに加え逃亡事件を起こしたためか、シドニアを救った英雄でありながら公開されているプロフィールは偽造されており、一般には操縦士の一人としてしか認知されていない 鈴木(すずき) 声 - 高橋伸也 6世紀前に小林・落合・ヒ山と共に謎の構造物の調査を行うが、出現したガウナに捕食され命を落とした。小林と恋人同士だったと思わしき描写がある。
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