融合個体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)
融合個体兵器 第四次奇居子防衛戦に投入された最初の融合個体。当初と加筆後では設定が若干異なる。 初期の設定では、ガウナ戦にて落合(オリジナル)が独断で起動させて暴走し、全てのカビザシを船外に投棄して破壊活動を行ってしまう。この時に侵入したガウナによってシドニアは滅亡の危機に瀕する。落合曰くまだ子供であったらしいが、最終的にヒロキが本体を破壊して機能停止、回収した融合個体は厳重保管され、後に人工カビを生産する為に不要な器官を除去した植物状態で利用される。この暴走事故から落合(岐神)は、新たに融合個体を造る際に外部から意識を乗っ取れるようにしており、安全装置として戦闘時に操縦士を乗せるコックピットを設ける。 アニメ版の前日譚として書き下ろされた「第四次奇居子防衛戦」では、初めから落合(オリジナル)が搭乗する仕様であり、落合の意思でカビザシの投棄やシドニアへの攻撃を行う。しかし、ガウナの出現で暴走して制御不能となり、ヒ山班に拘束される。以降のストーリではこの展開が採用されている。 その他、つむぎの製造前にも操作実験や人工カビ生産用の不完全な個体がエナ星白を利用して造られている。 白羽衣 つむぎ(しらうい つむぎ) 声 - 洲崎綾 エナ星白の卵子と人工の精子を用いて作った受精卵を、エナ星白の子宮に着床させて出産させることで造り出した融合個体。巨大な人型の躯体とコミュニケーション用の「胞手」で活動する。 落合(岐神)がユレの協力の元に完成させた唯一の実戦に堪える融合個体であり、対ガウナ戦で目覚ましい活躍を見せる。素顔はエナで形成したマスクで覆われている。また心臓に当たる本体を持っており、ここが唯一の弱点である。ガウナに有効な攻撃手段を複数備えるが、人工カビであるか等の詳細は不明である(爪に人工カビが含まれていることは落合の発言で明かされている)。 初陣で敵と勘違いした衛人に攻撃された(原作では移民船由来の船型ガウナに拘束される)際、味方であることにいち早く気付いて救助した長道を慕うようになる。更に長道を介してイザナや纈とも親密な関係を築いたことで幼い精神を安定させる。戦闘時には落合かトクシーヌ(海蘊)が操縦士として搭乗していたが、精神的な成長と共に搭乗者無しの独立行動が許可される。 性格は温和で礼儀正しく、静かに怒るタイプである。長道を異性として意識しており、女性的な仕草が所々で見られる。声色はイザナが間違うほど星白と似ており、口調は丁寧で大人びている。一方で子供じみた面もあり、楽しい、嬉しい時には「わはーい」と表現し、寂しい時にはシドニア居住区に張り巡らされた古い配管に胞手を潜らせて長道らに強引に会いに来たこともある。それを考慮した長道は、つむぎが訪れやすいように旧管が入り組んでいる外周壁の物件にイザナと引っ越した。人間の「おいしい」という感覚が分からないため、長道に作った炊き込みご飯の評価は惨憺たるものだったが、イザナや纈と協力する(味見してもらう)場合は上手く作ることができ、特製のオムライスは仄姉妹に好評であった。また、胞手を変形する能力を持っており、長道が星白閑を救えなかったことを後悔する様子に、無断で持ち出したイザナの制服で星白に成りすまして慰めようとした(結局は失敗して長道を怒らせてしまう)。かなたが居住区配管に出没した「触手おばけ騒動」では、長道の家に乗り込んできた仄姉妹を追い返すために自ら巨大な食用昆虫に変身してみせた。趣味は読書・入浴・トランプゲーム。好奇心が強く、特にきのこ好きできのこ図鑑・きのこトランプ・きのこ柄のカーテンなどを所持している。また猫などの動物にも愛着を示し、科戸瀬家の猫とは一緒に寝るほど仲良しである。 その姿から多くの船員が反感を覚えたが、次第に警戒心や恐怖感は緩和され、仲間として頼られる存在になっていく。人前にも基地施設内であれば自由に出ることを許可され、重体となった時には多数の励ましが届いた。秘密にしていたつもりの谷風家への居候も軍内部では新人操縦士にすら知られていた。 大シュガフ船総攻撃では、第二艦隊に配属されて恒星レムへ向かうも、途中でガウナの猛攻を受けて重力子放射線射出装置が爆発、艦隊諸共消息不明となった際に辛うじて一隻と僅かな搭乗員を身を挺して守り、その場で手の施しようがない重傷を負う。救援に駆けつけた長道は「もう離ればなれはいや」と言うつむぎを抱えて第一艦隊に向かい、培養槽で治療を受けさせる。落合(融合個体)を撃破した長道が転換機構を艦隊に届ける間に恒星レムの灼熱で助からないと知ると培養槽から飛び出してレムに突入、却衛の装甲に空いた隙間を自らのエナで塞いで長道を庇い、自身は溶融しながら「生まれてこれてよかった」と言い残して蒸発する。 落合の人格転写法を解明したユレが却衛に付着していたつむぎのエナから採取したシドニア血線虫をエナ星白に融合させることで、ついに長道と出会って以来ずっと望んでいた人間の姿を手に入れて復活する。その後、長道と結婚して授かった長閑と共に惑星セブンへ入植、瞳がオッドアイになり、胸が縮んで全体的に細身になるなど容姿が変化する。星白の人格や記憶も残っているようだが曖昧でよく分からないとのこと。 つむぎの胞手は前述のように人間とのコミュニケーションの際に使用され、様々な感情表現が可能である。胞手先端には人間の眼にあたる部分が1つだけ存在し、これが動くことで表情を生み出している。悲しい時にはここから涙を流すこともある。また胞手から常時2本出ている触手を人の腕のように用いる。触手を複数出すこともでき、本人曰くこれによって触れた相手の特徴を正確に計測する機能を果たすようである。テルルから外見を「恥部そのもの」と揶揄され、先端にワンピース風の衣服を着ていたこともある。アニメ版では動作にビニールが擦れたような「キュッ」という音が付く。アニメ製作担当のポリゴン・ピクチュアズでは「白羽衣つむぎ(小)」「小つむぎ」などと呼称している。 かなた 声 - 子安武人 つむぎに続いて落合(岐神)とユレが造り出した個体。「融合個体二号」とも呼ばれる。 右眼窩には落合の研究していた重力子放射線射出装置が埋め込まれている。通常、融合個体の本体は殻を持たないが、かなたの本体はカビという弱点を克服した超構造体殻で覆われている。この事を落合は、融合個体が超構造体を生成できないかのように偽り、ユレにも秘匿した。 一人称は「僕」で、性格は初期のつむぎと比べても自制心が弱く、新しい一挙一動に驚いてショックを受けるとパニックを起してしまうなど幼い。これは落合の本当の目的が究極の生命を創造して転生することにある為、つむぎのような情操教育を度外視して自我を抑圧していたせいである。胞手で徘徊する際は、なぜか女子シャワー室に出没する。 体の完成と同時期にシドニアの外殻で成長していたガウナの存在に気付いて友達を求めて胞手を伸ばし、自身の母体であるエナ星白を見つけて暴走を起こす。ユレの呼び掛けや外部制御を全く受け付けなくなり、射出装置を露出、発射してシドニア外壁ごとガウナを消滅させ、その射線上にあった惑星ナインの衛星も半壊させる。その後、頭を制御杭で打ち抜かれて凍結封印され、東亜重工の機械式射出装置の完成に伴って解体が決定されるが、直前に落合の計略によって封印を解かれて再び暴走の危機に瀕する。同じ融合個体であるつむぎの語り掛けで落ち着きを取り戻すも、かなたを危険と判断した小林の命令で機械式射出装置によって本体を破壊される。しかし落合は自己の人格を宿した予備の本体を用意していた為、落合が転生を果たした融合個体を誕生させる結果となり、かなたの人格がどうなったかを問い詰めるつむぎに無言で応える。
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融合個体
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落合の研究により生み出された、ガウナの強靱な肉体と人間の心を併せ持つに至った究極の生命体。作中ではエナ星白から取り出された卵細胞に、デザインして合成した人間の精子を受精させ、それをエナ星白に着床させることで生み出した。ヘイグス粒子をエネルギー源としており、宇宙空間でも行動可能。普段使う分とは別に圧縮貯蔵したヘイグス粒子も保持している。二零式系統以外の衛人や一般的なガウナを軽く凌駕するスペックを持ち、紅天蛾すら圧倒できる。通常は殻のない本体を持っている。
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