融合コロニー性とスーパーコロニー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/06 02:27 UTC 版)
「アリの巣」の記事における「融合コロニー性とスーパーコロニー」の解説
多くの場合、別々の巣から来たアリ同士は敵対的である。しかしアリによっては融合コロニー性 (unicoloniality) と呼ばれる性質があり、別の巣の働きアリ同士が相互に行き来する。敵対しない複数の巣の集まりをスーパーコロニー (supercolony) と呼び、同じ種のアリであっても別々のスーパーコロニーの個体同士は敵対的な行動を示す。1つのスーパーコロニーの縄張りは必ずしも連続した領域とは限らない。 2000年まで、日本の北海道石狩市の石狩浜にあるスーパーコロニーが世界最大とされていた。そのスーパーコロニーは、約2.7km2の領域に地下通路で相互に連結された45,000の巣があり、3億600万の働きアリと100万の女王アリが生息していると見積もられていた。2000年、南ヨーロッパでアルゼンチンアリのスーパーコロニーが多数発見された(研究が公表されたのは2002年)。地中海から大西洋にかけての6,004kmの海岸線の33カ所のアリの集団を調査したところ、30カ所は数百万の巣と数十億の働きアリで1つのスーパーコロニーを形成しており、残る3カ所は別のスーパーコロニーを形成して点在していた。この研究者らは、外来のアリであったためにボトルネック効果で遺伝的多様性が失われたためというだけでは、この規模の融合コロニー性を説明できないと主張している。2009年、日本、中国、カリフォルニア、ヨーロッパのアルゼンチンアリのスーパーコロニーが、実際には1つの「メガコロニー (megacolony)」に属している証拠が示された。 2004年には、オーストラリアのメルボルン近郊で約100kmに渡るスーパーコロニーが発見されている。
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