衛人(もりと)
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シドニアに配備されている、人型の主力戦闘機の名称。シドニア出航後も開発が継続しているため、特徴は時代によって異なるが、開発時期の早い(古い)順に漢数字で「○○式」と加算されていくという命名規則は共通している。 基本的には単座であるが、一七式以降の操縦席の後部には1名が入るスペースが存在。非常時にはコックピットを展開して透明なパネルを引き出すことで、スペースの拡張と外光の取り入れが行える。通常は非与圧だが、内部を与圧して操縦士服を脱ぐことも可能。宇宙での運用が前提のためサバイバビリティが高く、長期間の漂流に備えて2か月分の酸素や水、レーション(ただし、シドニア人の光合成前提)、ろ過装置なども搭載されている。 主にヘイグス粒子をエネルギー源としたヘイグス機関で稼動しているが、一五式以前の機体にはヘイグス機関は搭載されていない。機体に貯蓄されたヘイグス粒子が無くなっても補助動力により生命維持等の各種機器を操作することが可能で、ヘイグス粒子捕集膜を展開して宇宙空間からの粒子収集も可能。ただしヘイグス機関を始動させる量を集めるには時間を要する。制動制御装置をはじめ、少なくとも一七式以降は準慣性制御装置を搭載している。 物語当初はガウナに対し通常武装でエナを引き剥がした後に「カビザシ」を用いて本体を破壊する格闘戦をとっていたが、後に人工カビの登場により、GCPDSを用いた遠距離戦でのガウナ撃破が可能となった。前腕部は接近戦用のカッター及び小型シールド(カッターの格納スペースを兼ねる)や高速速射砲、誘導飛翔体など多数の武装を収めたウェポンプラットホームとなっており、機体全体をカバーできる大型シールド(対ヘイグスコーティング済み)や弾体加速装置、後日開発された人工カビ製兵器や強制射出装置を装備するハードポイントともなっている。操縦士の操作で肘部分から脱着できるため、戦闘で前腕部を失った衛人へ提供することが可能。 作者へのインタビューでは、ネームが完成する前にバンダイから発売されていたガンダムエクシアの1/100スケールモデル等から取り出した白いパーツを部品として利用し、作画用の継衛を作成していた。コトブキヤから販売された1/100モデルは作者が新たに描き起こした三面図をベースにしているため、足の長さなどが作画用とは若干異なる。 五式衛人 6世紀前に稼動していた衛人。 現用の衛人に比べて小さく、楔形の箱に手足を付けたような構造をしており、ケーブルで母船とつながっている。両腕に実体弾兵器を装備している。ヘイグス機関は搭載していないと思われるが、過去の描写でヘイグス粒子をガウナに吸収されて稼動不能になる場面があるため、エネルギー源にはヘイグス粒子を使用していると思われる。謎の建造物でカビを発見し、初めてガウナの撃破に成功する。 一四式衛人 アニメでは模型店の重力子放射線射出装置の模型の横にプラモデルの箱が置かれており、「雷光」とペットネームがふられていた。全体像は写っていないが、一五式衛人以降の特徴的な背部推進器は搭載していなかったようである。 一五式衛人 ヒ山が現役時代に操縦していた衛人。 一八式とは操縦方法が大きく異なるのか、現在の操縦士ではまともに操縦できない。人型ではあるがヘイグス機関やヘイグス粒子砲は装備していない。そのためガウナに探知されない利点があり、テルルの救出作戦にて使用される。その分稼動可能な時間は短く、戦闘力も低い。アニメでは模型店でプラモデルを纈が購入(原作で購入したのは新金型の継衛)している。 一六式衛人 サマリの祖母が操縦していた衛人。 単行本13巻のイラストに操縦席が描かれたのみで詳細は不明。衛人へのヘイグス機関搭載は本機からとなっている。 一七式衛人 白月 第一話の100年前に配備されていた衛人。 本編には実機が登場しておらず、継衛の改造ベースであることや補修部品が既に払底しているといった断片的な情報のみが語られている。加筆された前日譚 第四次奇居子防衛戦にてヒ山やその部下達が搭乗していた機体が本機に当たると思われるが、近影が描かれなかったため、詳細は不明(大まかなシルエットは継衛と同じ)。一八式に比べ操縦の自動化率が低い分、熟練者であればより高度な挙動も可能とされる。無重力環境での運用が前提のため、重力下ではバランスを崩して転倒しやすい。その対策として、四足歩行形態に変形が可能(継衛や一八式も同様)。継衛(つぐもり) 正式名称は「一七式衛人 白月改 継衛」。エースカスタムである一七式白月を、さらに斎藤ヒロキ用に徹底的にチューンナップした特別改修機で、劇中では更なる近代改修を施した上で長道の搭乗機となる。 かつての「第四次奇居子防衛戦」で活躍した「撃墜王」と呼ばれたパイロットの乗機で、歴史的意義のある名機であるため、退役後は保存・展示されていた。ベースとなった一七式の情報が少ないため、どの程度の改修が行われたのかは不明。なお、長道の乗機とする際に展示されていた状態から再度改修され、一八式にできて継衛にできないことはない。また、戦線復帰に併せて一七式のパーツの再生産も行われた。 背部のヘイグス機関や頭部のヘイグス粒子砲など、全体的なシルエットは一八式と同じだが、頭部両側面の鋏形のパーツや楔形の胸部装甲、右腕に装備された実体弾兵器、対ヘイグスビームコーティングなど、若干仕様が異なっている。一部のパーツは一八式や一九式と互換性があり、左腕が破損した際には代替として一八式の腕パーツを装着している。 実験機や継衛改二建造後も、佐々木によって大切に維持されている模様。 継衛改(つぐもりかい) 劇中、一九式にも採用された新型の背部推進機関や胸部装甲材への換装、人工カビの追加など、武装や装備のアップグレードや本体の近代化が随時行われた。外観上は大きな変化はないが、各種改造の結果、一九式並の性能を持った事実上別機体になっている。原作では呼称の変化はないが、アニメ版の第二期ではこの名で呼ばれており、頭部形状も若干変化(後の二零式系統に似た形状へ)している。 救出作戦仕様 テルルを救出するために惑星「セブン」に向かったときの仕様。 衛星軌道に大シュガフ船がおり、ガウナに見つかれば生存の可能性はないため、一五式衛人のパーツを用いて、頭部ヘイグス粒子砲の除去、背部ユニットの非ヘイグス機関への換装など、徹底的にヘイグス粒子と人工カビに関係する装備を排除してガウナに探知される可能性を低くしている。また、セブンが水の惑星であるため、脚部に伸縮式フロートが装備されており、水上運用なら四足形態にならずとも運用できる。ヘイグス機関を持たないために出力もかなり低下しており、動作も重い。エネルギー消費の少ない武装を装備しているものの、カビを装備していない本機ではガウナを倒せないため、交戦は一切禁止されている。 一八式衛人(いちはちしきもりと) 衛人操縦士および訓練生が搭乗する現用(第1話時点)の衛人。 生産は岐神開発。鋭角的なフォルムは類似しているが、高性能に反して高コストという一七式から開発思想を転換し、機能や装備を簡略化することで大量生産を可能にした。また、操縦の一部を自動化することで訓練時間の短縮も実現した。外装の白色は塗装ではなく非金属系素材の色で、関節部分だけはヘイグス焼け防止の塗装が施されている。操縦士のナンバーと同じ機体番号が左肩前面と右肩後面にマーキングされており、赤井班のように特別にパーソナルカラーが与えられることもある。なお、アニメ版では機体色が薄いブルーに変更されている。総数は不明だが、カビザシ回収任務の時点では守備隊の256機と回収チームのうち長道の継衛を除く3機を合わせ、少なくとも259機が稼動状態にあった。長らくガウナとの交戦がなかったため、資源の採取や回収作業にも利用されており、一九式衛人の配備開始後も併用されている。科戸瀬専用一八式(しなとせせんよういちはちしき) イザナの使用していた一八式に、イザナの義手と処理能力に対応した操縦システムと新型センサーシステムを搭載した専用機。システム使用中はレーダーの情報が脳に直接送られてイザナの視聴覚として処理されるため、混乱しないように半眼で操縦している。概ね高精度の情報が得られ、高い命中率を持っている。 一八式改(いちはちしきかい) 大シュガフ船総攻撃に全ての一九式を投入したため、シドニアの防衛に当たる機体。二零式製造が最重視されているため、本機の生産すら追いついていない状態である。外観に大きな変化はなく、所詮一九式の不足を補う機体でしかないが、継衛改二に随伴してコアに突入し、巨大なガウナの触手に叩き落とされても稼動し続けるなど活躍を見せた。 一九式衛人(いちきゅうしきもりと) 一八式の後継機として開発された新型衛人。 主生産は東亜重工、共同開発として岐神開発が参加(実質下請け)。一八式より強化された装甲を持ちながら軽量化されており、重力下でも二足歩行が可能。新型推進ユニットが採用されており、単独で4騎掌位の一八式を抜き去るほどの加速力(脚部の推進器だけも一八式の総推進を上回る)を有する。操縦は一八式同様、自動化が進められており、一八式からの機体転換は比較的容易に出来る。 アニメでは原作の登場時期時点で登場しておらず、役割は継衛改や一八式の継続使用で置き換えられている。試作機 一九式の試作機。 性能や外観は正式採用機と同様だが、ヘイグス砲など一部武装は未搭載となっている。代わりに試験装備としてGCPDSを同時多数連射できるランチャーポッドが装備されていた。一八式の後継機ということもあり、試験操縦士にはサマリを想定して綿密な調整が行われていたが、初出撃ではサマリの体調不良により、継衛が修理中で使用できなかった谷風が使用している。急遽、継衛に近いセッティングに変更したが、自動化されていない操縦に慣れた谷風には扱いが難しく、機体性能や操縦技術を生かし切れず苦戦を強いられた。修理後はサマリが操縦士を務め、一九式の本格量産が始まるまで使用していた。 科戸瀬専用一九式 (しなとせせんよういちきゅうしき) 惑星ナインで大破した一八式に変わり配備されたイザナ専用の一九式。 感覚域増幅装置が追加され、複数の衛人や観測機が得た多様なデータを本機に統合、イザナの情報処理能力を用いる事でヘイグス通信による探査を上回る高精度の観測が可能となり、それらの莫大な情報はイザナの感覚として把握できる(観測機のネットワークに五感が広がっているように感じる)。捕捉情報を他の衛人や艦に伝送する事も可能で、早期警戒機の役割も受け持つ。機体配備に際し、イザナの操縦士服も情報処理に特化した黒いラインの入ったものに新調されている。 二零式衛人(にーぜろしきもりと) 二機の実験機を経て開発された東亜重工の新型衛人。 開発中は継衛の正当な後継機を目指しているため、「継衛マークII」と呼ばれていたが、決戦に際し新たに「劫衛(ゆきもり)」と名づけられる。高コスト実験機や継衛改二以上に頑丈で、外観は高コスト実験機よりとなっている。新型ヘイグス機関は普段は二枚の翼状になっており、合わせると四角錐型になる。 大シュガフ船総攻撃作戦中に、大シュガフ船及び落合(融合個体二号)との戦いに向け、シドニアの総力を挙げ急ピッチで組み上げが進められており、100%の完成度ではないもののようやくロールアウトの目処が立った。作者コメントによると完全変形を目指しているとのこと。実験機(じっけんき) 二零式衛人の開発に当たり、先行して開発された実験機。「高コスト実験機」、「特殊新型実験機」とも呼ばれる。 生産コストは一九式の100倍にも達する。実験機であるためか、今までの平面や直線で構成された衛人と異なり、まるでフレームむき出しのような外見が特徴で、背部のヘイグス機関も巨大な四角錐型のユニットから4枚羽の翼型のユニットに変更されている。落合によるガウナ研究の成果である新素材や新型ヘイグス機関を使用しており、従来機とは比較にならないほど軽量(巨大なパーツを人の手で持ち上げてしまえる)であり、惑星に墜落しても壊れないほど頑丈で恒星の莫大な熱量にすら耐えるフレーム(それでも二零式の目指す純度99.999%に対して純度30%以下)、従来機とは比較にならない機動性を持っており、融合個体に匹敵するスペックを持つ。耐熱性をはじめ放射線や太陽風などの電磁波を遮断するバンアレンシールドなど、操縦士の保護性能も極めて高い。その反面、素材の生成や成型には膨大な時間とコストを必要とし、いったん成型したパーツの改造も難しい。そのため、テルルの救出作戦では一五式のパーツを組み込むなどの改造ができず、ベースには継衛が使用された。また、搭載機器や武装は開発が継続中であり、戦闘中に既存素材で作ったパーツが壊れたり武装の精度が使用するたびに落ちるなど、問題点も抱えている。開発過程で得られた技術は既存の衛人にも反映され始めており、水城配備の一九式はコックピットの防護殻に本機と同様の新素材を用いたことで、操縦士の生存性が格段に向上した。この措置は水城が帰還する頃には、随時シドニア配備の一九式と一八式にも適用されている。 継衛改二(つぐもりかいに) 二零式衛人の開発が遅れている(内部機器の開発が遅れているのと、新素材による一九式と一八式の改装が優先されているため)こともあり、新たに製造された機体。フレームの純度は高コスト実験機と同等ながら、シドニア設備への対応やハードポイントの設置など急増品であった高コスト実験機の不備を改良している。外観は兄弟機である高コスト実験機に比べて平面のパーツが多くなり、改良型ヘイグス機関も四角錐型に戻った事から、既存の衛人の外観(特に継衛)に近くなっている。 今までの衛人には無かった新兵装として全身に人工カビで構成された黒い刃を装備しており、操縦士の操作で射出も可能。 アニメでは惑星ナイン偵察任務時に、既に完成しており実験機での活躍は継衛改二に置き換えられている。また、一九式も登場しておらず、二零式のことはほとんど触れられていないため、純粋に継衛の後継機として一七式衛人 継衛改二とナンバリングされている。
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衛人(もりと)
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衛人(シドニアの騎士)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 01:59 UTC 版)
「リアルロボット」の記事における「衛人(シドニアの騎士)」の解説
宇宙空間での行動を前提としており、重力下では四足歩行形態に変形する、機体内部に漂流に備えた食料や水を搭載するなどの対策が施されている。
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衛人(もりと)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 16:14 UTC 版)
中央制御層管理の重要施設・機器を警護する人型武装機械。単純な巡回警備からヘイグス粒子砲を装備して不正使用を取り締まる高機能なものまで幾つかの型が存在する。
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