科学者としての資質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:30 UTC 版)
2000年代後半、吉田は科学技術振興機構によるプロジェクト「ERATO」に参画していた。プロジェクト終了後、科学技術振興機構は追跡報告書を取り纏めているが、その中で吉田の資質についても分析しており、科学者として優れている点について「『科学において大切なのは、決定的な証拠を得ることである』という信条」と「『目の前にある実験結果に真摯に向き合い、自説を捨てることも厭わない』という姿勢」の2点に集約している。そして、その具体例として、回転触媒説の正しさを証明した経緯を挙げている。もともと吉田はATP合成酵素は回転しないと考えており、当初はそれを証明しようと研究を開始したが、実験結果は回転していることを示すものであった。その際、吉田は潔く自説を捨てるとともに、一分子観察により回転していることを示す決定的な証拠を得たことにより、世界に向けて回転触媒説の正しさを証明するに至っている。科学技術振興機構の報告書は、この経緯を高く評価した上で「ごく当たり前のように聞こえるかもしれないが、多くの研究者にとって、これを徹底して実践することは容易ではない」と指摘している。
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