UB関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 05:08 UTC 版)
UB 地球の秩序を維持し、世界を破滅の一歩手前で守る秘密組織。正式名称は「究極の青」を意味する「Ultimate Blue(アルティメット・ブルー)」。頼みとする各国政府や情報機関には「伝説」とされ、世界中の犯罪組織の「天敵」ゆえに恐れられている。しかし、得体の知れない組織に対する反発もあり霞のような噂を幻想だと否定し、UBメンバーだと正体を明かしても相手が信じない場合もある。第4シリーズでは実在すら疑われる謎の機関ゆえに「ユニコーン」と呼ばれ、篠塚を利用すべく「JBF」のレイヴンが裏社会の大物たちに出した招待状には「ユニコーンを売る(=ある「伝説」のオークション)」とされていて「UB」と篠塚自身を指す言葉となった。秩序と平和を脅かす存在にとっては「天敵」だが、レアアイテム扱いで如何なる形でも手に入れたと思うとレアすぎて本能が訴える危険信号に気づかなくなり「天敵」であることを忘れてしまう。 エージェントは老人から赤児まで存在する。いつ、誰によって組織が創設されたのか、本部の所在及び工作員の数などが一切不明である。各国の政府や司法機関の手による解決を優先し、平和を脅かす事件を引き起こした犯人を捕縛してもその国の司法に裁きを任せている。ついさっきまでサッカーの試合や親子連れ等を演じるUBメンバーで溢れていた土手が振り返ると人っ子一人いなくなっていたり、敵を捕縛するために町一つを作って任務を終えた日の内に元の空き地に戻し、架空の路線バスを乗員・乗客に扮したメンバーで構成する罠を張り巡らせることも容易である。また、カムフラージュとして窓口になるダミー組織がある。メンバーは全員コードナンバーで呼ばれ、桁数が小さいほど組織の地位は高い。三桁までとは異なり、四桁以降のメンバーは任務で接触することがなければ一桁や二桁の顔を見ることなく一生を終える。上下を問わず、その日の出来事をディスクに記録する義務がある。一つの任務が終わると休暇を与えられ、次の任務を命じられるまでの短い時間が休養期間となる。任務の早期完了のために潜入先で信頼を得てとけ込むことが必須であるため、可能な限り相手に警戒心を抱かれずにすむよう管轄で生活する人々と同じ民族かあるいはそれに近い民族というのも重要な条件である。 徹底した能力主義の弊害で、組織外の人間を蔑むメンバーもいる。任務の過酷さと責任の重さゆえにメンバーは恋愛を、特に組織外の一般人と深い関係になることを忌避する傾向にあるが、愛してはならないという規律は無い。組織の内外を問わず恋人や家族を持つことはOKであり、その相手は組織の保護下に置かれる。しかし、組織外の恋人が必ずしもUBメンバーだと知っているとは限らず、ただのサラリーマンだと思い込んで正体に気づいていないケースもある。 犯罪組織や世界に死滅を齎しかねない原因となる事象が任務の対象となるが、本部より命令の下った任務でなければ後の禍根が根絶できるとしても「煌龍」の総帥・結城(張)に手を出さず、彼の計画した「ENU」のゲオルグ殺害やDIVと「異端のD」による元「赤い馬」のジェイデンとヤンの処刑を看破しても無関係・任務終了を理由に放置することがミッション・ブルー最終章およびレッドスクランブル最終章で明らかとなった。その一方で、基本的に破滅に至るかもしれない事件が起きた場合にのみとされているが、第1シリーズの「DUTY2:目撃者」で篠塚は世界の危機でなくても助けを求められれば世界中の何処にでも出動すると語った。また、管轄が定められているが、秩序維持に必要だと判断すれば本部の命令が無く正式な任務でなくても行動し、篠塚が采配を振るアジア圏の日本国内とはいえ、トップナンバー同士のNo.7の個人レベルでの依頼に応じて篠塚が任務外の潜入を行ったり、逆にアジアに関連が無くても篠塚以下UB日本支部のメンバーが世界各地に出動することが多々ある。管轄という概念が曖昧になっている。 世界の隅々まで監視体制を敷いてはいても一般の犯罪までは感知しておらず、大きな組織なら情報は掴みやすいが、星の数ほどいる小さな組織の特定は時間がかかる。 トップナンバーとその分身たる側近「影」という設定が無くなり、部外者のDIVたちがトップナンバーである篠塚の直属の部下となった。 暗号指令コード Blue Book(ブルーブック):人、Red Mountain(レッドマウンテン):組織、Yellow Supper(イエローサパー):物。レッドマウンテン0001 一桁のメンバーのみ発動できる緊急時の対応コード。これが発動された際、他の任務を遂行中でも緊急時の対応コードで発動した要請を優先しなければならない。 トップナンバー 本部の次に位置し、コードナンバー「一桁」のUBメンバーとして組織を運営する最高部の9人。厳密にはNo.4は組織所有の軍事衛星であるため、8人と1基である。どのように選抜され育成されるかは不明だが、他のメンバーと同様に管轄で生活する人々と同じ民族である。性別も感情も無く機械のように冷徹に任務を遂行し、常に冷静に考え、冷静に行動し、世界の秩序を維持・守護しなくてはならないと育成されたため、人間的な感情の中でも恋愛感情を特に拒絶し、任務の障害にしかならないと蔑む。任務に都合の良い人間関係を警護対象者に要求する傾向が強い。世界の命運を背負うダムであり、鉄の神経を有している。世界が破滅しかねないような、誰の手にも負えないような大事件を解決するには普通の精神ではもたないため、自己制御能力に優れており、起きた出来事を消化・吸収して次の任務に支障がないように備える。また、任務を失敗なく遂行するためにも休養が必要不可欠で保養地が用意されている。独自ルートを有しており、「影」にすら知られずに情報を入手したり、支部を抜け出して単独行動を取ることがある。自ら姿を隠してしまうと「影」ですら発見は不可能となる。 作中では、篠塚と慎悟の排除を依頼されたNo.7が恋愛感情を篠塚に抱いた慎悟を容赦なく傷つけ、篠塚は自身の死を偽装して慎悟を苦しめたが、後に2人は間違いを認めて考えを改めた。和解の直前、イックの罠により「慎悟の死」の悲しみに耐えきれずに篠塚は精神に変調を来たした。また、万能視するメンバーもいるが、自身の能力を過信している側面があるのも否めない。第3シリーズの「Mission7」で友人のジョンとジムを危険に晒すまいと篠塚は彼らの協力を拒むが、女性メンバーを率いて看守たちを倒すNo.7の援護があってもなお目くらましの砂嵐が途切れてしまい、外界の家族や友人を救える唯一の存在だと事情を知った受刑者たちが暴動を起こして助けてくれなければ、ワクチン(抗ウィルス薬)となり得る抗体を有する蔡建明を救えずにホスト確保とパンデミック阻止の任務に失敗、篠塚も建明と共に射殺されてトップナンバーの殉職という憂き目に遭うのは確実だった。 登場したトップナンバーは、アジア全域を担当する篠塚、北米担当のNo.7、ロシア担当のNo.5、軍事衛星のNo.4。No.1は声だけ、No.6は「煌龍」の標的と思われる人物の監視とだけ語られた。 篠塚が第1シリーズの「DUTY1:始動」では事細かに報告して警護から敵の一掃に移る許可を求めたりし、「DUTY19:Ω-オメガ-V」まで本部からの命令で任務を遂行すべく世界を飛び回り、上級メンバーとしての意味で一桁の活躍は描かれたが、序盤は組織を運営したり指揮する立場などの設定は無かった。 二桁ナンバー No.10からNo.99のメンバー。広範囲の管轄での任務を総指揮者たるトップナンバーの手足となり、補佐役として最も重要な任務を担うメンバーである。彼らの中からトップに直に接する側近「影」が選抜される。No.10は篠塚とは1つしかコードナンバーが違わないが、一桁と二桁の差は想像以上に大きい。 影 トップナンバーの側近の名称。二桁ナンバーから候補が選出される。身代わりを務める「影武者」とは別物で、トップの任務遂行に関わる全てを取り仕切り、体調管理などの健康面もそのために携わる。イックが篠塚の傍に慎悟を置いたのもその一環である。自分たちが仕えるトップをサポートし任務を円滑に進めるために指示を仰がずとも対処する等、様々な権限を与えられている。殉職などで欠員が出た場合、最終選考に残った二桁ナンバーの中から補充される。 第1シリーズの「DUTY22:アジアの風」まで設定が固まっておらず、イックたちはメインで篠塚を補佐する部下であり、トップナンバーの側近「影」という設定自体が無かった。 トップナンバーの分身である「影」を介さずに篠塚が頭ごしに行動することが増え、第4シリーズでも篠塚と「UB」に匿われて情報提供だけだった元「赤い馬」のフランツが直結して彼の指揮により、協力関係にあるDIVと「異端のD」を別働隊として動かすなど「影」は任務の中心より外されるようになった。「JBF」壊滅作戦後、完全に直属の部下という立場は解消された。 影武者 トップナンバーは複数の代行を務める部下を抱えており、作中では篠塚の代行を務める複数の「影武者」が登場する。篠塚と性別以外はほぼ同一だった時期の「影」のイックが代行で慎悟の警護を務めることもあり、「DUTY12:果てなき日々への追憶 (4)」でコードナンバー不明のUBメンバーが篠塚を演じて慎悟を息子のように思う夫婦を危険から遠ざけるべく温泉旅行に同行した際、「影武者が何人いるわけ?」という慎悟の問いに対し、篠塚は「数えたことはないな」とのこと。似ていた方が敵の疑惑を招く危険性が低く少々の違いも誤魔化しやすいため、篠塚に似ているNo.10は描写はないものの彼女の影武者を務めることがある。 動く花々作戦 第1シリーズ「DUTY3:シールド」で、ソローミン親子を中東の独裁者の手から守るべく篠塚が展開した作戦。 闇夜の虎作戦 第1シリーズの「DUTY9:闇夜の虎」で篠塚たちが実行した作戦。竜童の捕縛と自供・暗殺組織「タイガース・アイ」の壊滅、竜童に仕事を依頼した大物たちが逮捕され、当初の篠塚の懸念が的中して「UB」の実在を知り動揺する暗黒街の組織が動き始めたため、その中で竜童に最多数の依頼をしたがゆえに動きを見せたチャイニーズ・マフィア「白龍」を潰し、他の組織に対する見せしめとして慎悟に危害を加えようとする気概自体を打ち砕いて彼の危険を排除することが目的である。民家の密集地帯にある慎悟のアパートの近隣住民を事前に地域ごと避難させており、「白龍」のルーキー3人組のメルとヤンの襲撃後、爆弾使いのローが手榴弾でプロパンをふっ飛ばしたアパートの爆破事件で篠塚が右腕と肋骨を負傷する大怪我だという偽情報を流し、慎悟が警察の事情聴取を受けている間に篠塚と入れ替わったイックが怪我人の「篠塚高」を演じつつ慎悟の警護を務めた。行動の自由を得た篠塚は他の部下を率いて次々と「白龍」の支部を潰し、関連企業の株価操作による暴落と密輸ルートの摘発などで追い込み、香港・九龍のアジトに踏み込みメルたちを差し向けた人物を含めた幹部たちを一気に捕縛して組織を壊滅させた。メルとヤンは「城南一高」の校内で捕縛することに成功するが、拘束していなかったこともあり、組織の異変を察知したホテルのローは逃亡して「慎悟に危害を加える者」を残してしまい作戦は不完全に終わった。 UB日本支部 アジア全域を統括する最高責任者の篠塚を司令官とし、アジアでの全任務を指揮する彼女とその部下全員が任務に従事する拠点である。都内にある「防衛庁」の近辺の地下に存在し、組織外の人間を支部に招く際は機密保持の観点からアイマスクを装着して貰う。栄養補給と癒しを兼ねた食堂は食事も設備も豪華で都内の高級レストランを思わせ、窓に偽装したスクリーンに映される映像は地下であることを忘れさせる。 空飛ぶ病院 医療設備を完全装備した「UB」の専用機。「DUTY19:Ω‐オメガ‐II」で、機密資料の返却と引き換えに篠塚が手配し、ドイツで手術を受けさせるべく仲村要の弟と付き添いの両親を運んだ。 赤いチューリップ移植作戦 「DUTY20:赤の要塞」で壊滅させたマフィアの残党と黒幕を捕縛し、誘拐された少女を救出した作戦。 UBフランス支部 「DUTY21:迷路の出口 (4)」で、篠塚が至急の書類を送った先。 UBニューヨーク支部 正式に「No.9」として認定され着任した篠塚とイックら影が初めて対面した場所。ニューヨーク支部のあるビルは表向きは地下2階までしかないが、実はUBの施設としてB3からB10まであり、彼らが顔を合わせた参謀会議室は最下層のB10にある。 UB南部アメリカ支部 アメリカ・オクラホマ州某所にあるUB支部。 ブルールーム 一桁のトップナンバーのみが集う会議室。「DUTY32:標的(1)」で影のイックも召集され入室したが、本来は一桁のみが許された部屋であるため、決まりを重視し軍事衛星であるNo.4を除き他の一桁は顔を隠しての出席とされた。 獣の眠る森作戦 第1シリーズの最終章「DUTY32:標的」で篠塚が決行した作戦。「煌龍」の総帥の正体を暴くべく慎悟が囮を務め、目的が果たされた後は慎悟を救出して「煌龍」を捕縛するというもの。慎悟と彼を捕らえようとする「煌龍」の位置は彼の警護でバイト先「鳳凰楼」に潜入した環ゆかが報告し、敵の注意を引きつける攻撃ヘリと情報収集でNo.7が協力した。 コード405 慎悟を指し示すコード。UBトップナンバーたる篠塚の恋人ゆえに組織内では最重要機密事項として扱われ、そのコードで呼称される。 隠れ家 世界各地にある「UB」所有の住居。慎悟達のつかの間の我が家も同様である。 オペレーションA 第3シリーズの「Mission2」で当初、篠塚が実行していた作戦。篠塚が敵の標的に繋がる人物だと情報操作でおびき寄せた実行犯に自身を誘拐させて敵の本拠地に入り込み、直接敵の首謀者の正体を突き止めて捕縛する。時間はかかるものの現行犯で確実性が高い。その代わり、篠塚の戦闘力がどうあれ危険も高くなる。 自らの手で解決することを望む篠塚が最も好む作戦だが、トップナンバーの篠塚が現場に出張ること自体が問題視されており、いつも反対しているイック (No.19) だけでなく単独行動の共犯になることが多いNo.33すら難色を示して「オペレーションB」を進言するも篠塚は退けた。 オペレーションB 実行犯を一気に叩き潰し、手足となる部下を一掃された首謀者が動揺して逃亡するところを捕縛する。動かない可能性があり成功率は少々低下するが、即効性がある。 「Mission2:episode3」で篠塚に一目惚れした女子高生トリオの一人が敵の実行犯に誘拐されたため、こちらの作戦に変更した。 UBアフリカ支部 リド王国のクーデターの内偵をUB日本支部に依頼し、故国を裏切った外交官の一味を捕縛後、クーデター未遂事件の黒幕であるミスターRとカダターン国の重鎮たちを追っている。 廃村 第3シリーズ最終章で慎悟が暮らしていた山の上の廃村とされた村。元々は重要人物の保護のためという意味合いで建造された隠れ基地であり、トイレはウォシュレット付きで電気水道等は組織で整備されている。風呂はジェットバス。 村の中に幾つもシェルターが設置されている。慎悟と篠塚が住むことが決まった際、村の中での慎悟の自由とプライベートを確保したいという篠塚の希望に沿って撤去不可能なシェルター以外の防犯設備および「UB」関連のものを外した。その事実は「UB」に守られることを極力避けたい慎悟が知れば行くことを拒否することは明白であるため、1年前の真相を告げるまで隠蔽されていた。慎悟が村を離れた後、セキュリティは元に戻された。「JBF」壊滅作戦終了後、篠塚により警護とされたDIVや「異端のD」が慎悟の警護を任され、慎悟と共に暮らすようになる。 第5シリーズでは駅が復活しても立入禁止区域とされているため、近隣の人々に山には鬼神がいると噂される。慎悟によれば「異端のD」は15名ほどおり、彼らのネットワークで村のことを知りDが少しずつ集まっている。 Silent Black 篠塚と「影」に代わる直属の部下としたDIVや「異端のD」の呼称。黒ずくめの衣装を纏い、黒髪の指導者のもとで任務を遂行するため、畏怖と畏敬を込めて呼ばれる。
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