特定非営利活動法人太地
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太地町
太地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:36 UTC 版)
実力行使 和歌山県太地町の追い込み漁は当地の観光名物であったが、2000年代以降は環境保護団体の標的となっており、実力行使による違法行為が繰り返されている。例えば、野生の鯨類の利用に反対する過激な行動を伴う反捕鯨団体「シー・シェパード」などの構成員が、2003年と2010年に小型鯨類を囲む網を切断したり、2007年には活動家らがサーフボードで漁場に侵入して業務を妨害したり、また、2012年には古式捕鯨のモニュメントを破壊した。(シーシェパード#日本のイルカ漁に対する抗議活動も参照) 実力行使への反論 漁業者側は、2003年の時点で、太地漁業協同組合の参事が、国際捕鯨委員会の目的は「鯨資源の適切な保全を図り、捕鯨産業の秩序ある発展を可能にする」ことであることや、太地の捕鯨は伝統であり追い込み漁も重要な構成要素であること、太地の捕鯨者達は何世代にも亘って、地域住民に食料を提供しており、今後も漁を続ける旨を抗弁した。和歌山県は、『イルカ漁等に対する和歌山県の見解』で、「太地町のイルカ漁は、これまでも何度となく、海外からやって来る過激な動物愛護団体のターゲットとなり、漁業の妨害や精神的な攻撃を繰り返し受けてきました。」と記して追い込み漁に賛成意見を送り、これに賞賛するコメントが多数寄せられた。 2015年の和歌山県議会は、(太地町での)「反捕鯨団体シーシェパードによる過激な批判や危険な妨害などは、すでに10年以上も続いている。県警察並びに海上保安庁のたゆまぬ努力での警戒体制強化により、沈静化も図られてはいるものの、終わりなき抗議活動によって与えられる精神的、肉体的な苦痛は計り知れない。」と、シーシェパードを名指しで批判した『捕鯨とイルカ漁業への妨害や不当な圧力に対する抗議と地域食文化を継承するための措置を求める意見書』を全会一致で可決した。 映画『ザ・コーヴ』 2009年に太地町での漁に対して批判的な映画『ザ・コーヴ』が公開され、漁に対して賛否が巻き起こった。リック・オバリーを案内役として、映画は一貫した恣意的な編集や無許可の撮影、やらせなどがあり、公開をめぐる議論や訴訟、映画に対しての抗議活動などがあった。例えば、和歌山県は「この映画のように、一方的な価値観や間違った情報で批判することは、長いあいだ太地町でイルカ漁にたずさわってきた人たちの生活権を脅かし、町の歴史や誇りを傷つける不当な行為であり、決して許されることではありません。」と激しく批判した。また、海外の保護団体の活動の影響で、イルカに関する一般の研究活動に対して地元漁業者の協力が得られにくくなるという影響も出ている一方では、認知度が上がった為、冷凍イルカ肉が売り切れた現象が起きた。 小型鯨類の捕獲や活け締めの現場を捉えた写真・ビデオによって太地への批判が高まった。また、現在の太地では漁における活け締めや解体作業は、小型鯨類の死を晒し者にされない為に、公衆の視線を避け、天幕の覆いの下で行われる。映画『ザ・コーヴ』では、イルカ漁は日本国民から隠蔽されていると指摘している。しかし実際にはイルカ漁への批判が起こる前は、日本はイルカ漁を文化とする国なので、普通の漁業として一般公開されていたものが、フリージャナリストの綿井健陽の太地町での取材による、反捕鯨団体や海外メディアの取材行為が結果的に隠される要因になったのだろうと指摘している。 2015年、映画監督の佐々木芽生が、映画『ザ・コーヴ』に疑問を感じ、公平な観点からのドキュメンタリー映画を製作していたところ、『ザ・コーヴ』にも出演したシーシェパードのポール・ワトソンからまだ映画が完成していないにも拘らず批判され、佐々木は「攻撃の対象となったことで太地町民の心境を理解できた」と語っている。 世界の反応 2013年に研究者からや、2014年に世界動物園水族館協会(WAZA)から、漁への反対の立場が表明され、概ね捕獲法と活け締めとが疑問視された。 2015年、WAZは和歌山県太地町で行う追い込み漁から小型鯨類を取得していることを理由に、日本動物園水族館協会(JAZA)を突然会員資格停止処分とし、1か月間の猶予期間中に改善策を示さない場合は、日本動物園水族館協会を除名処分にすると勧告した。この処分は、WAZA がイルカ保護団体「オーストラリア・フォー・ドルフィン」(AFD:Australia For Dolphins)から訴訟された為、強硬姿勢を取ったと、一部の人々は推測したり、日本の水族館に小型鯨類が少なくなることを心配したりした。。これに従い、2015年5月20日日本動物園水族館協会は、追い込み漁で捕獲されたイルカの購入をやめることを決定した。日本動物園水族館協会は動物園の加盟者の方が多く、世界動物園水族館協会から除名された場合、動物の輸入が困難になるために、世界動物園水族館協会への遺留票が多数を占めた。アメリカでは原則として野生動物の捕獲を禁止しており、水族館にいるイルカの7割は施設内繁殖となっている。しかし小規模の水族館には、繁殖用の設備がなく費用面の問題より新たに設備を整えるのも困難である。 また、反イルカ追い込み漁の集会やデモが、主に反捕鯨国と言われる国々で、散発的に起きている。 「太地町#イルカ追い込み漁に関する議論」、「太地いさな組合#課題」、および「鯨肉#鯨肉の汚染問題」も参照
※この「太地」の解説は、「イルカ追い込み漁」の解説の一部です。
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