大統領一家
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「ザ・ホワイトハウス登場人物一覧」の記事における「大統領一家」の解説
ジェド・バートレット (Dr. Josiah Edward "Jed" Bartlet) - 吹替:小林薫(シーズン1-4)→小林尚臣(シーズン5-7) アメリカ合衆国大統領。第1話では冒頭で自転車事故を起こし、「ポータスが自転車事故」と各スタッフのポケベルに連絡が回る所からストーリーが展開される。POTUS(ポータス)とは、President Of The United States(アメリカ合衆国大統領)の略である。シークレットサービスには「イーグル(大統領旗の紋章)」という暗号名(コードネーム)で呼ばれている。 アメリカ独立宣言にニューハンプシャー州代表の代議員として署名したジョサイア・バートレット博士は曾祖父の曾祖父であり、直系の子孫である。ジョサイア・バートレットはニューハンプシャー州の最高裁判所主席判事や知事を歴任した。故郷ニューハンプシャーに広大な農場を所有するなど、名家の当主でかなりの大富豪である。 再発・緩解型の多発性硬化症(MS)に罹っており、1期目の大統領選挙の際は公表していなかった。アビーとの約束で、当初は1期だけで辞めるつもりだったが、2期目を目指すにあたり、国民に事実を公表する。このMSに関しては、たびたびエピソードの核になり、シーズン後半になると症状が次第に悪化する。 父親が校長を務めるキリスト教系の高校に通っていて、授業料は無料だったらしい。この時、父親の秘書として雇われたドロレス・ランディンハム(後述)と出会う。 父親とは不仲であり、正しいことをしていたバートレットにしばし手をあげることもあった。このことから大統領在任中にも何度かトラウマのようになっており、カウンセリングを受けている。また、トビーが超えてはならない一線を超えてしまった要因にもあった。 神父になるためにノートルダム大学に入学したが、他にもハーヴァード大学、イェール大学、ウィリアムズ大学から入学を許可されていた。ノートルダム大に対しては現在でも愛着があり、ノートルダム大が出場するフットボールの試合があった時などはたびたび話題に上ることがある。 大学在学中にアビーと出会ったため、神父の道に進むのを止め、ロンドン大学で経済学の博士号を取得する。その後はダートマス大学で教鞭を執ると共に、ノーベル経済学賞を受賞する。このノーベル賞の額は、ホワイトハウス内のルーズベルトルームの暖炉の上に置かれており、しばしば訪問者などに話題にされる。 大統領になる前は、下院議員を三期、ニューハンプシャー州知事を二期務めた。地元ニューハンプシャーでの人気は絶大で、知事選では60%を超える得票を獲得した。このため1回目の大統領選挙では、ニューハンプシャーでの予備選挙に合わせて地元での選挙活動を行っていたバートレットに対して、スタッフたちが「現状で既にこれだけの人気があるニューハンプシャーでは、これ以上の大幅な支持の伸びは期待できない。」として、選挙戦を有利に進めるためにニューハンプシャーでの選挙活動を打ち切り、まだライバルたちが誰も選挙活動を行っていなかったサウスカロライナ州で選挙活動を行うことを進言するエピソードが登場する。 1回目の大統領選挙では、「学者肌のニューハンプシャー知事」として決して本命視されておらず、後に副大統領を務めるホインズ(当時、上院議員)が最有力候補であったが、レオを始めとするスタッフ、家族の協力で各州での予備選挙を勝ち抜いていく。ついにはホインズに次ぐ2番手に付けていたワイリー上院議員やホインズまでも破り民主党の指名を受諾、本選挙では得票率48%と得票数が過半数に達しなかったが、共和党候補に勝利して合衆国大統領に就任した。 演説の名手であり、一般教書演説などの重要な場面においても、その才能を遺憾なく発揮している。党の指名候補や大統領選も劣勢であったが、彼の演説によって事態が好転したこともいわれている。最もその好例として、3回目の一般教書演説の際には、拍手による中断が73回にも上った。スピーチライターのトビーとサムとはしばし、言葉や表現を巡って議論を繰り広げているのも同作品の見どころである。なお、トビーは勝手にアドリブを入れるバートレットに度々不満を漏らしていた。そのため、バートレットが血圧の高い日はトビーを近くにいさせないようにしている。 バートレットの民主党大統領候補指名受諾演説も名スピーチであったと言われている。また、2期目を狙った大統領選でも共和党のリッチー知事との討論会で相手を圧倒する展開を見せて投票でも圧勝、再選を果たした。 首席補佐官のレオとは30数年の長い付き合いであり、親友である。ただしレオ曰く、親友はあまり多くないとのこと。 典型的なアイルランド系アメリカ人のカトリック教徒でラテン語が上手。感謝祭では毎年ラテン語のスピーチをする。さらに、一般教書演説の晩に自身と代わりにホワイトハウスに残す継承権を有する農務長官から、ラテン語で書かれた合衆国憲法をもらい、その場で大統領の権限の条文を訳すなどその語学レベルは高いと思われる。敬虔なカトリック教徒であるが、シーズン2の最終話では、自身の秘書であり、長年の親友(姉御的存在)でもあったランディンハム夫人が新車を引き取ってホワイトハウスに戻る途中で酔った対向車と衝突して事故死したことに大きなショックを受け、彼女の葬儀が終わった後に大聖堂の中で独り神に向かって「あんたの罰など糞くらえだ。あんたなど糞くらえだ。」と毒づき、神との決別をしたシーンもある。なお、当初は再選に打って出ようとしていたスタッフたちを尻目に、自身のMSを公表し、不出馬を固めていたが、亡くなったランディンハムさんが執務室に出てきてバートレットにキツイ言葉を放ったことで一転して出馬を目指すことになった。 ユーモアセンスは抜群で正義感が強く、曲がったことが大嫌いだが、気さくな性格で周囲を和ませる。ただ、時折、彼の豊富な知識から繰り出される時間的に長い「うんちく」は周囲の悩みの種である。ジョシュ(後述)に国立公園に関するうんちくを披露した際には、「オタク」呼ばわりされていた。 普段は皮肉やユーモアを交えつつも沈着冷静に問題解決にあたり、なおかつスタッフや家族には温厚な態度で接するが、困難にぶつかった時などにしばしば激高し、スタッフや家族に怒鳴りつけることがある。例えば、シーズン1の第3話では、同シーズン第2話で自身のお気に入りだった主治医のモリス・トリバー海軍中尉が任務のためにヨルダンへ空軍輸送機で移動中に、シリア軍の攻撃によって落命した際には、限定的な報復攻撃プランを突っぱね、このプランを検討・提示したフィッツウォレス統合参謀本部議長(後述)らシチュエーションルームに参集していた軍人・アドバイザーたちに対して「全面報復だ!!」と怒鳴りつけるシーンがある。 シーズン1で一般教書演説前に38℃台の高熱とともに体調を崩して、執務室で高級ピッチャーグラスを落としながら卒倒してしまう。インフルエンザで倒れたことになっていたが、実はMSの発症でこの時アビーがレオに病状について告白した。 シーズン1最終話で襲撃事件に遭遇、腹部に銃弾を受けるも、比較的軽傷で済む。この時バートレットは銃弾を受けたことに気づかずリムジンに乗っていたが、異変に気付いた主任警護官バターフィールド(後述)の機転で、即座にジョージ・ワシントン大学附属病院に搬送された。 シーズン4のエピソードで末娘のゾーイが誘拐される事件が発生する。自身の誤った判断を防ぐ為、合衆国憲法修正第25条(大統領権限の一時的委譲)にのっとり、辞任したホインズ副大統領に代わって大統領継承権第2位のグレナレン・ウォーケン下院議長(後述)に、事件解決まで大統領権限を委譲する。 首席補佐官のレオは前述のように30年来の親友であり、また政治面でも「大統領の右腕」として重要な役割を担ってきた。特に、一部の政策分野(おもに外交・軍事や安全保障、テロ対策などの分野)に弱いバートレットに軍事面などからアドバイスを与え、決断を助けうながすのもレオの重要な役割の1つとなってきた。同時にシーズン4でも赤道クンドュー共和国に武力介入を決断したときも、真っ先にレオを官邸に呼び戻すなどレオの「同意」を要するほど信頼していた。 しかしシーズン5で、中東議員視察団の一行がガザで発生した爆弾テロに巻き込まれ、フィッツウォレス前・統合参謀本部議長ら3人が死亡する事態が発生した際には、世論や議会、上級スタッフ、そしてレオが報復攻撃を強く求めるなかで、敢えて軍事介入しようとせず中東和平の道を探ろうとする。もともとバートレットは、シーズン3の頃から外交政策やテロ対策・安全保障政策は穏健政策を採りたかったのだが、レオに押し切られる形で強攻策を採っていた。バートレット自身が兵役経験がないのも要因となっている。しかしケイト・ハーパー国家安全保障問題担当副補佐官が登場してからは、ケイトが大統領の意向に沿う穏健策を提案することもあって、次第にバートレットはレオを遠ざけることになる。 その溝は次第に深刻になり、シーズン6冒頭でキャンプ・デービッドでイスラエル、パレスチナとの中東和平会談が開催された際にも、レオに軍事指示を出させる為だけにホワイトハウスに残るように指示する。このことが更にレオを遠ざけてしまう結果になり、後日キャンプ・デービットに来たレオ抜きでミーティングを行ってしまう始末であった。さらに、その内容もケイトの提案で「パレスチナに平和維持軍を派遣する」というものであり、レオは「平和維持軍を派遣すれば、中東問題の泥沼に巻き込まれることになる」という危惧から反対するが、バートレットはその反対すら聞く耳持たずの状態だった。ついに業を煮やしたレオから「私の意見が不要なら(首席補佐官から)外して下さい」と告げられる。バートレットは愕然としながらも「意見が合わないぐらいで…」と怒鳴り一旦は慰留するも、すぐに「辞める前に後任候補を出してくれ」と告げてしまう。 だが、この辞意了承のショックが一因となってバーナムの森でレオは心臓発作を起こし、倒れてしまう。レオが長時間倒れても周りが気付かずにホワイトハウスに戻っていたときに一報が入り、レオが倒れたと聞いたバートレットは、発作は自分が辞意を了承したせいだと思い、自責の念に駆られる。そして開胸バイパス手術を終えて目を覚ましたレオに「首席補佐官を続ける覚悟はあるか」と聞く。しかしレオが「覚悟はあるが、続けることは無理だ」と応えたために、バートレットは後任候補を推薦させた上で、レオの退任を了承する。このときレオが「候補は1人しかいない」と大統領に推薦したのが、当時報道官であったCJ・クレッグである。この時、以前首席補佐官に就任するよう要請したときに言ったセリフを覚えているかとレオから聞かれ「崖から飛び降りてくれ」と口を揃えて答えるシーンがあるが、バートレットは後任のCJにも同じ文句でそれを伝え、首席補佐官に任命する。 バートレットを演じる俳優マーティン・シーンは、「地獄の黙示録」などに出演したトップ俳優でありながら長くヒット作品がなかったため、本作品で演じた大統領役を俳優人生最高の経験と語っている。シーン自身リベラルな民主党支持者であり、アメリカではこのドラマとの関係からよく応援演説に招待される。 シーズン1〜4まで脚本・製作総指揮を担当したアーロン・ソーキンは、パイロット版(シーズン1第1話)を制作した段階においては、このドラマが大統領の側近たちの日常を題材とすることから、大統領本人はあまり登場させず、月に1度程度のペースで登場させるつもりであった。これは、ソーキンが以前にもアメリカ大統領を題材とした映画「アメリカン・プレジデント」の制作に携わっており、内容が同じような傾向になることを避けたいと考えたからである。実際パイロット版では、大統領は最後のシーンで初めて登場してくる。しかしソーキンによれば、パイロット版を制作した後に彼や他のスタッフたちが「大統領を毎回登場させた方がリアリティがある。」ということに気づいたため、脚本を練り直すと共に、マーティン・シーンに毎回出演を持ちかけたという。これに対し、シーンは二つ返事で出演を快諾、これが現在に至るバートレット大統領が誕生した由来である。 アビー・バートレット医学博士 (Abigail Ann "Abbey" Bartlet M.D.) - 吹替:平淑恵(シーズン1-4)→唐沢潤(シーズン5-7) ファーストレディ。政治、医療問題、特に女性の人権問題などに熱心に取り組んでおり、それが行き過ぎて夫のジェドと喧嘩になることもしばしばある。しかし、心からジェドを愛しており、多発性硬化症(MS)という難病を抱える夫を常に心配している。自らの地位を顧みずに、夫に医療倫理規定違反の治療を行った事などからも、夫への愛が伺える。ジェドの2期目からは、医師免許を返上することで医師としての仕事をストップし、夫のそばに居続けることにした。 シーズン4でゾーイが誘拐されるも、その事件背景に大統領のシャリーフ暗殺を決断した事が遠因になっている事を知り、夫妻の間に隙間風が生まれてしまう。しかしその後和解し、以後はしばしば悪化する夫の病状などと闘いながら妻として夫を支えている。 ゾーイ・バートレット (Zoey Patricia Bartlet) - 吹替:高橋ちよみ(シーズン1-2)/新井里美(シーズン3-4)/竹村奈津(シーズン5-) 大統領の三女で末娘。自由に行動したいと願っており、その行動で大統領を不安にさせているが、大統領からは一番可愛がられている。シーズン1で、ジョージタウン大学に入学し、医学生としての道を歩み始める。また同時に、父親の私設秘書を務めていたチャーリー・ヤング(後述)と知り合い、付き合うようになる。しかし、ロスリンでの銃撃事件でチャーリーが「自分がゾーイと付き合ったことで、大統領の命を危険にさらした」と深い責任を感じたことを契機に2人の関係は冷え込み、ついには別れてしまう。このあとゾーイは、フランス人のジャン・ポールと付き合い始めたものの、チャーリーはまだゾーイのことを思っているようであり、またゾーイの方もジャン・ポールと付き合うのに懐疑的なときもあった。 シーズン4の最終話で、恋人であるジャン・ポールと共に行ったバーで、ジャン・ポールによって酒にエクスタシーを混入された。さらにその後何者かに誘拐される。そのためバートレットは、自分が冷静な判断ができない状態だとして、アメリカ合衆国憲法修正第25条を発動、グレナレン・ウォーケン下院議長(政治的人間関係の項に詳述)に、大統領権限を一時的に委譲した。 シーズン6でチャーリーと復縁する。 エリー・バートレット (Eleanor Emily "Ellie" Bartlet) - 吹替:石塚理恵(シーズン2) 大統領の次女。名付け親は公衆衛生局長官ミリー・グリフィス(後述)である。現在はジョンズ・ホプキンス大学の医学生。 自身の名付け親である公衆衛生局長官ミリー・グリフィスが、マリファナに関して合法化を容認するともとれる発言をし、辞職の危機にさらされていた際に、バートレットに断り無くグリフィスを擁護する発言をメディアに対して行ったことで、バートレットと言い争いになるなど親子関係は一時険悪なものとなる。しかしその後、グリフィスに諭されたことでバートレット自身が思い直し、エリーの発言は決して悪意のあるものではなく、父親である自分のことを心から思ってのものだったと気付いたことで、バートレットが自らエリーに歩み寄り、親子関係は修復された。 シーズン7で、キイロショウジョウバエの研究者であるヴィックと結婚する。バートレットはヴィックのことをハエ男とバカにしていたが、最終的には結婚を認め、ホワイトハウスで挙式が行われる。バートレットはエリーのウエディング姿を見て、娘が幼い時を思い出し涙した。 リズ・バートレット・ウェスティン (Elizabeth Bartlet "Liz" Westin) 大統領の長女。ダグ・ウェスティンの妻。他の姉妹と違って登場回数は少ないが、登場人物たちの会話の中で大統領に何かあったときに度々ホワイトハウスに子供たちを連れてきてやってきていることが明かされていた。最後に三姉妹が揃ったのはレオの葬儀の時である。 ダグ・ウェスティン (Douglas Westin) リズの夫。シーズン5で、義父であるバートレット大統領の地元であるニューハンプシャー州第一選挙区から下院議員選挙に出馬する。出馬にあたってダグは、選挙を統括していたジョシュに「自らこそ候補に相応しい」と民主党公認として推薦するよう頼んだものの、ダグが立候補しようとしていた選挙区には既に有力な候補者がおり、加えてダグには「大統領の義理の息子」という点しか特筆すべき点がなかったために推薦を受けることは叶わず、結局は無所属で出馬を強行することになる。 その後も、ニューハンプシャー州では大統領選に出馬していたサントス候補と会っている。ジョシュはダグの応援を得ようとしていたが夫婦共々これを拒否した。
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