強制性交等罪とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > 強制性交等罪の意味・解説 

強制性交等罪

読み方:きょうせいせいこうとうざい

強姦罪」の呼び名替えて導入される性犯罪罪名。すなわち強姦罪異称2017年前半刑法改正案として閣議決定した。

強姦罪を強制性交等罪へ刷新する法改正案では、法定刑の引き上げ厳罰化)、親告罪規定廃止非親告罪変更)といった改正盛り込まれている。罪名変更ぶは「被害者女性限定しない」(強姦の語に「女性被害者」という意味が前提されている)という趣旨があり、性差是正趣旨含まれている。

きょうせいせいこうとう‐ざい〔キヤウセイセイカウトウ‐〕【強制性交等罪】

読み方:きょうせいせいこうとうざい

暴行または脅迫によって性交肛門性交口腔性交をする罪。刑法177条が禁じ5年上の有期懲役処せられる。強制性交罪

[補説] 平成29年2017)の法改正により、強姦罪構成要件法定刑見直し、名称を変更したもの。従来強姦罪は、女性対す姦淫(かんいん)を対象とし、親告罪として規定されていたが、強制性交等罪は、被害者加害者性別に関係なく適用され被害者告訴がなくても起訴できる非親告罪改められた。法定刑下限は、懲役3年から5年引き上げられた。また、親が監護者としての影響力乗じて18歳未満の子性交等をした場合に強制性交等罪と同様に処罰する監護者性交等罪新設された。


不同意性交等罪

(強制性交等罪 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/12 21:09 UTC 版)

不同意性交等罪
法律・条文 刑法177条
保護法益 性的自由
主体 人間
客体 人間
実行行為 不同意性交等
主観 故意
結果 結果犯、侵害犯
実行の着手 性的不同意の状態で、人間に対して性交等に及んだ時点
既遂時期 性器肛門又は口腔への一部挿入時点
法定刑 5年以上の有期拘禁刑。有期拘禁刑の上限は20年、加重により30年[1]
未遂・予備 未遂罪(180条
テンプレートを表示

不同意性交等罪(ふどういせいこうとうざい)は、16歳以上の者に対し、後述の8つの要件によって同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて性交等を行うこと、または16歳未満の者に対し性交等を行うことを内容とする犯罪類型。

かつての強制性交等罪準強制性交等罪を一本化した罪名であり、2023年7月13日に改正刑法が施行された[2][3]。以前の強制・準強制性交等罪では、「暴行脅迫」を用いることや「心神喪失抗拒不能(抵抗ができない状態)」に乗じる/させることが成立要件になっていたが、「被害者の強い抵抗があったかどうかが重視され、司法判断にばらつきがある」「『暴行や脅迫』がなくても恐怖で体が固まったり、相手との関係性で抵抗できないなどの実態がある」として、見直しが求められていた[4][5][6]。不同意性交等罪では、条文に「有効な同意」ができない8つの典型的な場面を挙げ[7]、また婚姻の有無を問わないことを明示し、性交同意年齢を13歳から16歳へと引き上げた。

この罪を犯した者は、5年以上の有期拘禁刑に処されることがある。

条文

(不同意性交等)
第177条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

概要

不同意性交等罪

16歳以上の者に対し暴行・脅迫をはじめ有効な同意のできない8つの要件のいずれかの状況のもと性交等を行うこと、または16歳未満の者に対し同意の有無を問わず性交等を行うことを内容とする犯罪類型である。主体・客体ともに性別不問である。

法定刑は5年以上(20年以下、加重により30年以下)の懲役。

性交等の定義

「性交等」には、性交、肛門性交、口腔性交のほか体の一部や物をまたは肛門に挿入する行為が該当する[8][9][10]。性交、肛門性交、口腔性交の定義については強制性交等罪を参照。

8つの要件

1つ前の条文である第176条(不同意わいせつ罪)に基づき、不同意性交罪の成立要件として、以下の8つが挙げられている[11]

  1. 「暴行や脅迫をする(暴行や脅迫を受ける)」
  2. 「精神的、身体的な障害を生じさせる(心身の障害がある)」
  3. アルコール薬物を摂取させる(アルコールや薬物の影響がある)」。
    相手がアルコールの影響がある場合は要件に該当するが、その上で「同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難なほど酔っている」ことが必要である[12][13]。つまり、同意しない意志を形成・表明・全うすることが出来る状態にある人と、同意を取った上で行う性交は罪にならない[14]。場合によっては、酩酊の程度が考慮されるなど、個別の事案ごとに証拠に基づいて判断されることになる[12]
  4. 「眠っているなど、意識がはっきりしていない状態にさせる(意識が不明瞭な状態にある。同意を示すためには、性行為が持つ意味とリスクを十分に理解していることが前提となるため、寝ている人は同意を示すことができない[15])」
  5. 「拒絶するいとまを与えない(被害者が急に襲われる場合などを想定)」
  6. 「恐怖・驚がくさせる(恐怖・驚がくしている。ショックで体が硬直し、いわゆるフリーズ凍りつき)状態になった場合などを想定)」
  7. 虐待による心理的反応を生じさせる(被害者が長年にわたって性的虐待を受けることで、拒絶する意思すら生じない場合などを想定)」
  8. 「経済的・社会的関係の地位に基づく影響力で受ける不利益を憂慮させる(不利益を憂慮している。教師から生徒、上司から部下、スポーツの指導者から選手に対する行為などで、断ったら不利益を受ける可能性がある場合)[16]
    • 以上「1 - 8の行為や状況」または、「わいせつな行為ではないと勘違いさせたり、人違いをさせる/していること」により「性的行為に同意しない意思を形成(同意しないことを発想もできない)、表明(同意しないことを言えない)、全うすることが困難(同意しないと言っているのに無視して押し切られる)な状態にさせたり、そうした状態に乗じたりして、性的行為をした」場合に処罰される[2][17][18]。今まで通り、立証責任は検察官にあるため、8類型にプラスして同意がなかった/全う出来なかったことを証明するビデオや元々の関係性、性交後の行動など事実を捜査して、総合的に評価が行われる[14]

監護者性交等罪

18歳未満の者に対して、その者を現に監護する者(監護者)であることによる影響力があることに乗じて性交等をした場合には、監護者性交等罪(第179条第2項)に当たる。性交等の定義と法定刑は不同意性交等罪と同一である。

監護者

本条項の主体は、(18歳未満の者を)「現に監護する者」であり、真正身分犯である。「現に監護する者」の範囲に関しては、次の衆議院法務委員会での政府参考人の答弁(抄)によれば、以下の場合が想定されている。

2017年(平成29年)6月7日衆議院法務委員会での林眞琴政府参考人の答弁[19]

…監護するというのは、民法八百二十条に親権の効力と定められているところと同様に監督し、保護することをいいまして、十八歳未満の者を現に監護する者とは、十八歳未満の者を現に監督し、保護している者をいいます。

本罪の現に監護する者に当たるか否かは個別の事案における具体的な事実関係によって判断されることとなりますが、民法における監護の概念に照らしまして、現にその者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点でありますとか生活上の指導監督などの精神的な観点、このようなものから依存、被依存ないし保護、被保護の関係が認められ、かつ、その関係に継続性が認められるということが必要であると考えております。

(中略)例えばスポーツのコーチでありますとかあるいは教師など、こういった者についてはやはり通常は、生徒等との間に生活全般にわたる依存、被依存ないし保護、被保護の関係が認められないことから、現に監護する者に当たらない場合が多いと考えております。

最高裁判所は、2025年(令和7年)1月27日付の決定にて、交際中の母親(監護者)に娘を説得させて被告との性交に応じさせた内縁の夫に関して、被告人は、本件児童の監護者ではないと判ずる一方で、「監護者の身分のない者が、監護者と共謀して、監護者であることによる影響力があることに乗じて当該18歳未満の者に対し性交等をした場合、監護者性交等罪の共同正犯が成立する」旨の判断をし、本罪の身分犯の共犯を認めた[20][21]

影響力

「影響力があることに乗じて」については、前記と同じの答弁(抄)によれば、以下の場合が想定されている。

2017年(平成29年)6月7日衆議院法務委員会での林眞琴政府参考人の答弁[19]

乗じてとの用語でございますが、...現に監護する者であることによる影響力が一般的に存在し、当該行為時においても、その影響力を及ぼしている状態で性的行為を行うということを意味します。...性的行為を行う特定の場面におきまして、監護者からこの影響力を利用する具体的な行為がない場合でありましても、このような一般的かつ継続的な影響力を及ぼしている状態であれば、被監護者にとっては監護者の存在を離れて自由な意思決定ができない状態であると言えます。

その上で、被監護者である十八歳未満の者を現に監護し、保護している立場にある者がこのような影響力を及ぼしている状態で当該十八歳未満の者に対して性的行為をすることは、それ自体が被監護者にとって当該影響力により被監護者が監護者の存在を離れて自由な意思決定ができない状態に乗じていることにほかならないと言えます。 よって、乗じてと言えるためには、性的行為に及ぶ特定の場面において影響力を利用するための具体的な行為は必要なく、影響力を及ぼしている状態で行ったということで足りると考えております。

結果的過重犯

人の死傷を伴う場合は、結果的加重犯として刑がより重くなる。不同意性交等罪若しくは監護者性交等罪又はこれらの罪の未遂罪を犯しよって人を死傷させた時は、無期又は6年以上の懲役となる。

過去の類型

ここでは、過去に規定されていた犯罪類型の法的観点からのそれぞれの罪の概要について述べる。改正の経緯については、後述の節を参照のこと。

強姦罪と強制性交等罪、不同意性交等罪の違い
適用期間 構成要件 公訴時効 親告罪 有期懲役 廃止 新設
(a)
罪名:手段・状況
(b)
性行為
(c)
被害者
(d)
性交同意年齢
強姦罪
(第177条)

準強姦罪
(第178条)
1908年-
2017年
強姦罪:「暴行・脅迫」を用いる

準強姦罪:「心神喪失・抗拒不能(抵抗ができない状態)」にする/乗じる[22][23]
男性器の挿入が条件[24]
姦淫(男性器を女性器に挿入する)[22]
被害者は女性、加害者は男性のみ[22] 13歳
13歳未満は、
(a)の要件なし、
相手が同意していても処罰の対象
10年 親告罪
(被害者が告訴しなければ、検察は事件を起訴できない)[22]
2-15年(1908-2004年)

3-20年(2005-2017年)
強制性交等罪(第177条)

準強制性交等罪(第178条第2項)
2017年-
2023年
強制性交等罪:「暴行・脅迫」を用いる

準強制性交等罪:「心神喪失・抗拒不能(抵抗ができない状態)」にする/乗じる[22][14]
男性器の挿入が条件[24]
性交、肛門性交または口腔性交(男性器を女性器や肛門、口腔内に挿入する/させる)[22][25]
性別を問わない(女性以外も被害者に、男性以外も加害者に)[22] 13歳
(〃)
10年 非親告罪
(事件の認定をもって、検察は事件を起訴できる)[22]
5-20年 法定刑の引き上げに伴い「集団強姦罪」「集団強姦致死傷罪」を廃止[22] 監護者性交等罪」「監護者わいせつ罪
18歳未満の子どもを監護(生活全般を支える)する親や児童養護施設職員など、その影響力に乗じて性交・わいせつ行為をした者を処罰できる[22]
不同意性交等罪(第177条) 2023年- 不同意性交等罪:「8つの行為や状況」または「わいせつな行為ではないと勘違いさせたり、人違いさせる/していること」により「被害者が同意しない意思を表すことが難しい状態にする/乗じる[22] 性交、肛門性交または口腔性交に加えて、体の一部(指など)や物を、膣や肛門に挿入する行為も「性交」扱いに[9] 性別を問わない[2] 16歳
13未満は、(a)の要件なし;
13-15歳は、5歳以上年上の加害者は(a)の要件なし、
相手が同意していても処罰の対象[2]
15年 非親告罪 5-20年 〔強制性交等罪と準強制性交等を統合〕[2] 性的面会要求罪」「性的姿態撮影罪[2]

2017年までの類型

強姦罪

暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫、または、13歳未満の女子を姦淫することを内容とする犯罪である。法定刑は3年以上20年以下(2004年改正以前は2年以上15年以下)の懲役。

姦淫とは、男性生殖器を女性生殖器に挿入すること、つまり性交であり、現在の性交等よりも範囲が限られていた。

強姦罪は真正身分犯(構成的身分犯)である(最判昭和40年3月30日刑集19巻2号125頁)ので、原則として加害者は男性であり、女性は強姦罪の加害者になりえない(女性は単独で直接正犯となりえない)。一方、刑法65条1項により、女性が加害男性と共謀した場合には強姦罪の共犯となりうる(最高裁判所昭和40年3月30日判決[26])。

強姦罪の客体(被害者)は女性に限定されていた。この点に関して、刑法177条の規定が憲法14条1項の法の下の平等に反しないか争われた裁判では、最高裁判例は違憲ではないとしている(最高裁判所昭和28年6月24日判決[27])。

強姦に着手し、これを遂げない間に相手を殺害した直後、引き続き姦淫を遂げたときは、相手が既に死亡していても、強姦については既遂罪が成立する(大阪高等裁判所昭和42年5月29日判決[28])。

強姦罪の暴行・脅迫については「相手方の反抗を著しく困難にする程度のものであれば足りる」として、強盗罪の場合のような、相手方の反抗を不能にする程度までの暴行・脅迫でなくともよいとする(最高裁判所昭和24年5月10日判決[29])。相手方が13歳未満の女子の場合は、脅迫・暴行がなく、または同意があったとしても強姦罪を構成する(刑法177条後段)。判断能力の未熟な青少年を法的に保護する趣旨である[30]

準強姦罪

暴行・脅迫によらない場合も、女性の心神喪失・抗拒不能に乗じ、又は女性を心神喪失・抗拒不能にさせて姦淫した場合は、準強姦罪が成立した(刑法178条2項)。法定刑は強姦罪と同様。

心神喪失とは、精神的な障害によって正常な判断力を失った状態をいい、抗拒不能とは、心理的・物理的に抵抗ができない状態をいう。睡眠・飲酒酩酊のほか、著しい精神障害や、知的障害にある女性に対して姦淫を行うことも準強姦罪に該当する(福岡高裁昭和41年8月31日判決[31])。

集団強姦罪

2人以上の者が共同して強姦(準強姦含む)した場合、集団強姦罪として法定刑が加重される。なお、集団強姦罪の場合は、実際に性行為に参加していなくても、その場にいれば成立する。法定刑は4年以上20年以下の懲役。2004年に新設、2017年廃止。

結果的加重犯(2017年までの類型)

上記の罪又はその未遂罪を犯し、よって人を死傷させた場合には結果的加重犯として刑が加重される。強姦致死傷罪、準強姦致死傷罪は無期又は5年以上20年以下の懲役(平成16年改正以前は無期又は3年以上15年以下の懲役)、集団強姦致死傷罪は無期又は6年以上の懲役であった。

2017年から2023年までの類型

強制性交等罪

13歳以上の者に対し暴行又は脅迫を用いて人に性交等を強い、また暴行・脅迫の有無を問わず13歳未満の者と性交等をすることを内容とする犯罪である。法定刑は5年以上20年以下の懲役。旧強姦罪。

被害者、加害者ともに性別不問である。

性交等とは「性交、肛門性交又は口腔性交」である。本罪での「性交、肛門性交又は口腔性交」のそれぞれについては文理上定義はなく、判例も2018年(平成30年)時点で不明であるが、次の衆議院法務委員会での政府参考人の答弁(抄)によれば、以下の場合が想定されている。

2017年(平成29年)6月7日衆議院法務委員会での林眞琴政府参考人の答弁[19]

まず、性交とは、膣内に陰茎を入れる行為をいいます。肛門性交とは、肛門内に陰茎を入れる行為をいいます。また、口腔性交とは、口腔内に陰茎を入れる行為をいいます。

本条におきましては、誰の陰茎を誰の膣内、肛門内、口腔内に入れるかについては文言上限定しておりませんので、自己の膣内等に被害者の陰茎を入れる行為を含むと解することができると考えて用いておるところでございます。

したがいまして、今回の法案における性交、肛門性交または口腔性交とは、相手方の膣内、肛門内もしくは口腔内に自己の陰茎を入れる行為のほかに、自己の膣内、肛門内もしくは口腔内に相手方の陰茎を入れる行為を含むものであると考えております。

判例が不明のため構成要件該当性は不明であるが、この答弁の定義によった場合には、加害・被害側を問わず、行為者が男女間、または男性同士で、陰茎を膣、肛門もしくは口腔に入れ、または陰茎を膣、肛門もしくは口腔に入れさせた場合が対象となる。よって、オーラルセックス行為の内、フェラチオ行為でも加害・被害側を問わず対象となるが、クンニリングス行為の構成要件該当性、行為者が女性同士の場合の構成要件該当性、またフェラチオ行為についても、口腔内に陰茎を没入させず、舌で舐める等の行為に留まる場合の構成要件該当性については、この答弁においては明言されておらず、議論がある[32]

また、法制審議会第175回会議「性犯罪の罰則に関する検討会」における解釈では、「入れさせた」場合につき「陰茎を自己もしくは第三者の膣、肛門もしくは口腔に入れさせた」としている[33][34]

被害者が13歳未満の者の場合は、脅迫・暴行がなく、または双方の同意があったとしても強制性交等罪を構成する。

準強制性交等罪

暴行・脅迫によらない場合も、心神喪失・抗拒不能に乗じ、又は心神喪失・抗拒不能にさせて性交等をした場合には、準強制性交等罪に当たる(刑法178条2項)。被害者が酒や薬物等で抵抗できない状態にされている際に課される[35]。課される法定刑は強制性交等罪と同様。旧準強姦罪。

結果的加重犯(2017年から2023年までの類型)

上記の罪又はその未遂罪を犯し、よって人を死傷させた場合には結果的加重犯として刑が加重される。強制性交等致死傷罪、準強制性交等致死傷罪ともに無期又は6年以上20年以下の懲役であった。

性犯罪に関する刑法改正の経緯

法務省

明治時代に定められた性犯罪に関する刑法は、性被害当事者が声を上げ、その声を各方面に働きかけた専門家や議員によって改正が実現されてきた[22][4][36]

年表

  • 1880年(明治13年)、旧刑法強姦罪(第348条・349条)が制定された[11][37]
  • 1907年(明治40年)、現行の刑法が制定され、強姦罪が規定された(性犯罪処罰規定の基本的な構成要件は2017年まで維持)[38][14][11]
  • 2004年(平成16年)、懲役の下限を2年から3年に引き上げた[39]。衆参両院の法務委員会の附帯決議で、性犯罪の在り方についてさらなる検討が求められた[40]
  • 2010年(平成22年)、第3次男女共同参画基本計画で女性に関するあらゆる暴力の根絶が掲げられ、2015年末までに強姦罪などの「非親告罪化」「性交同意年齢引き上げ」「暴行・強迫を要する構成要件の見直しが提案された[40][41]
  • 2017年(平成29年)、1907年の制定以来110年ぶりに大幅改正され、強姦罪から強制性交罪に改称された[38][25]。この改正刑法には、多くの課題が残されたとして、施行後3年を目途に実態に即して見直しを行うという附則が付いた[38][42][43]
  • 2019年3月(平成31年)、性犯罪に関する無罪判決が1ヶ月に4件相次ぎ、各地で性暴力に抗議する「フラワーデモ」が始まった[44][45][46]
  • 2020年(令和2年)、2017年改正法附則の3年後の見直しに従い、「性犯罪に関する刑事法検討会」が法務省内に設けられ、性被害当事者団体『一般社団法人Spring』の山本潤理事も委員になった[47][48][14]
  • 2021年(令和3年)、性暴力被害者の支援などに携わる13団体による「刑法改正市民プロジェクト」が、同意のない性行為を犯罪とする「不同意性交等罪」の創設を求める約6万1千人の署名を法務省に提出した[49][50]
  • 2023年(令和5年)、強制性交等罪と準強制性交等罪を統合して不同意性交等罪に改称した[6][51]。この改正刑法については、5年後に性被害の実態や社会の意識、特に性的同意についての意識も踏まえて見直しを検討することや、「不同意性交罪」の公訴時効の延長について、被害申告の困難さに関する調査をするという附則が付いた[52][5][8][53]

2023年改正概要

不同意性交等罪では、条文に「有効な同意」ができない8つの典型的な場面を例示した[7][4]。8つの類型には、「暴力・脅迫」だけでなく、「心身の障害がある場合」「アルコール薬物を摂取している場合」「睡眠・意識不明瞭な場合」「拒絶する隙を与えない不意打ち」「恐怖・驚愕させた場合」「虐待による心理的反応がある場合」「地位・関係性が対等でない場合」が明記され[7][4][54]、それに類する行為により「同意しない意思の形成、表明、全う」のいずれかが難しい状態にさせたり、そうした状態に乗じたりして、性行為をした」場合は処罰される[17][5]。 「不同意性交等罪」という名称は、内心(不同意であったこと)のみを成立要件とはしていないが、「同意がない性行為は性犯罪になる」という性犯罪処罰規定の本質をメッセージとして伝えている[11][7][4]。被害者が性行為に不同意である客観的な状況を条文の中で明確に規定しているため、法の明確性を守りつつ、これまでは処罰ができなかった加害者に対して適切な処罰が出来るようになる可能性がある[11][55][4]

不同意性交等罪では、男性器だけでなく、体の一部(指など)や物を肛門に挿入することも「性交」扱いになった[8][9][10]。配偶者(夫婦)間の不同意性交等の罪が成立することも明文化された[56]。性的部位や下着などを盗撮したり拡散することを取り締まる「性的姿態撮影罪」(撮影罪)も新設された[5][57][58]公訴時効は10年から15年に延長され、被害者が未成年の場合は被害だと認識できるまでに時間がかかることなどから、公訴時効の起点を18歳とする[59][60][61]

大人から子どもへの、地位や信頼を利用した性暴力への対策も強める[59][60]性的行為の意味を理解し同意ができるとみなす「性交同意年齢」を13歳から16歳に引き上げ、16歳未満と性的行為を行った場合は、同意の有無に関わらず処罰の対象になる[59][60][62]。ただし、13 - 15歳の場合は、5歳以上年上の者が処罰の対象になる[59][60]。16歳未満をわいせつ目的で金銭提供を約束するなどして手なずけ、会うように仕向けたり、性的な自撮り画像などを送らせることを取り締まる「性的面会要求罪」も新設された[5][57][58][60]。強制わいせつ罪(刑法第176条)と準強制わいせつ罪(刑法第178条)も統合し、罪名を「不同意わいせつ罪」(刑法第176条)に改めた[59]

1907年の制定(強姦罪)

1907年強姦罪制定時は、加害者は男性に限られ、被害者は女性とされていた[38][25]。女性は結婚相手以外の人と性交をしてはいけない「姦通」といった概念があり、家制度を守るために、「貞操」に対する罪として捉えられていた[38][11][63][64]。性は、長らく「権利の問題」ではなく、家父長制や家族といった「あるべき規範」に縛られ、性暴力は「あってはならないことがおこってしまった」という観点から、被害者が責められ、告発しにくい状況があった[38][11]。戦後は、「性的自由」の問題とするのが一般的となったが、「強姦」被害者の対象を女性のみにし、男性を含めないのは、女性の貞操への意識を残した差別的取り扱いではないかなどの批判もあった[65][38]

2004年の改正

  1. 強姦罪の法定刑の下限を、懲役2年以上から3年以上に引き上げた[39]
  2. 集団強姦罪が新設された[66][22][67]。単独犯の強姦罪は親告罪で法定刑は3年以上であるのに対し、集団強姦罪は被害者の訴えがなくても検察官が起訴できる非親告罪であり、4年以上の懲役とした[66][22][67]
  • 衆参両議会の法務委員会の附帯決議で、性犯罪の在り方についてさらなる検討が求められた[40][14]

集団強姦等罪(2004年創設、2017年廃止)

2004年の改正の際に、強姦罪等よりも重い刑を科すために創設されたが、2017年の改正で、強制・準強制性交等罪が非親告罪になり法定刑が5年以上に引き上げられて、集団強姦罪(旧刑法178条の2)の法定刑の4年以上を超えたため、廃止された[40][66][22]。集団強姦等致死傷罪(旧刑法181条3項。無期または6年以上の懲役)も廃止され、強制性交等致死傷罪(刑法181条。無期または6年以上の懲役)に含められた[40][68]

集団強姦等罪は、2003年5月18日のインカレサークルの集団強姦事件であるスーパーフリー事件を受けて、2004年の刑法改正で創設された[69][67]。2人以上の者が共同して強姦(準強姦含む)した場合に適用され、性別不問で実際に性行為に参加していなくても、その場に居れば刑罰が成立していた[70]

2010年の第3次男女共同参画基本計画における見直し

2010年、第3次男女共同参画基本計画で女性に関するあらゆる暴力の根絶が掲げられ、2015年末までに強姦罪などの「非親告罪化」「性交同意年齢引き上げ」「『暴行・強迫』を要する構成要件の見直し」が提案された[40][41]

  1. 強姦罪の非親告罪化(告訴するかどうかの選択を迫られているように感じる被害者の心理的負担。被害者が低年齢の場合、告訴ができるかという懸念の存在)。
  2. 性交同意年齢の引き上げ(13歳以上であれば性交がどのような行為か理解し、同意を自分で判断できるかが不明。性犯罪は10 -20歳の若年層が最も被害にあいやすい[22])。
  3. 「暴行・脅迫」を用いることを要件とする強姦罪の構成要件の見直し(被害者が恐怖や加害者の社会的地位への配慮により抵抗しないこともあるため)。

国際的観点からの問題点

性暴力について、日本は国連自由権規約委員会を始め、多くの国際的な条約機関から法改正の勧告を受けている[71][72]

  • 2008年11月、国連自由権規約委員会は、「男女間の性交渉のみをの強姦罪の対象としていること」「攻撃に対する被害者の抵抗が犯罪の要件にされていること」「裁判官が被害者に抵抗したことの証拠を求めること」「被害者が13歳未満である場合以外は告訴が必要なこと」「加害者が公正な処罰を免れること」「被害者の支援が実行されていないこと」「性暴力の専門的な研修を受けた医療者が不足していること」等に懸念を示した[73] [74] 。委員会は、刑法第177条の強姦罪の定義を拡大し、「男性に対する強姦」と共に「近親相姦」「性交渉以外の性的虐待」も重大な犯罪とし、「被害者が攻撃に対して抵抗したことを立証しなければいけない負担を取り除くこと」「被害者の告訴がなくても起訴できるようにすること」「裁判官や警察官などに対する性暴力についてのジェンダーに配慮した研修を行うこと」を求めた[74]
  • 2014年、国連自由権規約委員会は、数ある問題点のうち「強姦罪の構成要件(攻撃に対する被害者の抵抗)の見直し」「性交同意年齢の引き上げ」「性犯罪の非親告罪化」について勧告した[71][72]

2017年の改正(強制性交等罪に改称)

強姦罪から「強制性交等罪」、準強姦罪から「準強制性交等罪」に変更された。強制準強制性交等罪の刑の重さ(量刑)は同じで、5年以上20年以下の有期懲役である[75][76][35]

強制性交等罪刑法第177条旧規定)は、「暴行・脅迫」を用いた13歳以上の者への性交肛門性交口腔性交(以下「性交等」)、13歳未満の者への性交等に対する罪である[75][76][35]

準強制性交等刑法第178条旧規定)は、被害者の「心神喪失」や「抗拒不能」な状況に乗じ、またはそのような状態にさせて性交等を行った場合に、「暴行・脅迫」がなくても罪に問えるものである[75][76][35]。準強制性交等の適用範囲は広く、「心神喪失」とは、アルコール薬物精神障害失神・睡眠・泥酔などから、自身の性行為について正常な判断ができない状態にある場合をいい、「抗拒不能」とは、手足を縛られたり、催眠術・錯誤・畏怖の状態など、物理的・心理的に抵抗ができない状態にあった場合をいう[11][注釈 1]。準強制性交等罪は、強制性交等罪(177条旧規定、強姦罪)よりも「意思に反する性行為」を処罰する際に、広く適用できる条文だが、実際には強制性交等罪の適用が中心で、準強制性交等罪(準強姦罪)の適用は少数にとどまっている[11]

強姦罪からの変更点

2017年、性犯罪に関する刑法が1907年の制定以来110年ぶりに大幅改正され、強姦を罰する強姦罪から、より包括的な強制性交等罪へと改正された[38]。この改正では、「女性以外の被害も対象にする」「懲役の下限を3年から5年に上げる」「被害者の告訴がなくても起訴できる(非親告罪化)」「監護者(親や養親)との性交同意年齢引き上げ」といった見直しが行われた[38][6][77]。なお、この改正刑法には「『暴行・脅迫』の要件が据え置かれた」「公訴時効が短い」「性交同意年齢が13歳で明治時代の刑法のまま」など、多くの課題が残されたとして、施行後3年を目途に実態に即して見直しを行うという附則が付いた[38][42][43]

改正の要点は以下の通りであった[38][43][19][78]

  1. 女性以外も被害者として認められるようになった[38][43][25]。強姦罪では「加害は男性、被害は女性」に限定されていたが[79]、強制性交等罪では、性別を問わず、他人に対して「男性器を肛門口腔内に挿入する/させる行為」をした場合は処罰されることになった[80][38][43]。強姦罪では、肛門性交や口腔性交に強姦罪は適用されず、刑が軽い強制わいせつ罪が適用されてきた[25][40][81]。これにより性差が撤廃されたとされ、附帯決議でも「被害の相談、捜査、公判のあらゆる過程において、男性や性的マイノリティに対して偏見に基づく不当な取扱いをしないことを研修等を通じて徹底する」という内容が明記された[24]。一方で、膣や肛門、口腔への「男性器の挿入」が犯罪の成立要件となっているため、指や器具など男性器以外の物を使った場合は、強制性交等罪は適用されない[82]
  2. 厳罰化し、 法定刑の下限を懲役3年以上から5年以上に引き上げ、5年以上20年以下の有期懲役になった[22]
  3. 親告罪化し、被害者が告訴しなくても検察が事件を起訴できるようにした[38][68]。性犯罪を親告罪化していた理由は、被害者の名誉やプライバシーを保護することにあった[25]。しかし、被害者みずからが被害を訴えなければ加害者を処罰できないため、逆恨みなどを恐れ、訴えることが難しい状況が続いていた[24][25][22]。法改正で非親告罪に変わり、強盗などと同じく、被害者が意思を示しているかどうかにかかわらず、事件の認定をもって処罰ができるようになった[24][25][22]
  4. 強姦罪の法定刑引き上げ及び非親告罪化により、「集団強姦等罪」を廃止した[66][22]
  5. 監護者性交等罪」「監護者わいせつ罪」を新設し、18歳未満の子どもを監護(生活全般を支える)する親や児童養護施設職員などが、その影響力に乗じて性交・わいせつ行為を行った場合は、暴行や脅迫がなくても処罰されるようになった[38][25]
  6. 罪名が強姦罪から強制性交等罪に改定されたことに伴い、刑法178条2項の「準強姦罪」(3年以上の懲役)は「準強制性交罪」(5年以上の懲役)に、刑法181条の「強姦致死傷罪」(無期または5年以上の懲役)は「強制性交等致死傷罪」(無期または6年以上の懲役)に、刑法241条の「強盗強姦罪」(無期または7年以上の懲役)は「強盗・強制性交等罪」(無期または7年以上の懲役)に、「強盗強姦致死傷罪」(死刑または無期懲役)は「強盗・強制性交等致死傷罪」(死刑または無期懲役)へと変更された[68][40]

監護者性交等罪(2017年創設)

虐待の実情を鑑み、関係性を利用した強姦の中でも特に被害者の拒否が難しいと考えられることや、その後の人生に与える影響の深刻さから、「監護者性交等罪刑法179条2項)」「監護者わいせつ罪刑法176条)」が新設された[84][38][85]。「監護者」とは、親などの生活や生計を共にし、保護・被保護、依存・被依存の関係にある者を監護する者のことである[38]。これにより、監護者(実親や養親養護施設の職員など子どもを監護する立場の人)が、18歳未満の子どもが自分の言葉を信じていることを利用したり、生活の面倒をみているという立場を利用して性交やわいせつな行為をした場合は、「暴行・脅迫」がなく、子どもの同意がある場合も罪に問われることになった[84][38][85]。刑法改正前は、親子などの監護者と被監護者の間では、「暴行・脅迫」がない場合は強姦罪等よりも量刑が軽い児童福祉法違反(淫行、10年以下の懲役または300万円以下の罰金)で処分される例が多かったが、この法改正により強制性交等罪と同じく5年以上20年以下の有期懲役という重い罰則を科すことが可能となった[40][86][87]。ただし、「監護者」は、同居して子どもの身の回りの世話をしている者に限定されており、その範囲が非常に狭いことが指摘されている[40][85]。部会における議論では、被害者に対して強い影響力を持つ教師スポーツ指導者雇用主等も対象に含めるべきとの意見が出たが、具体的な事情を考慮すると規定が曖昧化しかえって抜け道が生じかねない等の理由から、改正法案には含まれなかった[40]。被害者団体や支援者らは、そもそも「『暴行・脅迫要件』の立証が課せられる『性交同意年齢(13歳、性行為への同意を自分で判断できるとみなす年齢)』が他国と比べても低すぎること」「監護者以外であっても、地位・関係性を利用した性加害をした場合には、『暴行・脅迫』が無くても罪に問えるように法改正すること」などを求めている[85]。2019年のフラワーデモのきっかけとなった事案では、父親が精神的支配下に置いていた娘(19歳)の意思に反して性交し、「暴行・強迫要件」による「抗拒不能」にあたらないとして1審で無罪判決になっている[46][88]

この監護者性交等罪の創設にあたっては、日本弁護士連合会(日弁連)が、「親子間で真摯な性交(子どもがその意味を理解し同意する性交)がないとは言えない」として反対し、被害者支援57団体は「子どもは保護して育ててもらっている親にノーと言えるのだとさえ思っていない」「何をしているのかを理解できず、怖さのあまり、抵抗することも拒否を示すこともできなかった」と抗議を行った[84][22][13]

2017年の改正の課題

  • 強制性交等罪の「暴行・脅迫」の要件が据え置かれた[42][76][89]。強制性交等罪は、13歳未満の場合は、「暴行・脅迫」がなくても、その事実が立証できれば犯罪となるが[42][76][89]、13歳以上の場合には、「同意していないこと」に加え、加害者が「暴行や脅迫」して犯行に及んだことや、「抵抗できない状態(抗拒不能)につけ込んだ」ことを証明しなくてはならない[4][89][42]。また、犯罪が成立するには、加害者が「被害者の同意がないことや、抗拒不能を認識していること」が必要であり、この認識がなければ、故意が否定されて無罪となることがある[11][76][42][75]。この刑法では、どのような行動が犯罪となり、どのような行動なら犯罪とならないのかの基準が明確ではなく、裁判所は証拠から「経験則」に基づいて事実認定をするため、裁判官の「経験則」が異なると、同じ証拠でも異なる判決になっていた[90][91][92][76][75][93]。裁判官の判断が予測できないため、監視カメラ録音、病院の診察内容や診断書等の客観的な「暴行・脅迫」の強い証拠が無い場合、検察は起訴に消極的で、警察は被害届を受けることに消極的である[94][76][42][95][91][96][97][98][99]。性被害者の当事者団体「一般社団法人Spring」の調査では、事件を警察に相談した208人のうち、被害届が受理されたのは約半数の104人で、うち14人が検察で不起訴になり、裁判で有罪になったのは8人だった[100]。性暴力救援センター「SARC」の調査ではセンターに相談した人のうち、警察へ被害届を出したり相談したのは半数以下であり、SARCが警察へ同行支援したケースでは、被害届の不受理が25%、不起訴5.5%、有罪判決2.7%で、被害届を受理しない理由では「暴行・脅迫要件の壁」が目立っていた[96][97]。法務省の調査では、不起訴処分(嫌疑不十分)になった548件のうち、強制性交罪の不起訴が380件で、内訳は「暴行・脅迫があったと認めるに足りる証拠がない(134件)」「暴行・脅迫が被害者の反抗を著しく困難にさせる程度であったと認めるに足りる証拠がない(54件)」などとなっていて、強制性交罪の不起訴のうち52%が「暴行・脅迫要件」を満たさずに不起訴になっていた[98][101][55]
  • 公訴時効が短い。強制性交等罪の時効は10年だが、被害者が自分の経験を人に伝えられるまでには長い時間がかかる[38]
  • 監護者の範囲が狭い[38][102]。日本には教師と生徒、上司と部下、医者と患者、宗教指導者と信者などの「地位・関係性を利用した性加害」を裁ける類型がないため、対等な関係性でない2者間の力関係が考慮されずに裁かれている[38][22][24]。「地位・関係性を利用した性加害」は、「居場所・仕事を失うかもしれない」などの不安から抵抗することが困難であり、暴行や脅迫がなくても性暴力を行えるという実態を踏まえる必要がある[38][22][24]
  • 性交同意年齢(性行為の意味を理解し、同意を自分で判断できるとみなす年齢)が、明治時代の刑法のまま13歳で据え置かれた[89]
  • 配偶者(夫婦)等間の「強制性交等罪」について明文化されていない[103][85]
  • 「男性器の挿入」が条件で、指や器具、異物の挿入による性暴力が対象にならない[24][82]。実際に起きている性被害は、男性器を挿入されることだけではなく、特に性的マイノリティーの被害は、男性器が介在しないこともある[24]。当事者などは、「性器規定」を撤廃し、「指や器具等による性暴力」を規定することを求めている[24][82][104][105][24]
  • 「障害に乗じた性暴力」を防ぐ規定がなく、準強制性交等罪の構成要件である「心神喪失・抗拒不能」に乗じたと解釈して、処罰されている[106]。しかし、障害によっては性暴力自体を認識できなかったり、立証することが難しく、施設関係者や指導的な立場の人との力関係が背景にあることもある[106]発達障害知的障害などのある人は性暴力に遭いやすく、障害のある人は、ない人の約2 - 3倍、性暴力を経験している[107][108]。性暴力被害者の支援団体は、「地位・関係性に基づく性犯罪として『被害者としての障害児/障害者』の概念を刑法に入れるよう」せめて「『準強制性交等罪』の『抗拒不能』の要件に『被害者が障害児/障害者であること』を盛り込むよう」求めている[109][106]
  • 刑法改正にあたり、検討会の委員からは「性犯罪に対する対応としては刑法の規定の改正以外にもいろいろある、というより、むしろそちらの方が中心であるべき」「犯罪への対策、その最善のものは社会の在り方のほうを変えること」という発言があり、刑法改正に加え、性暴力防止のための教育、被害者支援のためのワンストップ支援センターの拡充や刑事裁判における被害者支援の充実等、社会の様々な場面での性犯罪対策が求められた[40]

夫婦間の性的DV

ドメスティックバイオレンスの認識を広げるためのパープルリボン

2017年の法改正では刑法に明文化されなかったが、現状では夫婦間であっても、ドメスティックバイオレンス(DV、家庭内暴力)に該当する強制性交の罪が問われるという考え方が有力であり、内閣府は「『嫌がっているのに性的行為を強要する』『中絶を強要する』『避妊に協力しない』といったものは、夫婦間の性交であっても、刑法第177条の強制性交等罪に当たる場合があります(夫婦だからといって、暴行・脅迫を用いた性交が許されるわけではありません)」と説明している[110][111][94][112]

戦前は「夫婦間で強姦罪は成立しない」とする否定説が通説であり、その後も家父長制よる女性差別的な価値観やプライベートな問題であることなどから、夫婦間の強制性交の問題が語られることは少なかった[94]。そのような中で、徐々に「強姦罪が夫婦間で成立するか」という議論がされ、裁判でも争われるようになった[94][注釈 2]

2023年の法改正で、配偶者(夫婦)間の不同意性交等の罪が成立することが、刑法に明文化された[56]

2019年3月の無罪判決

フラワーデモ東京の参加者が作ったメッセージボード

2019年3月、性犯罪に関する無罪判決が4件相次ぎ、刑法の要件が厳しすぎるため加害者が罪を免れているとして、各地で被害の実態を訴える「フラワーデモ」が始まるきっかけとなった[44][46][115]。特に、19歳の実娘への性的暴行罪が問われた判決では、娘の同意がないと認めながら無罪としたことから大きな波紋を呼んだ[46][42][75]。この4件のうち1件は検察官が控訴せず無罪が確定したが、3件は控訴により逆転有罪となった[75][92][42][116]

  • 3月12日、テキーラなどを大量に飲まされ、酩酊状態で性交をされた準強姦罪が、「女性は『抗拒不能』であったが、被告人は女性が抗拒不能であったことの認識がなく、性交について承諾ありと誤信した」として、故意が否定されて無罪判決になった[76]。2020年2月5日、控訴審が行われ、前回と同じ証拠で逆転有罪判決となった[76]
  • 3月19日、静岡地方裁判所の裁判員裁判で審議された強制性交等致傷罪が、「被告人の暴行が女性を抵抗困難にした」と認定されたものの、「被告は女性が抵抗困難であったことの認識がなく、故意が認められない」として無罪判決になった[117][92][11]。この裁判では検察官が控訴せず、無罪が確定した[75][92][11]
  • 3月26日、事件当時19歳の実娘が父親に性交をされた準強制性交等罪が、「娘の同意がなく長年の虐待で父親の精神的支配下に置かれていた」と認定されたものの「抗拒不能だったとはいえない」として無罪判決になった[46][42][75]。長女は、中学2年生の頃から性交を含む性的虐待を受け続け、殴る蹴るなどの暴行の存在も認定されていた[46][42]。2020年3月12日、控訴審が行われ、「娘は性的虐待を受け続けたうえ父親から学費や生活費の返済を迫られるなど、要求を拒否できない心理状態だった。性欲のはけ口にした卑劣な犯行で被害者が受けた苦痛は極めて重大で深刻だ」として逆転有罪判決となった[46][42][75]。父親は上告したが、棄却され有罪が確定した[46]
  • 3月28日、事件当時12歳の実娘が父親に性交をされた強姦罪が、「被害者の証言は信用できない」として、行為があったこと自体が認められず、無罪判決になった[117][116]。2020年12月21日、控訴審が行われ、「1審は証拠の評価を誤り、不合理な認定をした」「卑劣で悪質な犯行で常習性も認められる」として逆転有罪判決となった[93][117][118]。父親は上告したが、棄却され有罪が確定した[93][117][11]

「凍りつき」についての指摘

強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」は、「性行為を犯罪として処罰するには、『相手が同意していないこと』に加えて、加害者が被害者に暴行や脅迫を加えるなどして、『抵抗できない状態につけこんだ』ことが立証されなくてはならない」とあり、司法の場では「被害者が抵抗できたはず」という考えが前提になっている[119]。しかし、実際に性暴力被害を受けたとき、「声が出せない」「体が動かない」「頭の中が真っ白になる」「記憶がない」という『凍りつきフリーズ)』の反応がおこることが少なくない[119][43][95]スウェーデンの緊急レイプセンターによると、被害者の7割の人は、恐怖で体が硬直するという調査がある[120]。また、被害を最小限に抑えるための防衛反応として、速やかに、あるいは積極的に行為に応じてしまう「迎合反応」が起こることや、身体から意識が切り離される「解離」が起こることもある[43][121][122]。戦うか逃げるか、凍りつくか、迎合、解離するかは、体の無意識の反応であり、理性や意志でコントロールできるものではないとされる[119][123][121][124][注釈 3]

不同意性交等罪を求める動き

"イエス・ミーンズ・イエス"キャンペーンのロゴ
世界の法律における性的同意
  性犯罪の成否は「同意の有無」、夫婦間の強姦が違法
  性犯罪の成否は「暴行・脅迫の有無」、夫婦間の強姦が違法
  性犯罪の成否は「同意の有無」、夫婦間の強姦が合法
  性犯罪の成否は「暴行・脅迫の有無」、夫婦間の強姦が合法

2014年に発効したイスタンブール条約(女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約)は、「同意に基づかない性的行為を処罰する規定」を設けるよう締約国に求めている[43]。多くの欧米諸国では、レイプ罪や強制わいせつ罪は「被害者の同意がない(またはその能力がない)状態での性行為」を成立要件としている[87]。そして、「ノー・ミーンズ・ノー(No means No)=同意のない性行為を処罰する」型だけでなく、「イエス・ミーンズ・イエス(Yes means Yes)=相手の自発的な参加を確認しない性行為を処罰する」型の性的同意を採用をする国や地域が広がっている[43][125][126][127]スウェーデンスペインフィンランドデンマークアイスランドなどは「Yes means Yes」型の刑法であり、相手が積極的な同意を示さないまま行った性行為はすべて違法とされる[87][43][128][129][120][130]

  • 2020年日本学術会議は、「刑法改正にあたっては、国際人権基準に則り、諸外国の刑法改正を参考にして、少なくとも『同意の有無』を中核に置く規定(『No means No』型)に刑法を改める必要がある。その上で、「性的自己決定権』の尊重という観点から、可能な限り『Yes means Yes』型(スウェーデン刑法)をモデルとして刑法改正を目指すことが望ましい」と提言した[131]
  • 2021年2月10日、性暴力被害者の支援などに携わる13団体による「刑法改正市民プロジェクト」は、同意のない性行為を犯罪とする「不同意性交等罪」の創設を求める約6万1千人の署名を法務省に提出した[49][50]。現行の刑法では、「暴行・脅迫」や「心神喪失・抗拒不能」な状態がないと罪が成立しないため、被害者側は、「地位・関係性を利用した性犯罪」や「心身が硬直して動けなくなる」などの実態が理解されていないと批判し、「意思に反して」という点だけを構成要件とした「不同意性交罪」を求めている[132][133]。性的行為における「同意」は、両者に対等な関係性がなければ成立しないが、日本では対等な関係性が築かれていない2人の間の性的行為においても、法が求める「暴行・脅迫要件」により抵抗の有無を被害者が問われ、不同意であったことが認められても、加害者側の「同意していたと思った」という証言によって無罪となる事態が起きている[43]。加害者自身、それが性暴力だという認識が無いケースも多く、同意に基づかない性的行為は犯罪として罰せられることが明確になれば、加害側の認識不足によって起こる性暴力は減っていくと見られている[43]

2023年2月24日、法務省は改正案に関し、「強制性交罪」を「不同意性交罪」に罪名変更する方針を示した[134][135]。「意思に反して」という点だけで処罰する成立要件は「内心のみを要件にすると処罰範囲が曖昧になる」として見送ったが、要綱でまとめられた条文には「同意しない意思」との文言が使われ、被害者の意思も重視していることが示された[134][135]。このため、被害者側は実質的に同罪を具体化した条文にあたるとして罪名変更を要請し、法務省が検討を重ねていた[134]

2023年の改正(不同意性交等罪に改称)

2023年2月3日、法制審議会の部会で、性犯罪の実態に合わせた刑法改正の要綱案がまとまった[136]
2月24日、法務省は、「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」を統合して「不同意性交等罪」に罪名変更する案を示した[134][137][138][139]
3月14日、内閣は刑法改正案を閣議決定し、国会に提出した[140][11][141][142]
6月16日、国会で法案が可決・成立し、6月23日に公布、7月13日に施行された[5][143][57]

強制性交等罪・準強制性交等からの変更点
  • 罪が成立する8つの行為や状況を具体化し、「同意のない性行為は許されない」ことを明確にした。この8つの行為や状況は、今までの「抗拒不能」要件の解釈として、それぞれの裁判例でゆるやかに解釈して処罰されていた事案を類型化し、判断基準となるよう明確な文言に書き出したものである[4][14][11][55]。「抗拒不能」の解釈は、裁判官や警察官によって大きな幅があったため、判決や被害届の受理などの対応がバラついていた[55][14]。処罰される範囲が広がったのではないが、条文の中で明文化することにより、警察官の被害届の受理、検察官の起訴、裁判官の有罪にする確率に影響を与え、処罰されるべきものが適切に処罰されるようになる可能性がある[55][14][11][4]
  • 公訴時効の延長。被害にあってからすぐに訴え出るのが難しいという性被害の特徴を踏まえ、不同意性交等罪について、公訴時効が10年から15年に延長された[136][8]。被害者が未成年の場合は、被害だと認識できるまでにより時間がかかることなどから、時効の起点を18歳とする(例えば15歳で被害を受けた場合は、18歳+15年=33歳まで公訴が可能)[59][60][8][61]
世界の性交同意年齢
  13   14   15   16   17   18   結婚しなければならない   州や行政区によって異なる/曖昧
  • 性交同意年齢の引き上げ。「性交同意年齢」(性行為を断る方法や、性行為のリスクに関する正しい知識を持っていると見なされる年齢)を、現在の「13歳以上」から「16歳以上」に引き上げた[136][144][141]。これにより、16歳未満の子どもと性的行為をすると、相手が同意していても処罰の対象になる[15]。ただし、13 - 15歳については同世代間の行為は罪に問わず、5歳以上年上の人が対象になる[141][136][8]。13歳未満に対して性的行為を行った場合は、以前と同様に、同意の有無に関わらず罪に問われる[136]。性交同意年齢の変更は、1907年に性犯罪の法律が定められてから初めてである[145]
  • 体の一部(指など)や物の挿入も「性交」扱いになった[8][9][10]強制性交等罪は、男性器を肛門口腔内に挿入する/させる行為を処罰対象としていたが、改正刑法では、「膣または肛門に身体の一部または物を挿入する行為」も性交と同じ扱いにすると定めている[8][10]。これにより、電車内の痴漢行為などで、相手の膣に指を入れた場合も強制性交の罪になり、5年以上の懲役となる[13][48]
  • 配偶者(夫婦)間の強制性交等の罪が成立することが明文化された[56]
  • 被害の聴取結果を録音・録画した記録媒体を、証拠として出せる特則がついた[13][11]
  • 性的面会要求罪」が新設された[4][13][146]。16歳未満の子どもに対してわいせつ目的で、「だましたり誘惑したり、お金を渡す約束などをして会うことを要求した場合や実際に会った場合」「性的な自撮り画像などを撮らせてSNSやメールなどで送るよう求めた場合」は罪に問われる[4][13][146]。面会や画像の「要求」で1年以下の拘禁刑か50万以下、実際に会ったり送らせた場合は2年以下の拘禁刑か100万以下の罰金刑になる[4][147]。ただし、被害者が13 - 15歳の場合は、5歳以上の年齢差を適用の条件としている[4]
  • 性器や下着、性交の様子などを盗撮したり、拡散することを取り締まる「性的姿態撮影罪(撮影罪)」が新設された[5][58][60]。これまでは、各都道府県の迷惑防止条例違反で規制していたため、客室乗務員の航空機内での盗撮は、場所が特定できなければ取り締まることができなかった[148][149]。全国一律の法律になったことで摘発が容易になる[148][149][150]。罰則も3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金に統一され、盗撮画像などの提供や拡散も処罰の対象となる[150]
  • 5年後に性被害の実態や社会の意識、特に性的同意についての意識も踏まえて見直しを検討することや、「不同意性交罪」の時効の延長について、被害申告の困難さに関する調査をするという附則が付いた[52][5][8][53]

2023年の改正の課題

性犯罪の被害者などは、改正を評価する一方で、公訴時効については、被害にあってからすぐに訴え出るのが難しいという性被害の特性から、さらなる延長・撤廃が必要だとしている[59][51][151]。また、性暴力のない社会にするために、「何をしたら加害となり、何をされたら被害なのかについての教育の推進」「加害者への再犯防止のための支援」や、被害者に適切な支援を提供するための「相談窓口の周知」などの必要性も指摘している[152][145][60][153]

  • 公訴時効が10年から15年に延長されたが、被害者が自分の経験を認めたり、人に伝えられるまでには長い時間がかかるため、公訴時効を撤廃するか、より長くするべきと訴えている[136][59][51]。海外には時効を撤廃した国もあり、日本でも身体の殺人には公訴時効がない[13][22]
  • 性交同意年齢を「16歳以上」に引き上げる一方、13 - 15歳の場合は「5歳以上の年長者」を要件としていることについて、「5歳差は大きすぎる」という指摘や、「同年代でも、スクールカーストによる性的いじめがあり、こうした現状を考慮する必要があるのではないか」という指摘がある[130][136][14][154]。ただし、附帯決議では「5歳差は両者に対等な関係がありえないと考える年齢差であり、5歳差未満であれば対等な関係であるとするわけではない」としており、5歳差未満であっても8類型のどれかに当てはまる場合がある[52]。被害者団体は、5歳差要件の運用で当罰性のある行為が全て処罰されるかを調査し、必要であれば見直しを行うよう求めている[130]
  • 性的姿態撮影罪(撮影罪)」は、アスリート盗撮が含まれないなど範囲が狭く、選手らは法整備の必要性を訴えている[155][156][14]。付帯決議にも「アスリートや客室乗務員に対する盗撮が社会問題となっていることを踏まえ、正当な理由がないのに、性的姿態等以外の人の姿態又は部位(衣服により覆われているものを含む)を性的な意図をもって撮影する行為等を規制することについて検討を行うこと」という課題が入った[157]
  • 8類型の1つに留まった「地位・関係性を利用した性犯罪」については、「教師と生徒」「障害者介護者」「施設の職員と入所者」「宗教指導者信者」など、明らかに対等性を欠く状況につけこんで性行為をする人について、対象となる関係性を明記した処罰類型の新設を求めている[13][14][130]
  • 障がいがある人への性犯罪規定は、それぞれの障がい特性を踏まえた法設計が必要であるため、その創設に向けた議論の継続を求めている[130][158]
  • 「被害者が同意しない意思を表すことが難しい状態」にさせた場合は罪に問えるとしたことについては、「積極的な同意がなければ罪に問える」という「Yes means Yes」型の刑法を目指して、さらなる見直しを求めている[136][130]
  • 構成要件が変わっても、証拠がなければ有罪にならないことは変わらないため、客観的な証拠を残すための検査キットや24時間証拠採取ができる医療機関、ワンストップ支援センターにおける証拠保全体制の強化など、被害者支援の拡充を求めている[14][159]。また、立証責任が検察官にあることも変わらないため、検察官が丁寧で慎重な捜査・審議を行い、冤罪を防ぐための取締りの可視化や弁護人の立会権、勾留期間の短縮などが求められている[14]
  • 刑事弁護士は、新たに設けられた8項目には、要件が明確なものと曖昧なものが混ざっているとして、「処罰される対象が事実上広がり、えん罪を生むおそれがある」と懸念を示している[136][160]。この懸念について、元刑事裁判官法政大学法科大学院の水野智幸教授は、「これまで裁判官が抽象的な条文を基準に考えていたことを明文化した形で、処罰範囲を拡大するものではないと考える」「これまでは何が犯罪か抽象的でわかりづらかったので被害の申告や捜査がしづらい面があったが、それが解消されるので、本来処罰されるべきものがきちんと捜査され、有罪とされるケースは増えるだろう」「具体的な要件を当てはめる際に安易に拡大適用をしてはいけないし、その意識を捜査機関と裁判所が徹底し、本来処罰されるべきでない人が処罰されないようにする必要がある」と述べている[4]

被害の実態

強制性交等の認知件数[161]
年度 認知件数 被疑者 被害者
2021年 1,388 1,244 7 58 1,330
2020年 1,332 1,173 4 72 1,260
2019年 1,405 1,172 6 50 1,355
2018年 1,307 1,084 4 56 1,251
2017年 1,109 906 4 15 1,094
2016年 989 871 4 0 989

2020年度に内閣府が行った調査では、異性から無理やり性交された経験があると答えた女性は14人に1人だったが、そのうち警察に相談したのはわずか6.4%である[162][163][164]。さらに客観的な証拠が無い場合、被害届が警察に受理されないというケースもあり[94][76][42]、「強姦事件」としてカウントされるのは、ほんのわずかである[162][163][164]。また、男性は100人に1人が無理やり性交された経験があったが、誰にも相談していない割合が女性よりも高く、被害者の多くが1人で苦しんでいる実態が分かった[162][165][164]

内閣府の「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」の相談件数は2021年度に5万件以上あったが、誰かに相談できた被害者のうち、ワンストップ支援センターに相談した人は0.6%だった[166][167][43][168]。性暴力の被害に遭ったときの対応には、証拠の採取や緊急避妊薬を飲むなど、急を要するものがあるが、性暴力の被害に関する電話相談のうち、72時間以内に寄せられたものは14.7%だった[167][43]。一方で、同年度の警察による強制性交等の認知件数は1388件にとどまっている[169][43]

国連薬物犯罪事務所(UNODC): 人口10万人あたりのレイプ報告件数(2011年)。左から2番目が日本

国ごとに「強姦事件」が成立する条件が異なるため、日本は統計上は強姦の発生率が低い国になっている[170][163]。先進国で強姦事件の認知件数が最も多いスウェーデンでは、「強姦」は、肛門への指や物の挿入や、自慰行為の強制等も含まれる[163]。2018年からは「暴行・脅迫要件」も撤廃され、「イエス」という自主性を確認できない性行為は犯罪になった[163][171][172][173][45][174]。また、被害届を出しやすい環境も整っている[175]ストックホルムのレイプ救急センターは365日24時間体制で被害者を受け入れ、被害から10日後までレイプキットによる検査ができる[175]。検査結果は6カ月間保管されるため、被害者が検査や治療、カウンセリングを受け、一連の処置が終わった後に警察へ届け出を出すかどうかを考えることができる[175]。男性被害者専門のカウンセラーが対応する男性のレイプ救急センターも併設され、トランスジェンダーの被害者も受け入れている[175]。子どもへの性教育も義務化され、危険から身を守る知識を学校で得られるよう、幼稚園の頃から、胸や性器といった他者が触れてはいけない部分があると教えている[45][176]。国際的に性教育は基本的人権の1つとされ、性行為や避妊方法、性暴力、性感染症、ジェンダー論など、包括的な性教育をおこなう国は少なくない[177][87]
日本においても2023年度から、性暴力被害者加害者傍観者にならないための新しい教育が始まった[178][179]。発達の段階ごとに「生命の大切さ」「自分や相手を尊重し、大事にすること」「性暴力の根底にある誤った認識や行動」「性暴力が及ぼす影響」「性暴力の被害にあったときの適切な対応の仕方」などを学習する[178][179][180]性犯罪の被害者が、学校で性暴力について正しく学んでいたため、ワンストップ支援センターに連絡し、事情聴取や刑事裁判を乗り切ることができたという事例も存在する[11][181]。なお、2023年には山中の車内で殴り、殺害をほのめかすなど脅迫のうえ女子大学生に性的暴行を加えた後、行為が同意だった旨の書面を作成させたとして強制性交等致傷と強要罪で男(29)が逮捕された事案もある[182]

被害者になった場合

レイプキット
緊急避妊薬「ノルレボ錠」
  • 証拠採取のできる医療機関は限られるため、ワンストップ支援センターや警察が紹介する専門の病院を受診する[188][99]
  • ワンストップ支援センター「#8891(はやくワンストップ)」は、発信場所から最寄りの支援センターにつながり、専門知識をもった相談員が、被害者の性別やセクシュアリティは問わずに、病院や警察、弁護士、その他の関係機関と連携しながら「医師による心身の治療」「相談・カウンセリング等の心理的支援」「捜査関連の支援」「法的支援」などの適切な支援に繋げる[103][190][203][204][205]。支援センターでは、無償で裁判所・警察などへの付き添い、各種手続きの手伝いなども行っている[206][207][208]。性犯罪に詳しい弁護士を紹介してもらえることもあり、弁護士費用についても負担を軽減するためのさまざまな法的支援制度がある[187][209][210][190]
    • 2023年2月現在、ワンストップ支援センターの一部が、24時間365日受付にはなっていないため、緊急時の性被害は、「#8103(ハートさん、警察の性暴力専門の相談電話。各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる)」や110番で警察に連絡して証拠保全と治療を受けることもできる[211][212][213]
  • 様々な事情で電話し辛い場合は、チャットやメールで相談ができる「Cure time(キュアタイム)」に連絡する[214][215]。対処法や医療機関の案内のほか、状況に応じて、警察などに連絡する体制も整っている[214][215]
  • 刑事裁判の際は、「被害者の氏名や住所などを明らかにしない」「テレビ電話で繋いだ別室から証言できる」など、犯罪被害者に配慮した取り組みが行われている[11][216][注釈 4]

脚注

注釈

  1. ^ 加害者が自分は医師であると偽り、病気の治療のためには加害者と性交を行う他はないと説明し、心理的に追い込んだ上で性交を行った事件や、牧師信者の少女らに対して、従わなければ地獄に堕ちると説教し、畏怖させた上で性交を行った事件が、準強姦罪として認められている[11]
  2. ^ 1986年、鳥取地方裁判所判決は、夫婦間における強姦について「婚姻が破綻して夫婦たる実質を失い、名ばかりの夫婦にすぎない場合にはもとより、夫婦間に所論の関係はなく、夫が暴行又は脅迫をもって妻を姦淫したときは強姦罪が成立する」と認定した[113][114]2007年東京高等裁判所は、「暴行・脅迫を伴う場合には、適法な権利行使とは認められず、強姦罪が成立する」と判決した[94]
  3. ^ 2021年12月に出版された『なぜ私は凍りついたのか ポリヴェーガル理論で読み解く性暴力と癒し』の著者は、「被害に遭ったときに抵抗できたかどうかは、人間の生理的反応であり、それを理解してもらうことが、性暴力についての刑法改正の突破口にもなりうる」と述べている[119]
  4. ^ 2023年5月10日、被害者の名前や住所が加害者に知られないようにするために、裁判の書類を匿名にする改正刑訴法が成立した[217][218][219]

出典

  1. ^ 刑法12条、14条
  2. ^ a b c d e f 性犯罪関係の法改正等 Q&A”. 法務省(2023年7月). 2023年7月13日閲覧。
  3. ^ きょうから変わる性犯罪規定 あとで「同意はなかった」と言われたらどうなる?”. Yahoo!(前田恒彦) (2023年7月13日). 2023年7月13日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「同意のない性行為」とは 性犯罪の刑法改正 ポイントを解説”. NHK (2023年6月16日). 2023年6月28日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 「不同意性交罪」に罪名変更 改正刑法が可決・成立 参院本会議”. NHK (2023年6月16日). 2023年6月24日閲覧。
  6. ^ a b c (社説)不同意性交罪 「身近な犯罪」の根絶を”. 朝日新聞 (2023年6月21日). 2023年6月24日閲覧。
  7. ^ a b c d 〈同意の深掘りトーク・後編〉「不同意性交罪」に刑法改正!? で、気になる「こんなときどうする?」”. 集英社MyAgeOurAge (2023年5月15日). 2023年7月2日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i 「不同意性交等罪」を創設、性交同意年齢は引き上げ。改正刑法が成立、どう変わる?”. huffingtonpost (2023年6月16日). 2023年6月24日閲覧。
  9. ^ a b c d 性行為の「挿入」規定見直し、指や物も処罰対象に「被害者の傷つき考慮された」 改正刑法”. 東京新聞 (2023年6月17日). 2023年6月30日閲覧。
  10. ^ a b c d 第二一一回 閣第五八号 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案”. 衆議院. 2023年6月25日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 性犯罪処罰規定の見直しの経緯とその議論 ─暴行・脅迫の要件を中心に─(日本大学法学部 西山智之)” (PDF). 2 日本セーフティプロモーション学会誌 Vol.16(1)2023年4月号. 2023年6月30日閲覧。
  12. ^ a b 法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 第13回会議 議事録” (PDF). 法務省 (2023年1月17日). 2023年6月25日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g h No Means Noの先へ ー"No"も沈黙も同意ではないー”. Choose Life Project (2023年6月19日). 2023年6月25日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n 改正刑法が可決成立 不同意性交等罪実現の意味|2020年から見直しの議論が進んでいた刑法の性犯罪規定改正案が今国会で可決成立。「不同意性交等罪」実現に至る道と残る課題|ゲスト:寺町東子”. ポリタスTV (2023年6月21日). 2023年6月25日閲覧。
  15. ^ 誘う人も誘われる人も知っておきたい「性的同意」って何?!”. ピルにゃん (2020年10月21日). 2023年7月2日閲覧。
  16. ^ a b 改正刑法成立、強制性交等罪が「不同意性交等罪」に 具体例8項目”. 毎日新聞 (2023年6月16日). 2023年6月24日閲覧。
  17. ^ 強制性交罪を「不同意性交罪」に名称変更 刑法改正案”. 日本経済新聞 (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  18. ^ a b c d 第193回国会 法務委員会 第21号(平成29年6月7日)”. www.shugiin.go.jp. 2022年1月29日閲覧。
  19. ^ 交際相手の娘と性交、親でなくても「監護者性交罪」 最高裁が初判断”. 朝日新聞 (2025年1月29日). 2025年1月30日閲覧。
  20. ^ 最高裁判所第一小法廷決定 令和7年1月27日 (令和7年1月30日現在判例集未記載)、令和6(あ)753、『監護者性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件』。
  21. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 見直そう!刑法性犯罪” (PDF). 法務省(一般社団法人Spring). 2023年2月10日閲覧。
  22. ^ 準強姦罪”. コトバンク. 2023年6月30日閲覧。
  23. ^ a b c d e f g h i j k 「男性器の挿入が条件はおかしい」性犯罪の刑法改正から3年、取り残された課題とは”. fair (2020年9月19日). 2023年2月24日閲覧。
  24. ^ a b c d e f g h i j k 新しい性犯罪規定(7月13日施行)の概要”. Yahoo!(園田寿) (2017年6月27日). 2023年6月26日閲覧。
  25. ^ 裁判例結果詳細 判決文 (PDF)
  26. ^ 裁判例結果詳細 判決文 (PDF)
  27. ^ 裁判例結果詳細 判決文 (PDF)
  28. ^ 裁判例結果詳細 判決文 (PDF)
  29. ^ 西田典之『刑法各論』第三版81頁
  30. ^ 裁判例結果詳細 判決文 (PDF)
  31. ^ 『性犯罪に関する刑事法検討会 取りまとめ報告書』(2021年5月), 法務省・性犯罪に関する刑事法検討会
  32. ^ 法制審議会 第175回会議配布資料 刑1 諮問第101号 (PDF) - 法務省
  33. ^ 陰茎を模した道具その他器具を入れた場合には本罪を構成しないと考えられる。
  34. ^ a b c d 「強制性交罪」と「準強制性交罪」の違いとは”. 京都新聞. 2023年2月9日閲覧。
  35. ^ ブラボー!「エブエブ」&刑法改正。 アワエイジ世代も胸熱! 愛と「同意」のある世界♡”. 集英社MyAgeOurAge (2023年4月6日). 2023年7月2日閲覧。
  36. ^ 明治初期の告訴権・親告罪 ― 刑事実体法における関連諸規定の概観 ―”. 黒澤睦「明治初期の告訴権・親告罪―刑事実体法における関連諸規定の概観―」富大経済論集第52巻第2号(富山大学経済学部,2006年11月). 2023年7月1日閲覧。
  37. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 性犯罪に関する刑法~110年ぶりの改正と残された課題”. NHK (2018年10月22日). 2023年2月7日閲覧。
  38. ^ a b 刑法の性犯罪の法定刑に関する改正経過等” (PDF). 法務省. 2023年6月26日閲覧。
  39. ^ a b c d e f g h i j k l m 性犯罪規定に係る刑法改正法案の概要”. 国⽴国会図書館 調査と情報―ISSUE BRIEF― 第962号 No.962 (2017年5月22日). 2023年6月26日閲覧。
  40. ^ a b 秋山 2019, pp. 106–107.
  41. ^ a b c d e f g h i j k l m 19歳の娘へ性虐待の実父「逆転有罪」に 地裁の「無罪」で明るみに出た、現行法の問題点”. 文春オンライン (2020年3月12日). 2023年2月7日閲覧。
  42. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 同意のない性交が犯罪にならない現実――13万の署名と共に刑法改正に挑む当事者たち(内田英恵)”. Yahoo! (2023年1月28日). 2023年2月24日閲覧。
  43. ^ a b 「あなたに問題」乗り越え 性暴力の被害者、国を動かす”. 朝日新聞 (2020年6月11日). 2023年6月25日閲覧。
  44. ^ a b c 刑法を知っていますか① YES以外はすべてNO ~スウェーデン“希望の法”~”. NHK (2020年5月1日). 2023年6月25日閲覧。
  45. ^ a b c d e f g h 娘への性的暴行 父親の有罪確定へ 最高裁 【vol.103】”. NHK (2020年11月13日). 2023年2月10日閲覧。
  46. ^ 性犯罪に関する刑事法検討会”. 法務省. 2023年6月25日閲覧。
  47. ^ a b 法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 第4回会議 議事録” (PDF). 法務省 (2022年1月26日). 2023年6月27日閲覧。
  48. ^ a b 不同意性交等罪の創設求め署名提出 法務省に6万人分”. 朝日新聞 (2021年2月11日). 2023年2月10日閲覧。
  49. ^ a b 「#同意のない性交を性犯罪に」刑法改正求める声広がる。6万筆の署名を国に提出”. HuffPost (2021年2月10日). 2023年2月10日閲覧。
  50. ^ a b c 不同意性交罪 国民の意識に沿う改正だ”. 産経新聞 (2023年6月20日). 2023年6月24日閲覧。
  51. ^ a b c 第211回国会閣法第58号 附帯決議 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議”. 衆議院. 2023年7月6日閲覧。
  52. ^ a b 刑法改正案 若者の性行為の規定めぐり与野党4党修正協議で合意”. NHK (2023年5月24日). 2023年6月25日閲覧。
  53. ^ 刑法改正案「不同意性交罪」のベースには性被害者たちの切実な声 もう絶望させないでほしい 北原みのり”. AERA (2023年6月7日). 2023年7月3日閲覧。
  54. ^ a b c d e 「同意のない性交」犯罪化は? どうなる刑法改正【vol.115】”. NHK (2021年2月5日). 2023年6月25日閲覧。
  55. ^ a b c 第二一一回 閣第五八号 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案”. 衆議院. 2023年6月25日閲覧。 “第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛(こう)門性交、口腔(くう)性交又は膣(ちつ)若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。”
  56. ^ a b c 「不同意性交罪」7月13日施行 「性的姿態撮影罪」も新設”. 共同通信 (2023年6月26日). 2023年6月28日閲覧。
  57. ^ a b c 性犯罪、成立要件を明確化 「不同意性交罪」に改称―改正刑法が成立”. 時事通信社 (2023年6月16日). 2023年6月24日閲覧。
  58. ^ a b c d e f g h 不同意性交罪への名称変更、計8種類の行為や状況を明記…処罰しやすくなる「関係性の悪用」”. 読売新聞 (2023年6月17日). 2023年6月24日閲覧。
  59. ^ a b c d e f g h 「ジャニー喜多川氏性暴力疑惑で問題視」専門家が解説する"性的手なずけ"の巧妙な5つのプロセス”. president (2023年5月19日). 2023年6月24日閲覧。
  60. ^ a b 性犯罪の刑法改正「時間切れ廃案はありえない」 当事者らが訴え「今国会で成立させて」”. 弁護士ドットコム (2023年6月2日). 2023年6月25日閲覧。
  61. ^ 「不同意性交罪」が成立”. 共同通信 (2023年6月16日). 2023年6月24日閲覧。
  62. ^ 伊藤正己 編「強姦罪」『現代法律百科大辞典』 2巻、ぎょうせい、2000年3月25日、555頁。ISBN 4-324-06036-3 
  63. ^ 団藤重光『刑法綱要各論(改訂版)』創文社、1985年、472頁。 ISBN 978-4423730508。「「他人ノ妻ヲ強姦シタル行為ハ、其ノ貞操ニ対スル本夫ノ権利ヲ侵害スルモノナレハ、本夫モ亦被害者トシテ告訴ヲ為スノ権ヲ有ス。」(大審院判決 大正 5.7.1 刑録 22.1194 )」 
  64. ^ 吉田容子「日本における性犯罪の被害実情と処罰にかかわる問題」『刑法雑誌』第54巻第1号、日本刑法学会、2014年、6-29頁、doi:10.34328/jcl.54.1_6ISSN 0022-0191NAID 1300079365552021年12月25日閲覧。「「(強姦罪の)『客体』は、何故、女性だけなのか。男性の性的自由は強制わいせつ罪 (176条)で保護していると説明されるが、女性は176条と177条の双方で客体となる。何故、差を設けるのか」「保護法益を『女性の貞操』と考えれば、以下のとおり説明は容易である」「『客体』及び『実行行為』については、保護法益は『将来男性に嫁ぐ無垢な女性の処女性、夫に従属する貞淑な妻』の保護であり、処女性を失わせる又は妊娠の可能性のある性器結合は、それ以外の性的侵害行為よりも強い非難に値する。これに対し、男性被害や同性間被害は強制わいせつ罪で処罰すれば足りる。」」 
  65. ^ a b c d 集団強姦等罪』 - コトバンク
  66. ^ a b c 髙良沙哉「集団強姦罪の制定過程における「性的自由」論議」『沖縄大学法経学部紀要』第12巻、沖縄大学法経学部、2009年3月、1-12頁、doi:10.34415/00000513ISSN 1346-3128CRID 13900092268628090882023年7月6日閲覧 
  67. ^ a b c d e f 性犯罪”. 日本大百科全書(ニッポニカ). 2023年6月26日閲覧。
  68. ^ スーフリ事件の「和田サン」手記報道 被害者が語る卑劣な手口と“素顔”のギャップ (2019年2月18日)”. エキサイトニュース. 2023年2月7日閲覧。
  69. ^ 川崎逃走男「金は返すから逮捕は勘弁して」”. 日テレNEWS24 (2014年1月11日). 2014年1月11日閲覧。
  70. ^ a b 国連の各委員会による 性犯罪の罰則等に関する最終見解” (PDF). 法務省. 2023年2月7日閲覧。
  71. ^ a b 自由権規約委員会は 日本政府に どのような改善を求めているのか” (PDF). 日本弁護士連合会. 2023年2月7日閲覧。
  72. ^ 国際人権(自由権)規約委員会の総括所見 (PDF)
  73. ^ a b 国連の自由権規約委員会の2008年11月の最終見解
  74. ^ a b c d e f g h i j 娘に性的暴行、父親に逆転有罪 懲役10年 名古屋高裁”. 朝日新聞デジタル (2020年3月12日). 2023年2月9日閲覧。
  75. ^ a b c d e f g h i j k らめーん. “久留米準強姦が逆転有罪 裁判所の「経験則」に変化の兆しか”. 文春オンライン. 2023年2月9日閲覧。
  76. ^ 男性の性被害を認めない社会 元ジャニーズの告白、孤立させないで”. 朝日新聞 (2023年6月9日). 2023年6月25日閲覧。
  77. ^ 改正刑法施行は7月13日 性犯罪を厳罰化”. 日本経済新聞 (2017年6月23日). 2023年2月7日閲覧。
  78. ^ (強姦)第177条:暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
  79. ^ (強制性交等)第177条:13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
  80. ^ 東京地判平成4年2月17日参照
  81. ^ a b c レイプ被害の成立要件「男性器の挿入」。刑法が「実態に見合っていない」被害者らが訴える”. huffingtonpost (2020年9月23日). 2023年6月27日閲覧。
  82. ^ 強姦致傷罪という犯罪(園田寿) - 個人”. Yahoo!ニュース. 2023年2月7日閲覧。
  83. ^ a b c 性犯罪の厳罰化に日弁連が一部反対の意見書 被害者支援57団体が抗議へ”. Yahoo!(小川たまか) (2016年11月15日). 2023年6月26日閲覧。
  84. ^ a b c d e 7年ぶりに会った娘に性的行為に及んだ実父「監護者わいせつ」にならず 被害者が直面する「法の壁」”. Yahoo!(小川たまか) (2019年10月27日). 2023年6月25日閲覧。
  85. ^ 監護者性交罪「身分なき共犯」を適用 親ではない男を起訴 松江地検”. 朝日新聞 (2023年5月30日). 2023年6月25日閲覧。
  86. ^ a b c d 日本は性犯罪に寛容? ~性交同意年齢は13歳、主要国で最低”. 認定NPO法人3keys. 2023年6月28日閲覧。
  87. ^ 第166号 刑法178条2項の「心理的抗拒不能」の意義 ~名古屋地裁岡崎支部平成31年3月26日判決 準強制性交等被告事件~”. ウエストロー・ジャパン 株式会社. 2023年6月25日閲覧。
  88. ^ a b c d 性交同意年齢とは?なぜ13歳?世界では…<用語解説>”. NHK (2021年10月1日). 2023年2月10日閲覧。
  89. ^ 性犯罪規定、大幅見直しへ 強制性交罪や性交同意年齢 法制審要綱案”. 朝日新聞 (2023年2月3日). 2023年2月7日閲覧。
  90. ^ a b 性犯罪「無罪判決」相次ぐ 「判断には被害者心理の理解が不可欠」専門家が訴え”. 弁護士ドットコム (2019年5月12日). 2023年2月7日閲覧。
  91. ^ a b c d 性暴力事件、相次ぐ無罪判決 「抵抗不能」立証が壁”. 毎日新聞 (2019年5月31日). 2023年2月7日閲覧。
  92. ^ a b c 12歳娘に性的暴行の父親に逆転有罪判決「一審は評価を誤り」静岡地裁での無罪判決を破棄”. LOOK. 静岡朝日テレビ. 2023年2月9日閲覧。
  93. ^ a b c d e f 「私を犯した夫を訴える...」 夫婦間レイプとの向き合い方をフランスと日本から考える”. Newsweek (2019年5月23日). 2023年2月7日閲覧。
  94. ^ a b 被害の実態に即した性犯罪施策の課題(2)” (PDF). 立法と調査2020. 7 No. 425 参議院常任委員会調査室・特別調査室. 2023年2月24日閲覧。
  95. ^ a b 第198回国会 法務委員会 第16号(令和元年5月15日(水曜日))”. 衆議院. 2023年2月24日閲覧。
  96. ^ a b 支援団体「被害届の不受理が25%」 実態を明らかにして性犯罪刑法改正の議論を”. Yahoo! (2019年11月30日). 2023年2月24日閲覧。
  97. ^ a b 性犯罪に係る不起訴事件調査” (PDF). 法務省. 2023年2月24日閲覧。
  98. ^ a b c d Japan: information for victims of rape and sexual assault”. 駐日英国大使館 (2023年1月26日). 2023年2月26日閲覧。
  99. ^ 性被害の実態調査 アンケート 公訴時効についての報告”. 一般社団法人 Spring (2020年10月14日). 2023年2月24日閲覧。
  100. ^ 性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキング グループ取りまとめ報告書概要 資料5-1” (PDF). 法務省. 2023年2月24日閲覧。
  101. ^ 私たちに大切な性に関するコミュニケーション、「性的同意」”. あしたメディア by BIGLOBE (2022年2月1日). 2023年7月2日閲覧。
  102. ^ a b c d e 性暴力被害者支援ガイド” (PDF). 性暴力救援センター・東京 (SARC東京). 2023年2月26日閲覧。
  103. ^ Some rape victims not covered by Japanese law that disregards gender diversity”. THE MAINICHI NEWSPAPERS (2021年4月3日). 2023年2月24日閲覧。
  104. ^ 4 Japanese Laws That Desperately Need To Be Amended For Women”. savvytokyo (2019年10月4日). 2023年2月24日閲覧。
  105. ^ a b c “「障害に乗じた性暴力」防げ 刑法改正求める署名を提出”. 朝日新聞. (2021年6月14日). https://www.asahi.com/articles/ASP6G6W75P6GOIPE02B.html 2023年6月30日閲覧。 
  106. ^ 岩田千亜紀 (2018). “障害者へのDV などの暴力についての国際的な動向と課題:文献レビュー”. 東洋大学社会学部紀要 51 (1): 43-55. 
  107. ^ 障がいのある子どもの性被害 法整備を急げ”. あらたにす (2022年8月20日). 2023年6月30日閲覧。
  108. ^ 障がい児者への 性暴力に対する要望”. 特定非営利活動法人しあわせなみだ. 2023年6月30日閲覧。
  109. ^ ドメスティック・バイオレンス(DV)とは”. 内閣府. 2023年2月10日閲覧。
  110. ^ 妻が夫の求めに応じるのは当たり前? 夫婦の間に潜む「性的DV」”. NHK (2022年1月21日). 2023年2月7日閲覧。
  111. ^ 「感情を無にして応じた」 性的DVを受けた女性が語ったこと”. NHK (2022年8月31日). 2023年2月24日閲覧。
  112. ^ 配偶者間での強姦を成立させた裁判例等” (PDF). 法務省. 2023年2月7日閲覧。
  113. ^ 配偶者間において強姦罪(改正前の刑法177条前段)の成立を認めた裁判例” (PDF). 法務省. 2023年2月7日閲覧。
  114. ^ 実子への強姦事件、父親に逆転有罪判決 フラワーデモきっかけの一件”. Yahoo! (2022年12月21日). 2023年2月10日閲覧。
  115. ^ a b 長女への性的暴行、父親の逆転有罪確定へ 最高裁”. 産経新聞 (2021年9月17日). 2023年2月10日閲覧。
  116. ^ a b c d 高裁が被害者の証言に「高度の信用性」を認めた理由ー12歳実子への強姦、父親に逆転有罪判決”. Yahoo! (2022年12月22日). 2023年2月10日閲覧。
  117. ^ 12歳長女に性的暴行、父親側が上告”. 産経新聞 (2020年12月24日). 2023年2月10日閲覧。
  118. ^ a b c d 神経生理学で読み解く 性暴力被害の“凍りつき”<解説>”. NHK (2022年3月4日). 2023年2月24日閲覧。
  119. ^ a b No Means No, Yes Means Yes!──伊藤詩織、北原みのり、岸本学、田中俊之と考える「性暴力」。【前編】”. vogue (2022年2月1日). 2023年7月3日閲覧。
  120. ^ a b 性犯罪に関する施策検討に向けた 実態調査ワーキンググループ (第10回)” (PDF). 法務省 (2019年10月28日). 2023年7月1日閲覧。
  121. ^ 3/9開催ウェビナー「Yes Means Yes!の実現を求めて」〜国際女性デーイベント〜”. ヒューマンライツ・ナウ (2022年5月31日). 2023年7月1日閲覧。
  122. ^ “同意のない性的行為”は処罰につながる? 弁護士が解説 刑法改正の議論”. NHK (2022年11月4日). 2023年6月25日閲覧。
  123. ^ 法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 第3回会議 議事録” (PDF). 法務省 (2021年12月27日). 2023年7月1日閲覧。
  124. ^ Sweden approves new law recognising sex without consent as rape”. BBC (2018年5月24日). 2023年2月24日閲覧。
  125. ^ ドイツの性刑法調査に学ぶ「NOmeansNO!」日本の刑法見直しに向けて”. 女性のひろば 2018年4月号. 2023年2月26日閲覧。
  126. ^ “同意がない性行為はすべて性的暴行に問える” スペイン 刑法改正の背景に何が”. NHK (2023年2月3日). 2023年6月25日閲覧。
  127. ^ 性的同意を重視する法律、スペイン議会が承認 性暴力被害を訴えやすく”. BBC (2022年5月27日). 2023年7月1日閲覧。
  128. ^ 【イベント報告】「YES MEANS YES! 不同意性交に関する刑法規定~デンマーク&スペイン編~」”. ヒューマンライツ・ナウ (2022年10月31日). 2023年7月1日閲覧。
  129. ^ a b c d e f 刑法・性犯罪法改正法律案成立をうけて” (PDF). spring (2023年6月16日). 2023年6月25日閲覧。
  130. ^ 「同意の有無」を中核に置く刑法改正に向けて ―性暴力に対する国際人権基準の反映―” (PDF). 日本学術会議 (2020年9月29日). 2023年7月6日閲覧。
  131. ^ 「不同意性交罪」見送り 刑法改正の試案、暴行・脅迫要件を見直しへ”. 朝日新聞 (2022年10月24日). 2023年2月10日閲覧。
  132. ^ 刑法改正「同意なき性交は処罰を」に暗雲? いったい、法制審議会では何が議論されているか”. Yahoo! (2022年6月6日). 2023年2月10日閲覧。
  133. ^ a b c d 強制性交罪を「不同意性交罪」に罪名変更へ…「同意なしは処罰対象」を明確化”. 読売新聞 (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  134. ^ a b 強制性交罪を「不同意性交罪」に改称 刑法改正案、被害者に配慮”. 毎日新聞 (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  135. ^ a b c d e f g h i 強制性交罪の構成要件など見直し 刑法改正の要綱案まとまる”. NHK (2023年2月3日). 2023年2月24日閲覧。
  136. ^ 「不同意性交罪」に名称変更=刑法改正案、強制性交罪から”. 時事通信社 (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  137. ^ 「強制性交罪」→「不同意性交罪」に名称変更へ 法務省、刑法改正案”. 朝日新聞 (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  138. ^ 刑法「強制性交罪」を「不同意性交罪」へ変更する案 法務省”. NHK (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  139. ^ 令和5年3月14日(火)定例閣議案件 首相官邸HP
  140. ^ a b c 「不同意性交罪」に名称変更=刑法改正案、成立要件を具体化”. 時事通信ニュース (2023年3月14日). 2023年3月14日閲覧。
  141. ^ 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案
  142. ^ 性犯罪の規定を大幅見直し「不同意性交罪」に 改正刑法、13日施行”. 朝日新聞 (2023年7月12日). 2023年7月13日閲覧。
  143. ^ Japan poised to raise age of consent from 13 in overhaul of sexual offence laws”. theguardian (2023年2月21日). 2023年2月24日閲覧。
  144. ^ a b 日本で改正刑法が成立、レイプは「不同意性交罪」に 性交同意年齢も引き上げ”. BBC (2023年6月16日). 2023年6月24日閲覧。
  145. ^ a b 「撮影罪」「グルーミング罪」新設検討へ 子どもへの「性被害」“抑制”効果は?”. 弁護士JP (2022年12月15日). 2023年6月26日閲覧。
  146. ^ 特集『刑法改正案が廃案の危機。 性犯罪被害者らが今国会での成立を訴える理由』”. 荻上チキ・Session (2023年6月9日). 2023年7月7日閲覧。
  147. ^ a b 客室乗務員を悩ませる 航空機内での盗撮”. NHK (2022年10月7日). 2023年7月7日閲覧。
  148. ^ a b 「悲願です」 無法地帯だった「CAの盗撮」、撮影罪の新設で処罰しやすく”. 弁護士ドットコム (2023年6月17日). 2023年7月7日閲覧。
  149. ^ a b 撮影罪成立、歓迎と落胆「盗撮許さない社会に」”. 西日本新聞 (2017年6月17日). 2023年7月7日閲覧。
  150. ^ 「私たちを“捨象”しないで!~公訴時効見直しのための実態調査等を求める院内集会~」開催のご報告”. spring (2023年6月21日). 2023年6月25日閲覧。
  151. ^ 若年層の性暴力被害の実態に関する オンラインアンケート及びヒアリング結果<概要>” (PDF). 内閣府 男女共同参画局 (2022年6月17日). 2023年6月24日閲覧。
  152. ^ 【声明】刑法性犯罪の改正にあたって”. 刑法改正市民プロジェクト (2023年6月16日). 2023年6月25日閲覧。
  153. ^ タレントのSHELLYさんが国会へ 「同意ない性行為は的確に処罰を」刑法改正案の審議で”. 日テレNEWS (2023年5月16日). 2023年7月2日閲覧。
  154. ^ アスリート盗撮、置き去り 「撮影罪」新設へ、元選手ら訴え”. 共同通信 (2023年4月22日). 2023年7月1日閲覧。
  155. ^ 日本政府が性犯罪規定見直し、今夏成立目指す 性的盗撮を処罰する「撮影罪」新設など”. BBC (2023年5月3日). 2023年7月1日閲覧。
  156. ^ 第211回国会閣法第59号 附帯決議 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律案に対する附帯決議”. 衆議院. 2023年7月7日閲覧。
  157. ^ 障がい特性を踏まえた刑法性犯罪改正を求める要望書”. 特定非営利活動法人 しあわせなみだ. (2023年3月12日). 2023年6月30日閲覧。
  158. ^ 性暴力の証拠。警察に行けなくても残せる体制を全国に!27,893筆の署名と要望書提出”. THYME (2022年9月26日). 2023年7月1日閲覧。
  159. ^ 性被害当事者ら「声届いた」「前進」 改正刑法「要件不明確」の声も”. 朝日新聞 (2023年6月16日). 2023年6月25日閲覧。
  160. ^ 犯罪統計”. 警察庁. 2022年10月20日閲覧。
  161. ^ a b c 性暴力被害”. NHK. 2023年2月7日閲覧。
  162. ^ a b c d e スウェーデンが、先進国で最悪の「強姦大国」である理由”. 日経COMEMO (2022年11月15日). 2023年2月10日閲覧。
  163. ^ a b c 男性の性被害 292人実態調査アンケート結果【vol.131】”. NHK (2021年6月24日). 2023年2月7日閲覧。
  164. ^ 男性の性被害、訴えにくく 「誰にも相談せず」が半数超―刑法改正から5年”. 時事通信社 (2022年12月28日). 2023年2月7日閲覧。
  165. ^ 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援 センターの全国の相談件数の推移(令和3年度)”. 内閣府. 2023年2月24日閲覧。
  166. ^ a b 【相談窓口】性犯罪・性暴力の電話ダイヤルは#8891(はやくワン)!”. NHK (2020年10月16日). 2023年2月24日閲覧。
  167. ^ 性被害相談、年5.8万件 「氷山の一角」支援は道半ば”. 日本経済新聞 (2022年11月7日). 2023年2月24日閲覧。
  168. ^ 第2節 性犯罪・性暴力”. 内閣府. 2023年2月24日閲覧。
  169. ^ Rape Statistics by Country 2023”. World Population Review. 2023年2月24日閲覧。
  170. ^ スウェーデン性犯罪関連条文和訳(仮訳)※令和元年12月時点” (PDF). 法務省. 2023年2月24日閲覧。
  171. ^ 性犯罪に関する各国法制度調査報告書” (PDF). 2018年10月 国際人権 NGO ヒューマンライツ・ナウ. 2023年2月24日閲覧。
  172. ^ スウェーデン「イエス」なき性交は犯罪 国内規定「さらなる改正必要」”. 東京新聞 (2020年2月18日). 2023年2月24日閲覧。
  173. ^ 多くの「性犯罪」が処罰されない。先進国と比べて、こんなにも遅れている日本の現状”. AMP (2021年10月9日). 2023年2月24日閲覧。
  174. ^ a b c d 伊藤詩織『Black Box』文春文庫、2022年3月8日。 ISBN 978-4167918484 
  175. ^ 【勉強会】世界の性教育―スウェーデンの性教育では、性的同意が学べる!”. 桜美林大学ジェンダー研究会 “I am” (2020年11月20日). 2023年7月1日閲覧。
  176. ^ 変わるか?日本の“性教育””. NHK (2020年10月7日). 2023年6月28日閲覧。
  177. ^ a b 特集 大人も知っておきたい性のあれこれ 子どもたちを性暴力の被害者・加害者・傍観者にしないための「生命の安全教育」とは?【保護者が知らない学校教育】”. 集英社オンライン (2022年10月22日). 2023年7月1日閲覧。
  178. ^ a b 性犯罪・性暴力対策の強化について”. 文部科学省. 2023年7月1日閲覧。
  179. ^ 性犯罪・性暴力の加害者・被害者・傍 観者にならないための「生命(いのち) の安全教育」の推進” (PDF). 法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会 第3回会議配布資料. 2023年7月1日閲覧。
  180. ^ “性暴力”裁判 被害女性が語った15分のことば”. NHK (2022年4月15日). 2023年7月1日閲覧。 “「 大学では、性の問題についてタブー視せず、真面目に議論をするような環境に身を置いていました。正しい性的な知識は恥ずかしいことでも、面白おかしく思うようなことでもありません。防災のように、自分と周囲の人を守ることに繋がるし、正しい性教育を受ければ他者を傷つけたり、自分が性暴力の加害者になることも防いでくれます。性教育は、人権教育だと考えています。そしてこの価値観は、私の大切な友人やパートナーとも共有していました。だから私は被害に遭った時も、取るべき行動がすぐに分かりましたし、非常に早く適切な支援に繋がることができたのです。知識と環境が私を守ってくれたのです」”
  181. ^ 山中の車内で女子大生を性的暴行、行為の「同意書」も書かせる 容疑で男逮捕”. 産経新聞 (2023年7月26日). 2024年12月22日閲覧。
  182. ^ a b 被害にあわれた男性の方へ|性暴力被害者支援 サポートながさき
  183. ^ a b レイプ被害者の医学的診察”. MSDマニュアル. 2023年2月26日閲覧。
  184. ^ a b 性犯罪・性暴力の被害にあったら”. 神奈川県. 2023年2月24日閲覧。
  185. ^ 茨城県警察本部性犯罪被害相談「勇気の電話」”. 茨城県警察. 2023年2月24日閲覧。
  186. ^ a b 被害後まもない方へ”. 性暴力被害者支援センター・ふくおか. 2023年2月24日閲覧。
  187. ^ a b 性犯罪被害対応の手引き” (PDF). 新潟県・新潟県警察. 2023年2月24日閲覧。
  188. ^ 産婦人科医会副会長、NHKで緊急避妊薬めぐり「安易な考えに流れてしまう」発言が物議”. Business Journal (2020年7月29日). 2020年3月31日閲覧。
  189. ^ a b c d e f 性犯罪・性暴力被害者のための ワンストップ支援センター開設・運営の手引” (PDF). 内閣府 犯罪被害者等施策推進室. 2023年2月26日閲覧。
  190. ^ 医療費等の助成・病院の紹介・カウンセリング”. 警視庁. 2021年2月10日閲覧。
  191. ^ 公費負担制度”. 警察庁. 2023年2月26日閲覧。
  192. ^ 被害者の心情に配慮した 性暴力の証拠物取扱いマニュアル (概要版)” (PDF). 性暴力の証拠物の取扱い検討ワーキングチーム会議 (事務局:大阪府政策企画部青少年・地域安全室). 2023年2月26日閲覧。
  193. ^ #男性の性被害 相談窓口の課題は - NHK みんなでプラス
  194. ^ 【性暴力を考えるvol.15】埋もれてきた男性被害”. NHK (2019年9月6日). 2023年2月26日閲覧。
  195. ^ 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について|厚生労働省
  196. ^ 幼稚園でお友達のお尻に石を…「性加害者」になる子どもたち。何が起こっているのか | 女子SPA! | ページ 2
  197. ^ 性暴力被害相談電話 | 宮崎県小児科医会
  198. ^ Mclean, Iain; L'Heureux, Stephan (2007). “Sexual assault aftercare services in Japan and the UK”. Japan Forum 19 (2): 239–256. doi:10.1080/09555800701422852. 
  199. ^ a b 数分で「デートレイプドラッグ」を鑑定。警視庁が“新キット”を導入。相次ぐ性犯罪を根絶へ”. huffingtonpost (2023年5月23日). 2023年6月25日閲覧。
  200. ^ 「デートレイプドラッグ」簡易検査キット 警視庁が都内の全警察署に配備 薬物使用の性犯罪NO! 相談者の尿で即確認”. 東京新聞 (2023年4月30日). 2023年6月25日閲覧。
  201. ^ デートレイプドラッグ事案の捜査、迅速化へ 簡易検査キット、初開発”. 朝日新聞 (2023年4月26日). 2023年6月25日閲覧。
  202. ^ 第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組”. 警察庁. 2023年2月24日閲覧。
  203. ^ 【相談窓口】性犯罪・性暴力の電話ダイヤルは#8891(はやくワン)!”. NHK (2020年10月16日). 2023年2月24日閲覧。
  204. ^ 男性の性被害 全国の相談窓口  ~2021年6月版~【vol.67】”. NHK (2020年3月19日). 2023年2月26日閲覧。
  205. ^ 全国の「支援センター」で行っている支援”. 全国被害者支援ネットワーク. 2023年2月24日閲覧。
  206. ^ もしあなたが犯罪被害に遭ったら……支えてくれる“窓口”は”. NHK (2022年11月29日). 2023年2月24日閲覧。
  207. ^ “顔見知り”からの性暴力 ~被害者の苦しみ 知ってますか?~”. NHK (2019年4月30日). 2023年2月24日閲覧。
  208. ^ 法テラス 犯罪被害者支援” (PDF). 法務省. 2023年2月24日閲覧。
  209. ^ 知られてほしいけど知られていない 性暴力被害に遭ったときの法的支援”. Yahoo! (2019年10月24日). 2023年2月24日閲覧。
  210. ^ 女性に対する暴力の根絶 | 内閣府男女共同参画局
  211. ^ 【専門家に聞いてみた】被害に遭ったときにするべき対処、「証拠保全」と「アフターピル」について”. 非営利団体 mimosas (2020年8月13日). 2023年2月26日閲覧。
  212. ^ 性暴力の被害にあわれた方へ”. 豊島区. 2023年2月26日閲覧。
  213. ^ a b 性暴力のSNS相談Cure Time 「チャット画面の向こう側」を取材して【vol.111】 - NHK みんなでプラス
  214. ^ a b 性犯罪・性暴力相談窓口”. 法務省 男女共同参画局. 2023年6月25日閲覧。
  215. ^ 刑事手続における犯罪被害者のための制度”. 最高裁判所. 2023年7月1日閲覧。
  216. ^ 逮捕・起訴状の匿名化諮問へ 法務省、性犯罪被害者ら保護”. 産経新聞 (2023年5月18日). 2023年7月7日閲覧。
  217. ^ 起訴状から被害者の氏名や住所が消える… 刑訴法改正で秘匿可能に 弁護活動に支障も”. 弁護士ドットコム (2023年5月18日). 2023年7月7日閲覧。
  218. ^ 「性犯罪・DV被害者 裁判書類も匿名に」(ここに注目!)”. NHK (2021年7月27日). 2023年7月7日閲覧。

関連項目

参考文献

外部リンク

被害者になった場合
性犯罪


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「強制性交等罪」の関連用語

強制性交等罪のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



強制性交等罪のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの不同意性交等罪 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS