性交等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 00:17 UTC 版)
2017年(平成29年)刑法改正において、行為類型が「女子を姦淫した」から「性交、肛門性交又は口腔性交をした」に改められた。 旧強姦罪の姦淫の定義の下では、男性器の女性器に対する一部挿入で既遂となり、妊娠および射精の有無は問わない。 本罪での性交、肛門性交又は口腔性交のそれぞれについては文理上定義はなく、判例も2018年(平成30年)時点で不明であるが、次の衆議院法務委員会での政府参考人の答弁(抄)によれば、以下の場合が想定されている。 2017年(平成29年)6月7日衆議院法務委員会での林眞琴政府参考人の答弁 まず、性交とは、膣内に陰茎を入れる行為をいいます。肛門性交とは、肛門内に陰茎を入れる行為をいいます。また、口腔性交とは、口腔内に陰茎を入れる行為をいいます。 本条におきましては、誰の陰茎を誰の膣内、肛門内、口腔内に入れるかについては文言上限定しておりませんので、自己の膣内等に被害者の陰茎を入れる行為を含むと解することができると考えて用いておるところでございます。 したがいまして、今回の法案における性交、肛門性交または口腔性交とは、相手方の膣内、肛門内もしくは口腔内に自己の陰茎を入れる行為のほかに、自己の膣内、肛門内もしくは口腔内に相手方の陰茎を入れる行為を含むものであると考えております。 判例が不明のため構成要件該当性は不明であるが、この答弁の定義によった場合には、加害・被害側を問わず、行為者が男女間、または男性同士で、陰茎を膣、肛門もしくは口腔に入れ、または陰茎を膣、肛門もしくは口腔に入れさせた場合が対象となる。 よって、オーラルセックス行為の内、フェラチオ行為でも加害・被害側を問わず対象となるが、クンニリングス行為の構成要件該当性、行為者が女性同士の場合の構成要件該当性、またフェラチオ行為についても、口腔内に陰茎を没入させず、舌で舐める等の行為に留まる場合の構成要件該当性については、この答弁においては明言されておらず、議論がある。 また、後述の法制審議会第175回会議「性犯罪の罰則に関する検討会」における解釈では、「入れさせた」場合につき「陰茎を自己もしくは第三者の膣、肛門もしくは口腔に入れさせた」としている。
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