TCP/IPとは? わかりやすく解説

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TCP/IP

Transmission Control Protocol/Internet Protocol
これまでインターネット中核的なプロトコルは、TCPIPTransmission Control Protocol/Internet Protocol) といわれてきた。そのため、インターネットプロトコルというときは、TCP/IPと表現されるようになった。しかし、後述するように、インターネット上で音声画像などのリアルタイム情報頻繁に送受信されるようになってきたため、最近ではリアルタイム通信に強いUDPUser Datagram)も頻繁に使用されるようになったこのような背景があり、また、UDPプロトコルはほぼIP似たプロトコル構造になっていること、さらにネットワーク側からIP注目されるようになってきたところから、最近はTCP/IPという用語よりも単にIPあるいはIPネットワーク呼ばれることが多くなっている。
TCP/IPプロトコルは、基本的に(1)アプリケーション層(2)トランスポート層(TCP/UDP)、(3)ネットワーク層IP)、(4)リンク層(ADSL/CATV/FTTHなど)で構成されている。(より複雑な構成もあるが、ここでは簡単のために4層構成にしている)
例えば、映像音声アプリケーション送信する場合は、リアルタイム通信に強いUDPUser Datagram)を使用して通信する一方アプリケーションとして企業重要なファイルなどを送る場合は、信頼性の高い通信ができるTCP正しく相手届いたかどうか確認する機能持っている)を使用する。そして、使用しているアクセス回線ADSLリンク層)ならば、ADSL対応したプロトコル送信しFTTHリンク層)ならばFTTH対応したプロトコル送信する

関連用語


TCP/IP

フルスペル:Transmission Control Protocol/Internet Protocol
読み方ティーシーピーアイピー

TCP/IPとは、インターネット基盤として用いられている通信方式で、パケット単位定義するIPと、その伝方法規定するTCPからなる通信プロトコルのことである。

TCP/IPによるデータ通信では、データパケットよばれるデータの小単位分割して送信されるIP方式分割され単位IPパケットと呼ぶ。このパケットを、送信元と送信先指定して送信開始から送信終了までセッション単位全体伝送管理するのがTCP役割である。TCPでは、送信元と送信先は、コンピュータ特定するIPアドレスと、利用するアプリケーション指定するポート番号指定するIPアドレスは、固有割り当てられビット列で、一つ機器原則一つ割り当てられるポート番号は、送信元については任意であるが、送信先については、通常アプリケーション毎にあらかじめ既定されている番号指定する受信されパケットは、シーケンス番号基づいて並べられ、元の分割前のデータ復元される

TCP指定される送信先ポート番号は、既定アプリケーション用にあらかじめ割り当て決まっているものがある。主な例として、FTP20番SSH22番Telnet23番、SMTP25番、DNS53番、HTTP80番POP3110番IMAP143番、HTTPS443番である。

通信階層を示すプロトコルスタックは、インターネットにおいては4つ階層分類される最下位から順に、ネットワークアクセス層、ネットワーク層IP)、トランスポート層TCP)、アプリケーション層HTTP等)となっている。TCP/IPは、この階層から分かるとおり、物理層とは独立しているため、イーサネット電話線用いたDSL光ファイバなど、さまざまな物理階層接続することができる。

IPv4は、2000年代初頭まで主流として使われてきたが、アドレス部32ビットであるため、42億強のアドレスしか識別できないいわゆるアドレス枯渇問題生じるため、1995年に、次世代IP規格であるIPv6規格発表された。これは、IPアドレス部が128ビット確保されており、3.4×1038乗のアドレス区別できるIPv6は、IPv4比較してはるかに巨大であり、当面は、事実上無限に近い通信対象扱えることなる。IPv6ユビキタス通信環境実現するための基盤一つであると考えられている。

通信方式のほかの用語一覧
TCP/IP:  SSL  スーパーネッティング  TCP  TCP/IP  TFTP  HTTPR  動的DNS

インターネット・プロトコル・スイート

(TCP/IP から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/09 16:18 UTC 版)

インターネット・プロトコル・スイート: Internet protocol suite)は、インターネットを含む多くのコンピュータネットワークにおいて、標準的に利用されている通信プロトコルのセットである。TCP/IPプロトコルあるいは単にTCP/IP (Transmission Control Protocol / Internet Protocol) とも呼ばれる。従来のインターネットワーキングの手法は、このTCP/IPプロトコルに基づいている[1]。元々は確固たる仕様や定義はなく、IPTCPUDPなどの仕様中に個々に、あるいは暗黙の前提として存在していたものだが、後から RFC 1122 で1つにまとめられた。これに対応する参照モデルTCP/IPモデルと呼ばれる。


注釈

  1. ^ 1980年代の業界バズワードであるオープンシステム(「ネダマ」の「オ」)のいう「オープン」と、ある程度関連している。

出典

  1. ^ Stallings, William (2016). Foundations of modern networking : SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud. Florence Agboma, Sofiene Jelassi. Indianapolis, Indiana. ISBN 978-0-13-417547-8. OCLC 927715441. https://www.worldcat.org/oclc/927715441 
  2. ^ R. Braden (October 1989). Requirements for Internet Hosts―Communication Layers (英語). doi:10.17487/RFC1122. RFC 1122. 2007年9月15日閲覧
  3. ^ The TCP/IP Guide - TCP/IP Architecture and the TCP/IP Model”. www.tcpipguide.com. 2021年8月23日閲覧。
  4. ^ ARPA Network Functional Specifications (PDF) (英語). May 1969. doi:10.17487/RFC0008. RFC 0008
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  9. ^ Internet History” (英語). The Living Internet. Internet History, Who invented the Internet, When was the Internet invented. 2006年1月30日閲覧。
  10. ^ Ronda Hauben. “From the ARPANET to the Internet”. TCP Digest (UUCP). 2007年7月5日閲覧。
  11. ^ Microsoft Releases Windows 2000 to Manufacturing” (英語). Stories (1999年12月15日). 2017年8月29日閲覧。
  12. ^ Chao, Lee (2009-12-21) (英語). Networking Systems Design and Development. CRC Press. p. 45. ISBN 978-1-4200-9160-1. https://books.google.com/books?id=MyzNBQAAQBAJ&newbks=0&printsec=frontcover&pg=PA45 
  13. ^ Chao, Lee (2015-09-22) (英語). Cloud Computing Networking: Theory, Practice, and Development. CRC Press. ISBN 978-1-4822-5482-2. https://books.google.com/books?id=dtyYCgAAQBAJ&newbks=0&printsec=frontcover&pg=PA46 
  14. ^ Silva, Mário Marques da (2018-09-03) (英語). Cable and Wireless Networks: Theory and Practice. CRC Press. p. 308. ISBN 978-1-315-36217-5. https://books.google.com/books?id=kkQPEAAAQBAJ&newbks=0&printsec=frontcover&pg=PA308 
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  16. ^ Requirements for IP Version 4 Routers (英語). June 1995. sec. 4.4. doi:10.17487/RFC1812. RFC 1812
  17. ^ Requirements for IP Version 4 Routers (英語). June 1995. sec. 3.3.2. doi:10.17487/RFC1812. RFC 1812
  18. ^ R. Bush; D. Meyer (December 2002). Some Internet Architectural Guidelines and Philosophy (英語). sec. 3. doi:10.17487/RFC3439. RFC 3439. 2007年11月20日閲覧
  19. ^ TINET”. TOPPERSプロジェクト. TOPPERS Project, Inc. 2014年3月26日閲覧。


「インターネット・プロトコル・スイート」の続きの解説一覧

TCP/IP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:22 UTC 版)

インターネットの歴史」の記事における「TCP/IP」の解説

詳細は「インターネット・プロトコル・スイート」を参照 数々ネットワーク技法乱立しており、誰かがそれを統合する必要があった。DARPAARPANETロバート・E・カーンは、スタンフォード大学ヴィントン・サーフ招き二人でこの問題検討した1973年、彼らの改善案基本完成した。それは、ネットワーク毎のプロトコル差異を共通のネットワークプロトコル隠蔽しARPANETのようにネットワーク自体信頼性保証するではなくホスト信頼性保証するというものであるサーフはこの設計についてユベール・ジメルマンGerard LeLann、ルイ・プザンCYCLADESネットワーク設計者)の業績影響与えたとしている。 その結果生まれたプロトコル仕様RFC 675 – Specification of Internet Transmission Control Program として1974年12月発表された。その中で internetworking短縮形として internet という語が初め使われた。その後RFCでもこの用法踏襲したため、この語が形容詞としてよりも名詞として定着するようになったネットワーク役割必要最小限低減させたため、どんなネットワークでも相互接続可能となり、カーン考えていた問題解決することになったDARPAプロトタイプ版ソフトウェアの開発資金提供することに合意し数年後スタンフォード研究所サンフランシスコ・ベイエリアパケット無線ネットワークARPANETとのゲートウェイデモンストレーション行った1977年11月22日には、ARPANETパケット無線ネットワーク大西洋パケット通信衛星3つのネットワーク間のデモンストレーション行っている。 1974年TCP最初仕様から、1978年中ごろ以降にTCP/IPがほぼ最終的なとなって出来上がった1981年には関連標準RFC 791, 792、793 として公表され実際に採用された。DARPA様々なオペレーティングシステムでのTCP/IP実装開発支援促進し保有するホストパケット網をTCP/IPに移行させることを計画1983年1月1日ARPANET従来NCPプロトコルからTCP/IPプロトコルへと移行させた。

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「TCP/IP」を含む「インターネットの歴史」の記事については、「インターネットの歴史」の概要を参照ください。


TCP/IP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:32 UTC 版)

標準化団体 (コンピュータと通信)」の記事における「TCP/IP」の解説

インターネット通信方式事実上の標準

※この「TCP/IP」の解説は、「標準化団体 (コンピュータと通信)」の解説の一部です。
「TCP/IP」を含む「標準化団体 (コンピュータと通信)」の記事については、「標準化団体 (コンピュータと通信)」の概要を参照ください。


TCP/IP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 02:14 UTC 版)

エンドツーエンド原理」の記事における「TCP/IP」の解説

インターネットでは、コネクションレスのデータグラムサービスで送達QoS保証しないIPプロトコルがほとんど全ての通信使われている。IP上で任意のプロトコル動作する音声など一部用途では再送による信頼性は必要とされないので、IPにおける信頼性機構IPヘッダチェックサムのみとなっている(低品質経路パケット送信する際のビット誤り検出必須である)。エンドツーエンド肯定応答再送は、IPの上置かれるコネクション指向TCP実装している。IPTCP機能的に分割したのは、用途によってエンドツーエンド原理選択可能にしたためである。さらにネットワーク適切に機能するためには、輻輳態となるような負荷排除するような手段も必要とされるインターネットのほとんどのアプリケーション通信TCP使っている。バン・ジェイコブソンらがTCP向けのエンドツーエンド輻輳制御アルゴリズム考案したのは、TCP標準化されてから7年後のことである。

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「TCP/IP」を含む「エンドツーエンド原理」の記事については、「エンドツーエンド原理」の概要を参照ください。

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