TCP delayed acknowledgmentとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > TCP delayed acknowledgmentの意味・解説 

TCP遅延ACK

(TCP delayed acknowledgment から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/15 16:21 UTC 版)

TCP遅延ACK: TCP delayed acknowledgment)とは、ネットワークパフォーマンスを改善するための Transmission Control Protocol の実装技術。プロトコルのオーバーヘッドを減らすために、複数のACK応答を一つにまとめる。しかし、いくつかの状況では、この技術はアプリケーションのパフォーマンスを悪くする。

手法と利点

RFC 1122 の 4.2.3.2 に記載されているが、受信側はACK応答を最大500ms遅延させられる。ただし、最大セグメントサイズ以上のデータを受信したときは最低限2つ目のセグメントでACK応答を返さなければならない。一般には遅延は200msタイマーで実装されている。

遅延ACKはTCP受信ウィンドウを更新する機会を作り、ACKと応答を同時に返すことを可能にする。例えば telnet では、ACK とウィンドウ更新と応答データを一つのセグメントで送ることにより、応答を3倍減らすことができる[1]

問題点

遅延ACKがもたらす追加の待ち時間は、ある種のアプリケーションと設定でさらなる遅延をもたらすことがある。もし、送信側でNagleアルゴリズムが使われている場合、ACKを受け取るまで送信側がデータをキューに貯めていることがある。もし、送信側が最大セグメントサイズを埋めるだけ十分なデータを送信していない場合(例えば2回書き込みを行いブロッキング読み込みが続く場合)、ACK遅延タイムアウトまで転送が停止する。

例えば、太郎が花子にデータを送信するケースを考える。太郎のソケットには送信するに値するほどのデータが貯まっていない。Nagleアルゴリズムでは、送信データのACKを受け取るまで次の送信が行われない。同時に、花子側も次のデータを受け取るまで応答を返さない。花子が遅延ACKを使っている場合、花子のソケットはタイムアウトになるまでACKを返さない。

もし、アプリケーションが小さな粒度のデータを送信し、定期的な ACK 応答を期待しているならば、この良くないやりとりが発生する。この遅延を回避するには、送信側がNagleアルゴリズムを無効にするなど、アプリケーションはACK応答を待たずに繰り返しデータを送信する必要がある。

参照


「TCP delayed acknowledgment」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「TCP delayed acknowledgment」の関連用語

1
30% |||||

TCP delayed acknowledgmentのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



TCP delayed acknowledgmentのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのTCP遅延ACK (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS