ルーティングプロトコルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > コンピュータ > ネットワーク用語 > ルーティングプロトコルの意味・解説 

ルーティングプロトコル

ネットワークは、交信負荷回線故障を補う重複した経路提供しているが、コスト速度の点から、あるいは輻輳避けるという理由で、他の経路より望ましい経路1つあるのが普通である。ルーティングプロトコルは、ルータールーターの間で共有するルーティング情報基づいて網目状ネットワークを通る最適経路作るために必要な情報やりとりするためのプロトコルインターネットTCP/IP)では、全世界統一的に管理されるグローバルネットワークアドレスで運用され階層化されたドメイン単位によって構成される。このドメイン間で使用されるルーティングプロトコルをドメイン間ルーティングプロトコル、ドメイン内で使用されるルーティングプロトコルをドメイン内ルーティングプロトコルといい、ドメイン間ルーティングプロトコルには、EGPBGPドメイン内ルーティングプロトコルにはRIPOSPFなどがある。

関連用語


ルーティングプロトコル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 18:11 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ルーティングプロトコル: routing protocol)は、ルーター同士がネットワーク上の任意の2ノード間の経路を選択するための情報をやり取りする通信プロトコルである。

概要

各ルーターは自身に隣接するノードの知識を有している。 ルーティングプロトコルはその情報を共有可能とし、各ルーターがより広範囲のネットワーク構成に関する知識を持てるようにする。 基本概念についてはルーティングを参照のこと。

ルーティングプロトコルという用語は、より具体的にはOSI参照モデルの第三層(ネットワーク層)にある通信プロトコルを指し、これも同様にルーター間でのネットワーク構成情報のやりとりを行う。

インターネットで使われているルーティングプロトコルの多くはRFC文書で定義されている。 [1] [2] [3] [4]

ルーティングプロトコルは大まかに以下の3種類に分類される。

個々のルーティングプロトコルの特徴として、ループ状の経路を形成することを防止するか否か、防止しない場合はループを壊す方法、何を元に経路を決定するかといった点が挙げられる。

ルーティング対象プロトコルとルーティングプロトコル

混同されやすいが、ルーティングプロトコルとルーティング対象 (routed) プロトコルは異なる。 ルーティングプロトコルはルーターが経路決定に使うのに対し、ルーティング対象プロトコルは L3(ネットワーク層) デバイス間の実際のデータ転送を受け持つ。 [5] ルーティング対象プロトコルとは、通信プロトコルのうち、パケットホストからホストへアドレス形式に従って転送する際にネットワーク層アドレスに関する十分な情報を提供するもので、それ自体は発信元から送信先までの経路全体を把握していない。 ルーティング対象プロトコルはパケットの形式と各フィールドの用途を定義している。 パケットは一般にネットワークのエンドシステムからエンドシステムへ伝送される。 ほぼ全てのネットワーク層プロトコルとその上の層はルーティング可能であり、例えばIPがある。 イーサネットなどのデータリンク層プロトコルはルーティングに必要な情報を持たないため、必然的にルーティング不可能なプロトコルである。 ネットワーク層アドレスを持たずにデータリンク層に直接乗ったプロトコルとして NetBIOS があるが、これもルーティング不可能である。

場合によっては、ルーティング対象プロトコル上でルーティングプロトコルを使うこともある。 例えばBGPTCP上で動作する。 このようなシステムの実装にあたっては、ルーティングプロトコルとルーティング対象プロトコルの相互依存が生じないように注意が必要である。 ルーティングプロトコルがトランスポート層OSI参照モデルの第4層)の上にあったとしても、1つ上の階層に位置するわけではない。 ルーティングプロトコルはOSIのルーティングフレームワークによれば、ネットワーク層の管理プロトコルであって、その転送機構は関係ない。

  • IS-IS はデータリンク層の上で動作する。
  • OSPFIGRPEIGRP は直接、IPの上で動作する。OSPF と EIGRP は独自の信頼できる転送機構を持っており、IGRPは転送機構を信頼しない。
  • RIPUDPの上で動作する。
  • BGPTCPの上で動作する。

アドホックネットワークのルーティングプロトコル

アドホックネットワーク(アドホックモード)のルーティングプロトコルは、ネットワーク自体にほとんど基盤が存在しない。無線アクセス携帯電話の無線ネットワーク部分が相当する。

  • OLSR (Optimized Link State Routing) - 能動的リンクステート型。RFC 3626
  • AODV (Ad hoc On-Demand Distance Vector) - オンデマンド距離ベクトル型。RFC 3561
  • DSR (Dynamic Source Routing) - オンデマンド距離ベクトル型。RFC 4728
  • B.A.T.M.A.N. (Better Approach To Mobile Adhoc Networking)

ルーティングプロトコルには、内部ルータプロトコル(IRP)と外部ルータプロトコル(ERP)の2種類がある[6]

内部ルーティングプロトコル

Interior Gateway Protocol (IGP) は、1つの自律システム(AS)[7]内でルーティング情報を交換する通信プロトコル

  • IGRP (Interior Gateway Routing Protocol)
  • EIGRP (Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)
  • OSPF (Open Shortest Path First)
  • RIP (Routing Information Protocol)
  • IS-IS (Intermediate System to Intermediate System)

なお、IGRPとEIGRPはシスコシステムズ独自のルーティングプロトコルであり、IGRPは既にサポートされていない。EIGRPはIGRPのコマンドを受け付けるが、その内部は全く異なる。

外部ルーティングプロトコル

Exterior Gateway Protocol (EGP) は自律システム(AS)間のルーティングを行う通信プロトコル

  • EGP (Exterior Gateway Protocol) - かつてインターネットバックボーンへの接続に使われていた。現在は使われていない。
  • BGP (Border Gateway Protocol) - 最新版の BGP-4 は1995年ごろ策定された。

出典・脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ RFC 791 INTERNET PROTOCOL, J Postel, September 1981.
  2. ^ RFC 922 BROADCASTING INTERNET DATAGRAMS IN THE PRESENCE OF SUBNETS, Jeffrey Mogul, October 1984
  3. ^ RFC 1716 Towards Requirements for IP Routers, P. Almquist, November 1994
  4. ^ RFC 1812 Requirements for IP Version 4 Routers F. Baker, June 1995
  5. ^ Routing and Routed Protocols
  6. ^ Stallings, William (2016). Foundations of modern networking : SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud. Florence Agboma, Sofiene Jelassi. Indianapolis, Indiana. ISBN 978-0-13-417547-8. OCLC 927715441. https://www.worldcat.org/oclc/927715441 
  7. ^ Guidelines for creation, selection, and registration of an Autonomous System (AS), RFC 1930, J. Hawkison & T. Bates,March1996

関連項目


ルーティングプロトコル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/26 02:00 UTC 版)

IEEE 802.11s」の記事における「ルーティングプロトコル」の解説

802.11sでは、デフォルト必須ルーティングプロトコル(Hybrid Wireless Mesh Protocol英語版), HWMP)が定義されているが、ベンダーは他のルーティングプロトコルを使用するともできる。HWMPは、オンデマンドアドホックルーティングアプローチとツリーベースのルーティング使用するAODVRFC 3561 )の組み合わせ触発されている。オンデマンドアドホックルーティングの例は、Dynamic Source Routing英語版)およびAssociativity-based routing英語版)である。AODV経路探索およびローカライズされた経路修復アプローチは、Associativity-based Routingと同じである。 先行研究では、これらの様々なルーティングプロトコルが詳細に議論し比較されている。 メッシュSTAは、ネットワーク内の他のデバイス通信するためにメッシュサービスを使用する個々デバイスである。また、802.11アクセスポイント(AP)と連携してメッシュネットワークへのアクセス幅広い市場利用可能802.11ステーション(STA)に提供できるまた、メッシュSTAは、ゲートウェイ役割実装し、1つ上の802.11以外のネットワークへのアクセス提供する802.11ポータル連携できる。両方場合において、802.11sは、エンドポイント外部アドレス認識することを可能にするように、非メッシュ802デバイスアドレス指定サポート提供するためのプロキシメカニズムを提供する。 802.11sには、確定的なネットワークアクセス輻輳制御および省電力のためのフレームワーク提供するためのメカニズム含まれている。

※この「ルーティングプロトコル」の解説は、「IEEE 802.11s」の解説の一部です。
「ルーティングプロトコル」を含む「IEEE 802.11s」の記事については、「IEEE 802.11s」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ルーティングプロトコル」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ルーティングプロトコル」の関連用語

ルーティングプロトコルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ルーティングプロトコルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
アライドテレシス株式会社アライドテレシス株式会社
Copyright(c)2025 Allied Telesis K.K. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのルーティングプロトコル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのIEEE 802.11s (改訂履歴)、ルーティング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS