ルーティングテーブルの増大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 09:20 UTC 版)
「Border Gateway Protocol」の記事における「ルーティングテーブルの増大」の解説
BGPとインターネットインフラが直面している最大級の問題のひとつにインターネットルーティングテーブルの増大が挙げられる。もしインターネットルーティングテーブルが適切な範囲を超えて増大した場合、ルータのルーティングテーブルを維持するためのメモリ要求やCPUの負荷はその能力を超え、インターネットのゲートウェイとしての役割を果たせなくなるだろう。それに加えてルーティングテーブルが巨大化したことによりネットワーク構成に大きな変化があった場合、ネットワークの安定化(上記参照)に相当長い時間かかり、その間ネットワークサービスは全く信頼のできない状態になるか、最悪の場合、全く利用できなくなるだろう。 2001年の後半までグローバルルーティングテーブルは指数関数的に成長しており、それはインターネットへの接続性の維持への脅威となっていた。それに対してグローバルルーティングテーブルをCIDRやルート集約を用いて、なるべく小さく維持するという各ISPによる協調努力があった。その努力の甲斐あってその後数年は線形的成長にとどまった。 ただし、CIDR REPORTによると、2014年8月にはBGPテーブルのサイズが512Kを突破し、基幹業務向けの標準的なルータの処理能力やリソースでは処理しきれなくなってきている。CISCO等の機器メーカーは、対応可能な上位機種にルータを変更したり、設定を変更したりすることを勧告している。 2014年8月12日から北米においてフルルートを扱うBGPルータのルーティングテーブルが溢れたことによるISP間の通信障害が発生した。自律システムの1つであるVerizonの経路集約の設定が失敗し、大量の経路情報が外部に流出したことが原因であった。
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