ルーティッドプロトコルとルーティングプロトコル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 05:55 UTC 版)
「ルーティング」の記事における「ルーティッドプロトコルとルーティングプロトコル」の解説
しばしばルーティッドプロトコルとルーティングプロトコルとを混同する人がいる。 ルーティッドプロトコル(英語版) ネットワークプロトコルのうち、パケットを転送すべきネットワーク層のアドレスについて十分な情報を与えるもの全てを呼ぶ。その情報を用いて、アドレッシングスキームに基づき、あるホストから他のホストにパケットの転送がなされる。Routed protocolはパケットに付加されたフィールドのフォーマットと利用法を定義するものである。パケットは端末から端末へ運ばれる。Internet Protocolが代表である。 ルーティングプロトコル ネットワーク間でルーティング情報を交換するための方法である。このプロトコルによって、ルータは動的にルーティングテーブルを生成することができる。伝統的なインターネットプロトコル(IP)によるルーティングは単純である。というのも、パケットを転送すべき「次の相手(next hop)」を用いているだけで、そこから先の経路については何も考えなくてよいからである。 この動的ルーティングは非常に複雑なものになりうるのだが、インターネットの柔軟性をもたらしているものでもあり、IPが用いられるようになって以来、8桁も規模が大きくなることのできた基盤でもある。 前記したルーティングメトリック routing metric は経路の優劣を比較できれば実はどんなものでもいい。帯域幅(≒データ転送速度)、遅延、ホップ数、経路のコスト、負荷、MTU、信頼性、通信コスト、といったものから求められる。ルーティングテーブルは利用可能な最良の経路を記録するだけだが、リンク状態、あるいはトポロジーのデータベースはそれ以上の情報を持ちうる。 管理上の距離 (Administrative distance) は複数のルーティングプロトコルで、同一の宛先に対し別の経路を最適とした場合、その中から最良のものを選択するのに用いられる値である。この値は、ルーティングプロトコルの信頼性を定義するもので、その値によってプロトコルの優先順位が決まる(値が低い方が一般には優先される)。Preferenceと呼ばれることもある。 他の自律システム (autonomous system, AS) に対するルータの相対的な位置によって、様々な種類のルーティングプロトコルが存在する: アドホックネットワーク (Ad hoc network) ルーティングプロトコル - わずかなインフラで(あるいはインフラなしで)構成されるネットワーク。 Interior Gateway Protocol (IGPs) - 単一の自律システム(AS)内で用いられるルーティングプロトコル。IGRP (Interior Gateway Routing Protocol) EIGRP (Enhanced Interior Gateway Routing Protocol) OSPF (Open Shortest Path First) RIP (Routing Information Protocol) IS-IS (Intermediate System to Intermediate System) Exterior Gateway Protocol (EGPs) - 異なるAS間のルーティングプロトコル。EGP - 以前用いられたインターネットのバックボーンへの接続用プロトコル。 BGP (Border Gateway Protocol - 現行のバージョンはBGPv4。1995年頃採用された。
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