EIGRPとは? わかりやすく解説

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EIGRP

(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 17:49 UTC 版)

EIGRPEnhanced Interior Gateway Routing Protocol)は、シスコシステムズの独自ルーティングプロトコルで、IGRPに緩やかに基づいている。

自律システム (AS) 内のルーティングを行うInterior Gateway Protocol (IGP) の通信プロトコルである。

EIGRPは距離ベクトル型ルーティングプロトコルの拡張版であり、ネットワークトポロジーやルーターの帯域幅や処理能力を変更した後のルーティングの不安定さを最小にするよう最適化している。EIGRPをサポートするルーターは、32ビットのEIGRPメトリック(統計)情報を24ビットのIGRPメトリック情報に変換することで、隣接するIGRPルーター用の情報を自動的に再構築する。ルーティング最適化の多くはSRIの開発した Diffusing Update Algorithm (DUAL) に基づいており、ループフリー運用と高速コンバージェンス(収束)機構を提供している。

基本動作

EIGRPが収集するデータは以下の3つのテーブルに格納される。

隣接テーブル
隣接するルータに関するデータを格納する。隣接するルーターとは、インタフェースが直接連結されていて、直接アクセス可能なルーターである。
トポロジテーブル
名前から誤解されがちだが、ネットワークトポロジーの概要を格納するテーブルではない。むしろ、隣接するルーターから集めたルーティングテーブルに関する情報だけを格納している。EIGRPネットワークにおける送信先ネットワークの一覧と、それぞれのメトリック情報のテーブルである。そして、それぞれの送信先について、サクセサとフィージブルサクセサが(もしあれば)記述してある。ルーティングが安定している送信先は「パッシブ」、ルーティングに変更があり更新中の送信先は「アクティブ」とされている。
ルーティングテーブル
全ての送信先についての実際のルート(経路)を格納している。トポロジテーブルからサクセサ(およびもしあればフィージブルサクセサ)を持つ送信先ネットワークのエントリを取りだして格納している(不等コスト負荷分散を行うには variance コマンドを使う)。サクセサおよびフィージブルサクセサは、その送信先の次のホップのルーターとして機能する。

他の距離ベクトル型プロトコルとは異なり、EIGRPではトポロジテーブルを保守するための定期的なルート更新を行わない。ルーティング情報は新たな隣接ルーターが接続されたときに交換し、その後は変更部分だけを送信する。

複数のメトリック情報

EIGRPでは、各経路ごとに異なる5種類のメトリック情報を持っている。

  • 遅延合計(Total Delay、10μ秒単位)
  • 最小帯域幅(Minimum Bandwidth、kbit/s単位)
  • 信頼性(Reliability、1から255の数値で、255が最も信頼できる)
  • 負荷(Load、1から255の値で、255が最も負荷が高い)
  • 最小MTU(実際には計算で使っていない)

デフォルトでは遅延合計と最小帯域幅だけが使われるが、管理者がそれぞれのメトリック情報の収集を必要に応じて設定できる。

経路を比較するとき、以下のような式にこれらメトリック情報を入れて計算し、複合メトリック値を求める。

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。2024年2月

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