マクスウェルの方程式とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 方式・規則 > 理論・法則 > 理論・法則 > 自然科学の法則 > マクスウェルの方程式の意味・解説 

マクスウェル‐の‐ほうていしき〔‐ハウテイシキ〕【マクスウェルの方程式】


マクスウェルの方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/25 06:38 UTC 版)

マクスウェルの方程式(マクスウェルのほうていしき、: Maxwell's equations、マクスウェル方程式とも)は、電磁場を記述する古典電磁気学基礎方程式マイケル・ファラデーが幾何学的考察から見出した電磁力に関する法則を、1864年ジェームズ・クラーク・マクスウェルによって数学的形式として整理した[1]

日本語ではマクスウェルの名前の表記揺れによりマックスウェルの方程式とも表記される。また、マクスウェル-ヘルツの電磁方程式電磁方程式などとも呼ばれる。

それまでの知られていた法則がマクスウェルの方程式として整理されたことから、電場と磁場の統一(電磁場)、電磁波であることなどが導かれた。

また、アインシュタインは特殊相対性理論の起源はマクスウェルの電磁場方程式である旨を明言している。

マクスウェルが導出した当初の方程式はベクトルの各成分をあたかも互いに独立な量であるかのように別々の文字で表して書かれており、現代の洗練された形式ではなかった。ヘヴィサイド1884年ベクトル解析の記法を用いて書き直した。現在ではヘヴィサイトによる形により知られている。また、ヘヴィサイトは電磁ポテンシャルを消去出来ることも示したが、その意義は直ちには認めらなかった。

ベクトル記法が一般化し始めるのは 1890年代半ばであって、ヘルツの論文ではまだそれを使っていない。いずれにせよ、このベクトル解析の記法の採用はにおける様々な対称性を一目で見ることを可能にし、物理現象の理解に大いに役立った[2]

真空中の電磁気学に限れば、マクスウェルの方程式の一般解は、ジェフィメンコ方程式として与えられる。

電磁気学の単位系国際単位系のほかガウス単位系などがあり、マクスウェルの方程式における係数は単位系によって異なる。以下では原則として国際単位系を用いる。

4つの方程式

マクスウェルの方程式の図示

(微分形による)マクスウェルの方程式は、以下の4つの連立偏微分方程式である。記号「 カテゴリ


マクスウェルの方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 08:26 UTC 版)

磁気単極子」の記事における「マクスウェルの方程式」の解説

ディラックによれば、「磁気単極子存在」を仮定した場合、マクスウェルの方程式は次のうになる。 { ∇ ⋅ B = ρ m ∇ × E = − ( ∂ B ∂ t + J m ) ∇ ⋅ D = ρ e ∇ × H = J e + ∂ D ∂ t {\displaystyle {\begin{cases}{\begin{aligned}\nabla \cdot {\boldsymbol {B}}&=\rho _{\mathrm {m} }\\\nabla \times {\boldsymbol {E}}&=-\left({\dfrac {\partial {\boldsymbol {B}}}{\partial t}}+{\boldsymbol {J}}_{\mathrm {m} }\right)\\\nabla \cdot {\boldsymbol {D}}&=\rho _{\mathrm {e} }\\\nabla \times {\boldsymbol {H}}&={\boldsymbol {J}}_{\mathrm {e} }+{\dfrac {\partial {\boldsymbol {D}}}{\partial t}}\end{aligned}}\end{cases}}} あるいは電磁ポテンシャル使えば次のうになる。(簡単のためローレンツゲージをとる) E = − ∇ ϕ e − ∂ A e ∂ t − 1 ε 0 ∇ × A m H = − ∇ ϕ m − ∂ A m ∂ t + 1 μ 0 ∇ × A e {\displaystyle {\begin{aligned}{\boldsymbol {E}}&=-\nabla \phi _{e}-{\frac {\partial {\boldsymbol {A}}_{\mathrm {e} }}{\partial t}}-{\frac {1}{\varepsilon _{0}}}\nabla \times {\boldsymbol {A}}_{\mathrm {m} }\\{\boldsymbol {H}}&=-\nabla \phi _{m}-{\frac {\partial {\boldsymbol {A}}_{\mathrm {m} }}{\partial t}}+{\frac {1}{\mu _{0}}}\nabla \times {\boldsymbol {A}}_{\mathrm {e} }\end{aligned}}} { ( ∇ 2 − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) ϕ e = − ρ e ε 0 ( ∇ 2 − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) ϕ m = − ρ m μ 0 ( ∇ 2 − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) A e = − μ 0 J e ( ∇ 2 − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) A m = − ε 0 J m {\displaystyle {\begin{cases}{\begin{aligned}\left(\nabla ^{2}-{\dfrac {1}{c^{2}}}{\dfrac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right)\phi _{\mathrm {e} }&=-{\dfrac {\rho _{\mathrm {e} }}{\varepsilon _{0}}}\\\left(\nabla ^{2}-{\dfrac {1}{c^{2}}}{\dfrac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right)\phi _{\mathrm {m} }&=-{\dfrac {\rho _{\mathrm {m} }}{\mu _{0}}}\\\left(\nabla ^{2}-{\dfrac {1}{c^{2}}}{\dfrac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right){\boldsymbol {A}}_{\mathrm {e} }&=-\mu _{0}{\boldsymbol {J}}_{\mathrm {e} }\\\left(\nabla ^{2}-{\dfrac {1}{c^{2}}}{\dfrac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right){\boldsymbol {A}}_{\mathrm {m} }&=-\varepsilon _{0}{\boldsymbol {J}}_{\mathrm {m} }\end{aligned}}\end{cases}}} 磁気単極子陽子10 16 {\displaystyle 10^{16}} 倍程度質量持ち磁気単極子磁荷 g {\displaystyle g} は次式で表されるg = n h e {\displaystyle g={\frac {n\mathrm {h} }{\mathrm {e} }}} ここで h {\displaystyle \mathrm {h} } はプランク定数、 e {\displaystyle \mathrm {e} } は素電荷、 n {\displaystyle n} は任意の整数である。またこの関係式を「ディラック量子化」と呼ぶ。 このとき磁荷 g {\displaystyle g} が電磁場から受ける力 F {\displaystyle F} は F = g ( H − v × D ) {\displaystyle {\boldsymbol {F}}=g({\boldsymbol {H}}-{\boldsymbol {v}}\times {\boldsymbol {D}})} と書ける。

※この「マクスウェルの方程式」の解説は、「磁気単極子」の解説の一部です。
「マクスウェルの方程式」を含む「磁気単極子」の記事については、「磁気単極子」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マクスウェルの方程式」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「マクスウェルの方程式」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



マクスウェルの方程式と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マクスウェルの方程式」の関連用語

1
電磁方程式 デジタル大辞泉
100% |||||










マクスウェルの方程式のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マクスウェルの方程式のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマクスウェルの方程式 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの磁気単極子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS