カルツァ=クライン理論
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一般相対性理論 |
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標準模型 |
カルツァ–クライン理論(カルツァクラインりろん、Kaluza–Klein theory、KK理論)は、重力と電磁気力を統一するために五次元以上の時空を仮定する理論である。理論物理学者のテオドール・カルツァが1921年に提唱し、1926年にオスカル・クラインが修正した。
概要
通常の4次元時空(縦、横、高さ、時間)にもうひとつ、超微細な円形で存在する余剰時空を設定した5次元時空上での一般相対性理論(重力)を考えると、余剰次元が見えなくなり、4次元時空とみなせるスケールでは、重力に加えて電磁気力(ゲージ場)が現れる。4次元では別々の力として扱われていた重力と電磁気力が、5次元時空の重力に統一されるわけである。 これをさらに高い次元に拡張すると、余剰次元の性質により、非可換ゲージ場を導入することも可能である。
超弦理論では、理論が無矛盾に定義される条件として10次元時空が要請されるため、カルツァとクラインのこの考え方を応用して余分な6次元空間がプランクスケール程度の大きさであると考えることにより、4次元時空上の理論を導出しているが、6次元のみが小さくなる機構は明らかになっていない。
歴史


カルツァ=クライン理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 03:44 UTC 版)
詳細は「カルツァ=クライン理論#歴史」を参照 超弦理論は10次元時空でのみ理論が定式化されるため、超弦理論に基づいた多くのモデルでは、現実の4次元時空を導くために「カルツァ=クライン理論」のアイデアを応用している。 1919年、テオドール・カルツァは5次元時空上での一般相対性理論(重力)を、4次元時空では、マクスウェル方程式(電磁気力)を考えるという理論のイデアをアルベルト・アインシュタインへの手紙の中で明らかにした。論文はしばらくアインシュタインの机の中にあったが、その後アインシュタインの助力を得て1921年に発表された。 1926年になって、オスカル・クラインがカルツァの理論を修正して五次元時空の理論に余剰次元を非常に小さなスケールに折りこむというコンパクト化の理論を組み込んだ理論を発展させ、カルツァ=クライン理論として知られるようになった。
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