万物の理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/26 02:34 UTC 版)
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万物の理論(ばんぶつのりろん、英: Theory of Everything; ToE)とは、自然界に存在する4つの力、すなわち電磁相互作用・弱い相互作用・強い相互作用・重力を統一的に記述する理論(統一場理論)の試みである。
四つの力の中、電磁気力と弱い力はワインバーグ・サラム理論(電弱理論)によって電弱力という形に統一されている。電弱相互作用と強い力を統一的に記述する理論は大統一理論(英: Great Unification Theory; GUT)と呼ばれ、現在も研究が進められている。最終的には重力も含めた全ての力を統一的に記述する理論が考えられ、これを万物の理論または超大統一理論(英: Super Unification Theory; SUT)という。
宇宙のあらゆる物理的事象を首尾一貫かつ完全な形で説明できる理論的枠組みは存在するか。 | ![]() |
万物の理論の候補
現在、全ての力を統一した理論、すなわち「万物の理論」となりうる可能性を秘めている理論として超弦理論がある。具体的な超弦理論として、5種類のモデルが数学的に可能であることが知られている。そして5つのモデルを11次元時空の理論である「M理論」なるもので統一しようという試みが、プリンストン高等研究所で研究中のエドワード・ウィッテンを初めとする、世界中の理論物理学者たちでなされている。M理論の場合、素粒子はひもではなく二次元の膜として扱われる。
この理論が完成すれば、素粒子のあらゆる性質が説明できるばかりか、宇宙(=時間と空間)が誕生し、消滅する様子さえも理解できる、究極の物理理論になると期待されている。
万物の理論に関する未解決問題と課題
現在ある加速器の出力
万物の理論を作るには、加速器でプランクエネルギーを生み出し、超弦理論を検証する必要がある。しかし、世界で最も出力の高い 大型ハドロン衝突型加速器(LHC)でさえ、プランクエネルギーの約千兆分の一のエネルギーしか生み出すことができない。[1]
超対称性粒子の発見
現在までのところ、超対称性粒子の発見には至っていない。発見に至っていない理由として、超対称性粒子が通常の粒子と比べて非常に重く、加速器での生成が難しいからだとされている。LHCならば、超対称性粒子の発見が可能だと期待されている。
出典
- ^ 『神の方程式 「万物の理論」を求めて』NHK出版、4/30。
参考文献
- 二間瀬敏史『図解雑学 素粒子』、ナツメ社
- 戸塚洋二『素粒子物理』、岩波書店
- 九後汰一郎『ゲージ場の量子論1、2』、培風館
- 藤川和男『ゲージ場の理論』、岩波書店
- S. Weinberg著、青山秀明、 有末宏明共訳『場の量子論1-4』、吉岡書店
- デイヴィッド・チャーマーズ『意識する心』166頁、白揚社 ISBN 4-8269-0106-2
- ミチオ・カク 『神の方程式 「万物の理論」を求めて』、NHK出版
関連項目
万物の理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 14:31 UTC 版)
「標準模型を超える物理」の記事における「万物の理論」の解説
詳細は「万物の理論」を参照 理論物理学は万物の理論、つまり全ての既知の物理現象を完全に説明し結びつけ、実行可能なあらゆる実験の結果を原理的に予測することができる理論を目指している。実際的にはこの点に関する当面の目標は量子重力理論において標準模型と一般相対性理論を統一する理論を作り出すことである。どちらか一方の理論の概念的欠陥を克服したり、粒子の質量を正確に予測できるような付加的な特徴が望まれる。このような理論をまとめる際の課題は概念的なものだけではなく、新奇な領域を探るためには非常に高いエネルギーが必要であるという実験的側面における課題もある。 この方向の注目すべき試みとして、超対称性、ループ量子重力理論、ひも理論などがある。
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