万物の量子重力理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 16:00 UTC 版)
「フランク・ティプラー」の記事における「万物の量子重力理論」の解説
Reports on Progress in Physics に2005年に掲載された論文で、ティプラーは1962年にリチャード・P・ファインマンが発見して以来、スティーヴン・ワインバーグや Bryce DeWitt らが独自に発見しており、正しい量子重力理論が存在し続けていると主張している。しかし、ティプラーによればこれらの物理学者は、有限個の項からなる方程式を探していたため、一貫性を保つためにより高次の項数を必要とする性質上唯一の量子重力理論を捨てた。ティプラーは「彼らは正しい量子重力理論が一貫するのは、ある境界条件が与えられたときだけであるということを分かっていなかった…」と書いている(境界条件とは、最初のビッグバンと最後のオメガ点、宇宙論的特異点を含む)。ティプラーは、この量子重力理論の方程式は項ごとに有限だが、各項を有限とする機構によって項の列全体は無限になるとした(すなわち、違った形で無限が時空に存在すれば、それは時空を不安定にし、さらに宇宙論的特異点に転送され、それによって宇宙が非存在へと直ちに崩壊することを防止する)。ティプラーは「これ(無限級数)が我々にできる最善のことだという事実は数学的根本原理である。… これは複素解析におけるリウヴィルの定理 (解析学)(定数関数以外の全ての解析関数は、座標の原点から有限の距離か無限遠のどちらかに特異点を持つ)にも似ている」と書いている。 上述の論文でティプラーは、上述の量子重力理論と拡張標準模型を統合することで、物理学における全ての力を統合する正しい万物の理論 (TOE) を形成すると主張している。 ティプラーの論文は、Reports on Progress in Physics(2005年 [Vol. 68])に掲載された50の論文の中で、12本の "Highlights of 2005"(優秀論文)の1つに選ばれた。この選定は編集委員会の厳しい審査によるものである。Reports on Progress in Physics はイギリス物理学会の主要な学会誌である(Journal Citation Reports のインパクトファクターによる)。
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