世界線
英語:worldline
「世界線」とは、通俗的には、いわゆるパラレルワールド(並行世界)のこと、および、パラレルワールドの存在を念頭においた現実の時空のこと、の意味で用いられることのある表現である。
言い換えれば、俗にいう「世界線」は「もしもの世界」あるいは「もしもの世界ではない現実の世界」を端的に指すための表現である。
「世界線」本来は物理学の用語である
「世界線(world line)」は、そもそもは、相対性理論において「粒子が四次元の時空間上を辿る軌跡」という概念を指す用語である。「世界線」はパラレルワールドを指す表現として使いやすい
「パラレルワールド」は、SF(サイエンスフィクション)において定番の概念となっている、「ある時点で時間軸が分岐した並行時空」という仮説を指す用語である。日本語では「並行世界」ともいう。パラレルワールドの「他の時間軸」というイメージを念頭に置くと「あり得る時空(世界)」を指し示す表現として「世界線」は使い勝手がよい。
パラレルワールドを「世界線」と表現した主な人物
「世界線」という表現を昨今の「パラレルワールド」を指す意味で使い始めた最初の人物は特定しがたい。(おそらく多数いるであろう)現代日本で「世界線=パラレルワールド」という認識が根付くに至った主な契機と考えられる人物はいくつかに絞られる。
ジョン・タイター
2000年代初頭にインターネット上に現れた「自称・未来人」のジョン・タイター(John Titor)は、「世界線(worldline)」という表現を用いた人物のひとりである。例えばオンライン掲示板でジョン・タイターが書き込んだとされる文章の中には、次のようなくだりがある。
- I have met and/or seen myself twice on different worldlines. The first was a training mission and the second is now.
私は異なる世界線で2度、自分自身に会ったり、見たりしたことがある。一度目はトレーニング・ミッションで、二度目は今だ。 - I was born in 1998 so the other "me" is 2 on this worldline.
私は1998年生まれなので、もう一人の 「私」はこの世界線では2歳だ。
(出典: http://www.johntitor.com )
シュタインズゲート
「STEINS;GATE」(シュタインズゲート)は、2000年代終盤にリリースされたゲームソフトのタイトルである。略して「シュタゲ」。2011年にはアニメ化もされている。「STEINS;GATE」は、タイムマシンが実現された現代日本を舞台とし、過去に干渉して惨劇を回避することを目的とする、アドベンチャーゲームである。同作では「干渉を受けて改変された時間軸」を「世界線」と呼んでいる。
同作品の異例ともいえるヒットにより、「世界線」という用語はある方面には広く普及したと考えられる。
なお「STEINS;GATE」の舞台は2000年代なかば当時の秋葉原界隈およびネット文化をかなり具体的に再現しており、ジョン・タイターも作中に登場する。
Official髭男dism「Pretender」
Official髭男dism(通称ヒゲダン)が2019年にリリースしたシングル曲「Pretender」の歌詞中に「世界線」という表現が登場する。もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった (歌詞より抜粋)
「Pretender」はヒゲダンの第2弾シングルであり、映画主題歌に起用され、2023年にはBillboard JAPANが「史上4曲目のストリーミング累計8億回再生突破」を発表するほどの歴史的ヒット作となった。同曲を通じて「世界線」という言葉が世間のあらゆる層に浸透したということは十分に考え得る。
なお「Pretender」の作詞にあたっては「STEINS;GATE」の世界観に影響を受けたと作詞者が公言している。
世界線
世界線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:16 UTC 版)
「STEINS;GATEの用語一覧」の記事における「世界線」の解説
過去から未来までを含んだ1通り世界の歴史。様々な可能性が重ね合わせになっており完全に決定論的ではないが、別の過程を経ても収束と呼ばれる現象により場合によっては奇跡的な偶然が起こるなどして決まった結果に行き着く。他の歴史の可能性も可能性世界線として存在していて、なんらかの事態で歴史が変わるようになればそれに沿った別の世界線の世界へと再構成される。そのため、可能性が存在しているだけでパラレルワールドは存在せず、世界は常に1つのみとされる。
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世界線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 23:39 UTC 版)
物理学用語。四次元において時空座標で表せられる質点の連続をつなげ、線にしたもの。
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