ひょうほんか‐ていり〔ヘウホンクワ‐〕【標本化定理】
標本化定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/03 03:04 UTC 版)
標本化定理(ひょうほんかていり、英: sampling theorem)またはサンプリング定理は、連続的な信号(アナログ信号)を離散的な信号(デジタル信号)へと変換する際に元の信号に忠実であるにはどの程度の間隔で標本化(サンプリング)すればよいかを示す、情報理論の定理である。
概要
標本化定理は、元の信号をその最大周波数の2倍を超えた周波数で標本化すれば完全に元の波形に再構成されることを示す。
標本化とは、数学的には連続関数の値からある点の値だけを標本として取り出して離散関数に変換する操作であり、与えられた連続関数 g と標本化関数 δ の積を求めることと等しい。標本化関数 δ とは、ある離散値(連続でない、飛び飛びの値)x に対してのみ δ(x) = 1 となり、その他の x に対しては δ(x) = 0 となるような関数である。対象となる原関数 g(x) と標本化関数 δ(x) の積を取ると、関数 なお、アナログ信号からデジタル信号への変換については、標本化のほかに量子化が必要である。
標本化定理は、フーリエ級数を用いると簡単に証明することができる。
理想的な標本化パルス列s(t)は、Tをサンプリング周期とし、デルタ関数標本化定理の証明
標本化定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 07:42 UTC 版)
ナイキスト・シャノンの標本化定理により、エイリアスを生じさせないために必要な標本点の数は、信号の時間周波数分布の面積と等しいことが言える(これは実際には近似である。任意の信号の時間周波数面積は実際には無限大である)。標本化定理を時間周波数分布と組み合わせる前と後についての例を以下に示す。 時間周波数分布を適用すると標本点の数が減ることは特筆に価する。 ウィグナー分布関数を用いた場合、交叉項(干渉とも)の問題がありうる。一方、ガボール変換を用いた場合表現の鮮明さと可読性が向上し、したがって信号の解釈および実践的問題への応用可能性も向上する。 結果として、単一成分から成る信号を標本化する場合にはウィグナー分布関数が用いられ、複数の成分から成る信号に対してはガボール変換やガボール・ウィグナー分布関数などの干渉が抑えられる時間周波数分布が用いられる。 バリアン・ロウの定理(英語版)はこのことを定式化しており、必要最低限の時間周波数標本数を与える。
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