DNSとは? わかりやすく解説

DNS

別表記:ディーエヌエス

「DNS」とは・「DNS」の意味

DNSは、インターネット通信を行う際に使用されるシステムの名前を表したり、スポーツ分野において「欠場」「事前棄権」を表す言葉として使用される

#インターネット通信関連の意味
domain name system」を略して、「DNS」となる。IPアドレスドメイン名結び付けるという、インターネット通信では非常に重要な役割持った管理システムだ。パソコンスマートフォンなどのコンピュータ端末には、識別するためのIPアドレス割り振られている。そのIPアドレスは、インターネット上住所として機能するインターネット上にあるあらゆるデータは、IPアドレス頼り送られる。したがってインターネット使用する上でIPアドレス必須である。

そして、webサイト同様にIPアドレス割り振られている。webサイトには、IPアドレス頼りアクセスすることとなる。ただ、IPアドレスは、数字羅列である。そのため、サイトごとのIPアドレス記憶しておくことは難しい。また、IPアドレス記録しておく場合でも、数ある中から任意のサイトIPアドレスを見つけるのは困難である。よって、大抵のwebサイトは、ドメイン名使用している。ドメイン名は、webサイトの名前であり、urlにも使用されるインターネットアクセスするソフトやアプリドメイン名入力すれば任意のサイト辿り着くことができる。ドメイン名は、表記IPアドレスよりもわかりやすく記憶識別容易だ

ただ、ドメイン名使用する場合でも、アクセスの元となるのはIPアドレスである。そのため、IPアドレスドメイン名結び付けなければならない。そこで必要となるのが、DNSである。DNSがIPアドレスドメイン名結び付けておくことで、ドメイン名入力された際に、IPアドレス辿って任意のwebサイトアクセスできる。もし、DNSがなければIPアドレスドメイン名には繋がり生まれず、ドメイン名入力してサイトにはアクセスできない。よって、webサイトドメイン名使用するであれば、DNSは欠かせない

また、webサイトIPアドレスは、頻繁に変更されることがある。そのため、IPアドレス元にアクセスする場合、古いIPアドレスではアクセスができなくなる恐れがある。DNSを導入していれば、IPアドレス変わったとしても、新しIPアドレスドメイン名を結びつけさえすれば既存ドメイン名問題なくアクセス可能だ。よって、IPアドレス変更原因で、アクセスができなくなるということにはならない

DNSの機能は、DNSサーバーから提供されるDNSサーバーには、IPアドレスドメイン名情報記録されている。webサイトでのアクセス時にドメイン名入力されると、それに対応したIPアドレスDNSサーバーの中から探し出される。それを名前解決と呼ぶ。

DNSサーバーには、ネームサーバ―とキャッシュサーバーの2通りがある。ネームサーバ―は、IPアドレスドメイン名情報記録してあるものだ。そして、キャッシュサーバーには、ドメイン名元にIPアドレス探す役割がある。キャッシュサーバー複数ネームサーバ―を渡り歩きIPアドレスドメイン名情報を見つける形だ。その一連の流れが、名前解決である。また、キャッシュサーバーには、名前解決記録一時的に保管する機能もある。その記録元にすることで、同じ名前解決流れスムーズに行われる

#スポーツ分野関連の意味
do not start」あるいは「did not start」を略して「DNS」となる形だ。競技始めることができない、またはできなかったという意味である。DNSは主にマラソンなど、陸上競技スポーツ使用されることが多い。ただ、陸上限らずスポーツであれば種類に関係なくDNSを使用して問題はない。モータースポーツ水泳競技などでも、しばしばDNSが使用される

スポーツでのDNSは、選手コース記載したスタートリスト、競技場での掲示板などで使用されることが多い。欠場した選手の横に、DNSと表記されるまた、スポーツ選手コーチが、「DNSする」という表現をすることもよくある。さらに、メディアでも、「選手がDNSした」という風に表現される場合がある。

スポーツにおけるDNSは、全般的な欠場を指す。欠場する理由としては、スポーツ選手コンディション良くなかったり、予想外怪我をしたりすることなどが考えられるまた、スポーツ競技によっては、戦略棄権することもあるだろう。その他に何らかの理由遅刻した結果欠場になる場合もある。そういったものも含めて欠場全てDNSとして扱われる欠場理由によって、使用する言葉がDNSから変わることはない。

そして、DNSはあくまでも事前に棄権することを指す。スポーツ選手競技始めることができた場合は、棄権したとしてもDNS扱いにはならない途中棄権場合は、「do not finish」「did not finish」を略したdnf」を使用するまた、スポーツでは、失格意味するDSQ」「DQ」という用語がある。失格意味する英単語disqualified」を略した用語だ。このDSQあるいはDQは、競技途中失格を指す。スポーツには、出場手続き不備があるなどで、事前に失格になってしまう場合がある。その場合は、DSQDQではなく事前失格によるDNSとして扱われる

「DNS」の熟語・言い回し

DNS設定とは


DNS設定とは、IPアドレスドメイン名結び付けるために必要な設定のことである。DNSのネームサーバ―にアクセスし、IPアドレス結びつけるドメイン名指定する。そして、複数ネームサーバ―を使用できる場合、DNS設定サーバー指定することも可能だ。さらに、キャッシュサーバーが、名前解決記録を、どれだけの期間保管するかを指定できることも多い。

DNSエラーとは


DNSエラーとは、IPアドレスドメイン名が、結びついていな時に発生するエラーである。DNSエラー発生すると、ドメイン名入力しても、指定したwebサイトアクセスできない態となる。DNSエラー原因複数あり、ひとつはインターネット回線遮断されていることだ。DNSサーバーアクセスすることができず、DNSエラーとなる。本来は、回線接続されていないという表示となるはずであるが、DNSエラーという表示になることは珍しくない

また、wi-fiルータなどで、ネットワーク回線共有状態になっている場合にも、DNSエラー発生しやすい。複数端末で同じ回線使用する場合IPアドレス自動割り振る機能用いる。その割り振り機能ミスが出る形だ。端末正しIPアドレス与えられないため、ドメイン名との結び付けもできなくなりエラーとなる。

さらに、DNSサーバー側のトラブルで、エラー発生することもある。多いのは、DNSサーバーへのアクセス増えすぎて、スムーズに名前解決できないパターンだ。また、DNSサーバー攻撃を受け、機能しなくなった場合にも、DNSエラー発生する

DNS変更とは


DNS変更とは、利用するDNSを変えることである。DNSは、インターネットサービスプロバイダ提供しているサービス利用する場合が多い。そのプロバイダ変えることが、DNS変更をすることと同義となる。また、DNS設定で、使用するDNSサーバー変えることを、DNS変更と呼ぶ場合もある。

プライベートDNSとは


プライベートDNSとは、インターネットサービスプロバイダ提供するDNSではなくインターネット回線利用する者が独自で用意するDNSのことである。基本的には、企業教育機関など限られた範囲内でインターネット回線使用する場合に、プライベートDNSを使用するプライベートDNSでは、DNSサーバー独自のもの用意することになる。そのサーバーアクセスするIPアドレスを、制限できるのが強みである。

duck DNSとは


duck DNSとは、無料利用できるダイナミックDNSサービスのことである。ダイナミックDNSサービスは、定期的にDNSサーバー確認を行うことで、頻繁にIPアドレス変わったとしても、特定のドメイン名と結びつけられるサービスだ。duck DNSは本来、固定されIPアドレス持たない人が、ドメイン名維持できるという、健全なサービスである。しかし、無料数多くドメイン名作れてしまうので、悪用目的使い捨てドメイン名作るために利用されることも珍しくはない。

ディー‐エヌ‐エス【DNS】


ディー‐エヌ‐エス【DNS】

読み方:でぃーえぬえす

did not start運動競技などで、欠場の意を表す略号。→ディー‐エヌ‐エフDNF


DNS

【英】Domain Name System
別名:ドメイン・ネーム・システム

IPインターネット・プロトコルアドレスは、4つ10進数羅列構成255.255.255.255など)されているので、人間には覚えににくい。そこでこれを「www.jericho-group.co.jp」などの名前に置き換えるのがドメイン・ネーム・システム

ドメインネームサーバ


Dns クラス

単純なドメイン名解決機能提供します

名前空間: System.Net
アセンブリ: System (system.dll 内)
構文構文

解説解説
使用例使用例

DNS データベースホスト www.contoso.com についての情報照会する例を次に示します

Dim hostInfo As IPHostEntry = Dns.GetHostByName("www.contoso.com")
IPHostEntry hostInfo = Dns.GetHostByName("www.contoso.com");
   
IPHostEntry^ hostInfo = Dns::GetHostByName( "www.contoso.com" );
IPHostEntry hostInfo = Dns.GetHostByName("www.contoso.com");
継承階層継承階層
System.Object
  System.Net.Dns
スレッド セーフスレッド セーフ
この型の public static (Visual Basic では Shared) メンバはすべて、スレッド セーフです。インスタンス メンバ場合は、スレッド セーフであるとは限りません。
プラットフォームプラットフォーム
バージョン情報バージョン情報
参照参照

Dns メソッド


パブリック メソッドパブリック メソッド

( プロテクト メソッド参照)
  名前 説明
パブリック メソッド BeginGetHostAddresses 指定したホストインターネット プロトコル (IP) アドレス非同期的に返します
パブリック メソッド BeginGetHostByName 指定した DNS ホスト名についての IPHostEntry 情報非同期要求開始します
パブリック メソッド BeginGetHostEntry オーバーロードされますホスト名または IP アドレス非同期的に IPHostEntry インスタンス解決します
パブリック メソッド BeginResolve 非同期要求開始して DNS ホスト名または IP アドレスIPAddress インスタンス解決します
パブリック メソッド EndGetHostAddresses DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド EndGetHostByName DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド EndGetHostEntry DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド EndResolve DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド Equals  オーバーロードされます2 つObject インスタンス等しかどうか判断します。 ( Object から継承されます。)
パブリック メソッド GetHashCode  特定の型のハッシュ関数として機能します。GetHashCode は、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルのようなデータ構造での使用適してます。 ( Object から継承されます。)
パブリック メソッド GetHostAddresses 指定したホストインターネット プロトコル (IP: Internet Protocol) アドレス返します
パブリック メソッド GetHostByAddress オーバーロードされますIP アドレスの DNS ホスト情報取得します
パブリック メソッド GetHostByName 指定した DNS ホスト名の DNS 情報取得します
パブリック メソッド GetHostEntry オーバーロードされますホスト名または IP アドレスIPHostEntry インスタンス解決します
パブリック メソッド GetHostName ローカル コンピュータホスト名取得します
パブリック メソッド GetType  現在のインスタンスType取得します。 ( Object から継承されます。)
パブリック メソッド ReferenceEquals  指定した複数Object インスタンス同一かどうか判断します。 ( Object から継承されます。)
パブリック メソッド Resolve DNS ホスト名または IP アドレスIPHostEntry インスタンス解決します
パブリック メソッド ToString  現在の Object を表す String返します。 ( Object から継承されます。)
プロテクト メソッドプロテクト メソッド
参照参照

関連項目

Dns クラス
System.Net 名前空間

Dns メンバ

単純なドメイン名解決機能提供します

Dns データ型公開されるメンバを以下の表に示します


パブリック メソッドパブリック メソッド
( プロテクト メソッド参照)
  名前 説明
パブリック メソッド BeginGetHostAddresses 指定したホストインターネット プロトコル (IP) アドレス非同期的に返します
パブリック メソッド BeginGetHostByName 指定した DNS ホスト名についての IPHostEntry 情報非同期要求開始します
パブリック メソッド BeginGetHostEntry オーバーロードされますホスト名または IP アドレス非同期的に IPHostEntry インスタンス解決します
パブリック メソッド BeginResolve 非同期要求開始して DNS ホスト名または IP アドレスIPAddress インスタンス解決します
パブリック メソッド EndGetHostAddresses DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド EndGetHostByName DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド EndGetHostEntry DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド EndResolve DNS 情報非同期要求終了します
パブリック メソッド Equals  オーバーロードされます2 つObject インスタンス等しかどうか判断します。 (Object から継承されます。)
パブリック メソッド GetHashCode  特定の型のハッシュ関数として機能します。GetHashCode は、ハッシュ アルゴリズムや、ハッシュ テーブルのようなデータ構造での使用適してます。 (Object から継承されます。)
パブリック メソッド GetHostAddresses 指定したホストインターネット プロトコル (IP: Internet Protocol) アドレス返します
パブリック メソッド GetHostByAddress オーバーロードされますIP アドレスの DNS ホスト情報取得します
パブリック メソッド GetHostByName 指定した DNS ホスト名の DNS 情報取得します
パブリック メソッド GetHostEntry オーバーロードされますホスト名または IP アドレスIPHostEntry インスタンス解決します
パブリック メソッド GetHostName ローカル コンピュータホスト名取得します
パブリック メソッド GetType  現在のインスタンスType取得します。 (Object から継承されます。)
パブリック メソッド ReferenceEquals  指定した複数Object インスタンス同一かどうか判断します。 (Object から継承されます。)
パブリック メソッド Resolve DNS ホスト名または IP アドレスIPHostEntry インスタンス解決します
パブリック メソッド ToString  現在の Object を表す String返します。 (Object から継承されます。)
プロテクト メソッドプロテクト メソッド
参照参照

関連項目

Dns クラス
System.Net 名前空間

DNS

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

4,4′‐ジニトロスチルベン‐2,2′‐ジスルホン酸

分子式C14H10N2O10S2
その他の名称DNS、2,2'-(1,2-Ethenediyl)bis(5-nitrobenzenesulfonic acid)、4,4'-Dinitro-2,2'-stilbenedisulfonic acid、DNDS、4,4'-Dinitro-2,2'-disulfostilbene、2,2'-Vinylenebis(5-nitrobenzenesulfonic acid)
体系名:4,4'-ジニトロスチルベン-2,2'-ジスルホン酸、2,2'-(1,2-エテンジイル)ビス[5-ニトロベンゼンスルホン酸]、4,4'-ジニトロ-2,2'-スチルベンジスルホン酸、2,2'-(1,2-エテンジイル)ビス(5-ニトロベンゼンスルホン酸)、4,4'-ジニトロ-2,2'-ジスルホスチルベン、2,2'-ビニレンビス(5-ニトロベンゼンスルホン酸)


Domain Name System

(DNS から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/06 02:26 UTC 版)

ドメインの階層構造

Domain Name System(ドメイン・ネーム・システム、DNS)とは、コンピュータネットワーク上のホスト名電子メールのアドレスに使われるドメイン名と、IPアドレスとの対応づけ(正引き逆引き)を管理するために使用されているシステムである。後述の通りインターネットのシステムとして開発されているが、インターネットに限定したシステムではなく、それ以外のネットワークでも応用できる。

1983年に、インターネットを使った階層的な分散型データベースシステムとして、Information Sciences Institute(ISI)のポール・モカペトリスジョン・ポステルにより開発された[1]

インターネットに接続されているすべてのコンピュータは、固有のIPアドレスを持っている。インターネット上のコンピュータにアクセスするためには、そのコンピュータの IPアドレスを知る必要がある。しかし、IPアドレスは0から255までの数値を4つ組み合わせ(IPv4の場合)で表現されるため、人間には記憶しにくい。そのため、IPアドレスを文字列で扱うことができるような機構として、インターネットドメイン名が考案された。そして、ドメイン名からIPアドレスを引き出す機能(正引き)が、DNSの代表的な機能である。このほか、ドメイン名に関連するメールサーバ情報なども取り扱っている。

動作

DNSは、ホスト名(たとえばja.wikipedia.org)の入力に対して、DNSサーバと呼ばれるコンピュータを参照し、そのホストが持つIP アドレス(たとえば130.94.122.197)を検索するシステムである。喩えるならば、DNSは「(決して重複しないよう制限されて名付けられた前提での)氏名」から電話番号を自動で調べる電話帳である。

たとえば、ウェブブラウザURIを入力してネットワークにアクセスする際、ブラウザはURIを解析して、アクセスすべきWebサーバのホスト名を取り出し、後述のリゾルバAPIに渡す。リゾルバAPI(通常はOS内部での働き)は、Webサーバのホスト名をDNSサーバに問い合わせて返ってきたIPアドレスにより、ホスト名をIPアドレスに変換してブラウザに返す。ブラウザは、得られたIPアドレスを使用して、Webサーバとの通信を開始する。このようにしてブラウザはインターネットにアクセスする。

ホスト名から、そのホストにアクセスするためのIPアドレスを得ることを、ホスト名の「解決」(resolve)と呼び、これを行うためのクライアント側のしくみやプログラムを「リゾルバ」(resolver)または「ネームリゾルバ」という。

DNSに格納されている情報を「レコード」(DNSレコード、リソースレコード)と呼ぶ。レコードは格納する情報によって種類が分類分けされている。レコードの種類は「DNSレコードタイプの一覧」を参照。

この情報は、インターネット上のいくつものコンピュータ(DNSサーバ)に分散して格納されている。インターネットには莫大な数のコンピュータが接続されており、これらのホスト名と IPアドレスは日々更新されつづけているため、インターネット上のすべてのホスト名を一台のコンピュータで集中管理することは現実的ではなかった。そのためインターネット上のコンピュータをある単位で区分けして、それぞれのグループがもつデータをグループごとのコンピュータに別々に管理させるようにした。これが DNS の基本的なアイデアである。このグループをドメインと呼ぶ。各グループには英数字とハイフン( - )からなるラベル(ドメイン名)がつけられており、異なるドメインの情報は異なるコンピュータに格納される。

今でこそDNSはホスト名とIPアドレスの対応づけに使用されるのがほとんどだが、もともとは電子メールの配送方法やコンピュータの機種名を登録するなどといった用途も考えられていた。

ドメイン名は階層的な構造をもっている。たとえばja.wikipedia.orgというホスト名はjawikipediaorgという3つの階層に区切ることができる。ja.wikipedia.orgというホストはwikipedia.orgドメインに所属しており、このドメインはさらにorgドメインに所属している。ドメイン名は一個の巨大な木構造をなしており、この構造をドメイン名前空間(Domain Name Space)と呼ぶ。ドメイン名前空間は頂点に.(ルート)ノードを持ち、そこから.com.org.jp などの各トップレベルドメイン(TLD)が分かれている。

各ドメインはゾーンと呼ばれる管轄に分けて管理されている。ゾーンはドメイン名前空間上のある一部分に相当し、それぞれのゾーンは独立したDNSコンテンツサーバと呼ばれるコンピュータによって管理されている(ドメイン名の委譲)。DNSコンテンツサーバは、管理しているゾーンのホスト名とIPアドレスの組を記述したデータベースを持っており、クライアントマシン(あるいはDNSキャッシュサーバ)からの要求に応じて、あるホスト名に対応するIPアドレスを返す。DNSクライアントはルートサーバからいくつものDNSサーバをたどっていき、最終的なホスト名のIPアドレスを得る(DNSの再帰検索)。

DNSサーバの役割

具体的な例として、ja.wikipedia.orgというホスト名の IPアドレスを検索することを考えると、再帰検索は、トップレベルドメインルートサーバに問い合わせることからはじまる。ja.wikipedia.orgというホスト名はwikipedia.orgドメインに属し、またwikipedia.orgドメインはorgドメインに属するため、クライアントは最初にorgドメインのDNSサーバ(ネームサーバ)のIPアドレスを得なければならない。

まず、クライアントは適当なルートサーバをひとつ選ぶ。ここでは A.ROOT-SERVERS.NET198.41.0.4)とする。現在[いつ?]ルートサーバに登録されているorgドメインのネームサーバは9つあり、そのうちのひとつはa7.nstld.com192.5.6.36)である。

つぎにクライアントは、このネームサーバにwikipedia.orgドメインのネームサーバの IPアドレスを問い合わせる。するとそのネームサーバのホスト名はdns34.register.com216.21.226.87)であることがわかる。

最後に、このネームサーバにja.wikipedia.orgのIPアドレスを問い合わせる。するとこのサーバは最終的な答130.94.122.197を返す。こうして目的とするホスト名のIPアドレスを検索できる。

権威サーバとキャッシュサーバ

DNSはデータを分散して保持する多数の権威DNSサーバと、キャッシュサーバからなる。authoritativeネームサーバ(「権威DNSサーバ」[2]、「権威あるDNS」[3]とも)は自らが担当する一定の範囲のドメイン名の名前解決を内部のデータベースを使って行い、その結果のIPアドレスを送り返す[2]。キャッシュDNSサーバは権威DNSサーバの回答結果を一定期間保存して代わりに回答する機能を持ち、権威DNSサーバの負荷を分散する[4]

DNS over HTTPS (DoH) / DNS over TLS (DoT)

DNS over HTTPS (DoH)は、リゾルバとのDNSクエリのやり取りをHTTPS上で行う[注 1]ことで、セキュリティとプライバシーを向上させる。これは RFC 8484 で定義され、MIMEタイプとしてapplication/dns-messageを使う。

DNS over TLS(DoT)は、TLSプロトコルを介してリゾルバとのDNSクエリをやり取りする。効果はDoHと同様である。

存在意義

DNSは、ほとんどのインターネット利用者が普段意識していない透過的なシステムだが、その役割は非常に重要である。あるドメインを管理しているDNSサーバが停止してしまうと、そのドメイン内のホストを示すURLメールアドレスの名前解決などができなくなり、ネットワークが利用者とつながっていてもそのドメイン内のサーバ類には事実上アクセスできなくなる。そのため、重要なDNSサーバは二重化されていることが多い。

またDNS偽装を行うと、情報を容易に盗聴・偽装することができてしまう。情報レコードの不正な書き換えを防止するため、コンテンツサーバのマスタ(プライマリ)はインターネット(外部)から隠匿し、インターネットには特定のマスタのコピー(ゾーン転送)を受け取るスレーブ(セカンダリ)を公開するなどの構成を組んで、防衛手段を講じる。

関連語句

関連プロトコル

  • STD0013
    • RFC 1034 : DOMAIN NAMES - CONCEPTS AND FACILITIES
    • RFC 1035 : DOMAIN NAMES - IMPLEMENTATION AND SPECIFICATION
  • RFC 8310: Usage Profiles for DNS over TLS and DNS over DTLS - TLS(TCPを使用)およびDTLS(UDPを使用)上でDNSメッセージのやり取りを行うプロトコルの規定。セキュリティやプライバシー保護の向上を意図している。
  • RFC 8484: DNS Queries over HTTPS - HTTPS上でDNSメッセージのやり取りを行うプロトコルの規定。使用するHTTPのバージョンとしてはHTTP/2が推奨されている。こちらも、セキュリティやプライバシー保護の向上を意図している。
  • マルチキャストDNS - mDNS とも表現される
  • LLMNR - Link Local Multicast Name Resolution

脚注

注釈

  1. ^ つまり、ポート53を使わずにポート443を使う。

出典

  1. ^ ISI Marks 20th Anniversary of Domain Name System”. Information Sciences Institute (2003年6月26日). 2022年11月6日閲覧。
  2. ^ a b インターネット用語1分解説~権威DNSサーバ(authoritative name server)とは~”. JPNIC (2012年9月18日). 2022年11月6日閲覧。
  3. ^ 第7回 DNSの仕組みについて”. Linux技術者認定機関 LPI-Japan [エルピーアイジャパン]. 2022年11月6日閲覧。
  4. ^ 重要技術 DNSの仕組み”. 国民のための情報セキュリティサイト. 2021年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月6日閲覧。

外部リンク


DNS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:23 UTC 版)

Cloudflare」の記事における「DNS」の解説

"Cloudflareは、エニーキャストネットワークを備えすべてのクライアントに、ドメインネームサーバー(DNS)を無料提供する。W3cookによればCloudflareのDNSサービスは現在、マネージドDNSドメイン35%以上を占める。SolveDNSによればCloudflareのDNS検索速度は常に世界最高クラスであり、2016年4月には8.66ミリ秒記録している。"

※この「DNS」の解説は、「Cloudflare」の解説の一部です。
「DNS」を含む「Cloudflare」の記事については、「Cloudflare」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「DNS」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「DNS」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「DNS」の関連用語

1
DNSスプーフィング デジタル大辞泉
100% |||||

2
ダイナミックDNS デジタル大辞泉
96% |||||

3
ネーム‐サーバー デジタル大辞泉
94% |||||


5
DNSポイズニング デジタル大辞泉
92% |||||

6
DNSリフレクション攻撃 デジタル大辞泉
92% |||||

7
DNSリフレクター攻撃 デジタル大辞泉
92% |||||




DNSのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



DNSのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2025実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JERICHO CONSULTINGJERICHO CONSULTING
Copyright (C) 2025by Jericho Consulting Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アライドテレシス株式会社アライドテレシス株式会社
Copyright(c)2025 Allied Telesis K.K. All Rights Reserved.
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【ドメインネームサーバ】の記事を利用しております。
日本マイクロソフト株式会社日本マイクロソフト株式会社
© 2025 Microsoft.All rights reserved.
三栄書房三栄書房
Copyright c San-eishobo Publishing Co.,Ltd.All Rights Reserved.
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのDomain Name System (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのCloudflare (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS