よう‐こう〔‐カウ〕【×傭耕】
よう‐こう〔エウクワウ〕【妖光】
よう‐こう〔エウクワウ〕【揺光】
よう‐ごう〔ヤウゴフ〕【▽永×劫】
読み方:ようごう
《「ようこう」とも》「えいごう(永劫)」に同じ。
よう‐こう〔ヤウ‐〕【洋紅】
読み方:ようこう
⇒カルミン
よう‐こう〔ヤウカウ〕【洋行】
よう‐こう〔エウカウ〕【要港】
よう‐こう〔エウカウ〕【要綱】
よう‐こう〔エウカウ〕【要項】
ようこう〔ヤウクワウ〕
平成3年(1991)8月に打ち上げられた太陽観測衛星SOLAR-A(ソーラーエー)の愛称。宇宙科学研究所(現JAXA(ジャクサ))が開発。名称は「陽光」に由来。太陽活動極大期における観測を目的とし、軟X線の高解像度の撮像、および世界初の30キロ電子ボルト以上の硬X線の高感度観測に成功した。その結果、太陽コロナの構造の時間変化や太陽フレアなどの爆発現象に磁気リコネクションが関わっていることが明らかになった。当初3年だった設計寿命を大幅に越え、10年3か月もの長期にわたって観測を続けた。平成16年(2004)4月に運用終了。
よう‐こう〔ヤウクワウ〕【陽光】
要綱 (ようこう)
ようこう
名称:第14号科学衛星「ようこう」/SOLAR-A
小分類:科学衛星
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げ年月日:1991年8月30日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:M-3SII
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)
国際標識番号:1991062A
ようこうは、ひのとりに続く2番目の太陽フレア観測衛星です。太陽活動がもっとも活発になる黒点数の極大期(太陽活動極大期)における太陽フレアと、これに関連した太陽コロナの物理現象を観測、解明することを目的に開発されました。 太陽共同研究計画はようこうなどにより共同研究を行なうもので、衛星には日米協力により製作した観測器も搭載されており、運用、データ取得、データ解析も国際協力によって行われます。さらに次の太陽観測衛星計画での共同研究計画の検討も行ないます。
ようこうの外観図
縦・横1m、高さ2mの直方体の本体に、側面に3つ折りの太陽電池パドルが2枚とりつけられています。重量は420kgです。
ようこうには、4種類の観測装置が搭載されています。(1)軟X線望遠鏡(SXT):主観測装置のひとつ。斜入射反射鏡のつくる軟X線像を個体撮像素子(CCD)で読み取ります。約3秒角の高い解像力で、コンピュータを用いた自動観測制御機能ももっています。
(2)硬X線望遠鏡(HXT):撮像望遠鏡として、世界で初めて30keV以上のエネルギー域でX線観測を行ない、これまでのものより1桁以上、高い感度をもっています。
(3)ブラック結晶分光器(BCS):超高温プラズマの分光学的診断を行ないます。(4)広帯域分光器(WBS):軟X線からガンマ線までの広いエネルギー域を取得します。
2.どんな目的に使用されるの?
太陽フレアと呼ばれる大爆発現象と、太陽コロナで発生するさまざまな活動現象の、観測に使用されています。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
極大期の太陽コロナの形状を、軟X線望遠鏡で撮像したのは、ごく限られたロケットからの観測を除けば、ようこうが初めてです。ようこうによってとられたX線写真から、極大期のコロナが想像されていたより、はるかに複雑な形状をもち、ダイナミックに変化していることが分かってきました。
洋行
ようこう
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/23 07:08 UTC 版)
太陽観測衛星「ようこう(SOLAR-A)」 | |
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ようこう
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所属 | ISAS(現JAXA) |
主製造業者 | 日本電気 |
公式ページ | 太陽観測衛星「ようこう」 |
国際標識番号 | 1991-062A |
カタログ番号 | 21694 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 太陽の観測 |
設計寿命 | 3年 |
打上げ機 | M-3SIIロケット 6号機 |
打上げ日時 | 1991年8月30日 |
停波日 | 2004年4月末 |
消滅日時 | 2005年9月12日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | 1m×1m×2m |
質量 | 約390kg |
軌道要素 | |
軌道 | 楕円軌道 |
近点高度 (hp) | 550km |
遠点高度 (ha) | 600km |
軌道傾斜角 (i) | 31度 |
軌道周期 (P) | 98分 |
観測機器 | |
SXT | 軟X線望遠鏡 |
HXT | 硬X線望遠鏡 |
BCS | ブラッグ結晶分光器 |
WBS | 広帯域スペクトル計 |
ようこう (第14号科学衛星SOLAR-A) は日本の旧文部省宇宙科学研究所(ISAS、現在の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部)が打ち上げた太陽観測衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。1991年8月30日に鹿児島県内之浦町(現肝付町)にある鹿児島宇宙空間観測所(現内之浦宇宙空間観測所)からM-3SIIロケットによって打ち上げられた。打ち上げ後、太陽の光を意味する「陽光」から「ようこう」と名付けられた。本来の衛星設計寿命よりも長く稼動し、2001年12月15日に姿勢制御を失って観測が中断されるまでの約10年間、太陽活動のほぼ1周期に渡って観測を行った。
ミッションの概要
ようこうは第22太陽活動極大期の太陽を観測する目的で開発され、打ち上げられた。実際に太陽活動が極大を迎えたのは1989年12月と考えられており、打ち上げはそれを少し過ぎた頃である。第22極大期に打ち上げられた太陽観測衛星は当機のみである。ISASは1980年代に「ひのとり」という太陽観測衛星を運用した経験があるが、当機ではその経験を生かし、かつ当時最高の太陽観測衛星を作り最大の理学的成果を得るために国内外との大規模な協力のもと計画がスタートした。開発期間は4年半であり、打ち上げは計画当初の予定通りに行われた。
衛星の寿命は3年を予定していたが、その後も観測機器は正常に動作したため、結果として10年3ヶ月にわたる観測を実現した。しかし長期運用による衛星の老朽化により、2000年秋頃から姿勢制御が困難となり始めた。
2001年12月15日、南太平洋上空で金環日食帯の中を通過するさい、セーフモードに移行する過程で衛星が異常な回転を始め、太陽を向かなくなった。そのため太陽電池の発電量が落ち、蓄電池の充電量が減少して観測装置が停止した。その後、観測能力回復のために手が尽くされたが、2004年4月末に衛星からの電波送信を停止する措置を取り、運用を終了した。
2005年9月12日、日本時間の18時16分頃、南アジア上空から大気圏に突入、地上には到達することなく燃え尽きて消滅した。
観測装置
軟X線望遠鏡
軟X線望遠鏡 (SXT) は、0.5-6 nmのX線を観測する望遠鏡である。斜入射X線反射鏡を用いて結像し、X線CCDで検出する。空間分解能は2.45秒角。観測の対象は太陽コロナや太陽フレアの高温プラズマである。6種類のフィルターを通すことでプラズマの温度を調べることができるほか、可視光との同時撮影が可能であり、太陽黒点とコロナ磁場の関係を調べることが可能となっている。日米国際協力で開発された。
硬X線望遠鏡
硬X線望遠鏡 (HXT) は、14-23 keV、23-33 keV、33-53 keV、53-93 keVの4つのエネルギー帯のX線を観測する望遠鏡である。検出には64個の「すだれコリメーター」を使い、64個のフーリエ成分として観測したデータを地上のコンピューターで合成して像を得る「フーリエ合成型望遠鏡」である。空間分解能5秒角、時間分解能0.5秒と、第21太陽活動極大期に運用された太陽観測衛星であるソーラーマックス、ひのとりにくらべ格段に性能を向上させている。主な観測対象は太陽フレアから生じる高エネルギー電子、超高温プラズマである。
ブラッグ結晶分光器
ブラッグ結晶分光器 (BCS) は、太陽X線のうち、硫黄、カルシウム、鉄から発せられる4つの輝線スペクトルを高い波長分解能で観測するための機器である。ゲルマニウムの湾曲結晶で反射したX線を一次元位置感応型ガス比例計数管で検出する。結晶で反射したX線は、結晶格子の間隔に依存する特定波長のX線のみを含む。反射角と反射されるX線の波長は相関関係にあるため、反射角を変えて観測することでX線のスペクトルを測定することが可能であるが、これを湾曲結晶を用いることで実現している。主な観測対象はフレア中のプラズマの加熱や運動の様子である。開発は日米英の国際協力のもとで行われた。
広帯域スペクトル計
広帯域スペクトル計 (WBS) は、軟X線(2-30 keV)、硬X線(20-400 keV)、γ線(0.2-100 MeV)の波長域をカバーするスペクトル計である。フレアによって生じる高温プラズマの加熱メカニズム、高エネルギー電子の加速機構の解明を目的とする。
主な成果
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関連項目
- 太陽観測ミッション
- ひのとり(ASTRO-A)
- ひので (SOLAR-B)
- Solar-C_EUVST
- X線天文学
外部リンク
ようこう
「ようこう」の例文・使い方・用例・文例
固有名詞の分類
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