N-SAT-110
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/07 00:44 UTC 版)
N-SAT-110 (SUPERBIRD-D、JCSAT-110) |
|
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所属 | スカパーJSAT (旧宇宙通信、JSAT) |
主製造業者 | ロッキード・マーティン |
国際標識番号 | 2000-060A |
カタログ番号 | 26559 |
状態 | 運用終了(デオービット済) |
目的 | 通信(放送を含む) |
設計寿命 | 15年 |
打上げ機 | アリアン42L |
打上げ日時 | 2000年10月7日 |
物理的特長 | |
衛星バス | A2100AX |
最大寸法 | 全幅26.4m(含ソーラーセール及び太陽電池パネル) |
質量 | 2,100kg |
発生電力 | 7,200W |
姿勢制御方式 | 三軸制御 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経110度 |
高度 (h) | 35,786km |
軌道傾斜角 (i) | 0.0度 |
軌道周期 (P) | 23時間56分04秒 |
搭載機器 | |
中継器 | Kuバンド 36MHz×24(右旋円偏波12,左旋円偏波12)、出力120W |
N-SAT-110(エヌサット-ワンテン)とは東経110度赤道(=東南アジア・ボルネオ島)付近上空の対地静止軌道を周回していた日本の人工衛星(静止衛星、通信衛星)である。機体メーカはロッキード・マーティンで、同社A2100-AX衛星バスをもとに製作されている。保有者はスカパーJSATで、日本国内相互間の通信及び放送の中継を行っていた。
2008年10月に宇宙通信及びJSATがスカイパーフェクト・コミュニケーションズと合併しスカパーJSATとなったが、それ以前は衛星の軌道・姿勢制御といった管制業務を宇宙通信が、中継業務は両者がそれぞれ行っており、衛星全体の名称はN-SAT-110であるが、宇宙通信においてはSUPERBIRD D(スーパーバード ディー、調達呼称SUPERBIRD-5)、JSATにおいてはJCSAT-110(ジェイシーサットひゃくじゅう、調達呼称JCSAT-7)の別名を使用しており、各社管理部分を区分して指す場合にもその別名が用いられる。
沿革
- 2000年10月7日 フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから、アリアンスペースによりアリアン4ロケットに搭載し打ち上げ
- 2002年3月1日 東経110度CS受託国内放送開始
- 2019年1月 デオービット[1]
東経110度CS放送
この衛星退役後も別の衛星でサービスは行われている。詳細については、日本における衛星放送を参照。また当該放送事業者の一覧については、スカパー! (東経110度BS・CSデジタル放送)#衛星基幹放送事業者一覧を参照。
右旋円偏波のトランスポンダ12本は、東経110度CS放送に用いられている。スカパーJSATが放送法に基づく基幹放送局提供事業者となり、同社プラットフォームの「スカパー!」と提携する23社の衛星基幹放送事業者がデジタル放送(ISDB-S方式)を行っている。
衛星基幹放送局の免許は東経110度CS国内基幹放送の用途で関東総合通信局より以下の計6局(12波)が免許されている。
衛星名称 | 基幹放送提供事業者 (衛星呼称) |
コールサイン | 物理チャンネル | 空中線電力 |
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N-SAT-110 | 旧 宇宙通信 (SUPERBIRD D) |
JO81-CS-HDTV JO81-CS-TV JO81-CS-DAT |
ND2,8,10 | 114.5W |
ND16,18,24 | 104.7W | |||
旧 JSAT (JCSAT-110) |
JO82-CS-HDTV JO82-CS-TV JO82-CS-DAT |
ND2,8,10 | 114.5W | |
ND16,18,24 | 104.7W | |||
HDTV-高精細度テレビジョン放送、TV-標準テレビジョン放送、DAT-データ放送 |
通信
左旋円偏波のトランスポンダ12本は映像通信、IPその他のデータ通信などに用いられる。
提供サービス
- Sky-Access、V-Drive110 - 映像・データ配信(スカパーJSAT)
- SafetyBIRD - 緊急地震速報等の配信(スカパーJSAT)
- JDS衛星ネットワーク「i-HITS」(日本デジタル配信)
- 東経144度通信衛星のSUPERBIRD C2とともに、ケーブルテレビ局向けデジタル配信に利用している。
- 駿台サテネット21(駿台予備学校)
予備衛星
2011年8月6日(※日本時間8月7日)に打ち上げたBS現用・東経110度CS予備ハイブリッド衛星となるBSAT-3c/JCSAT-110R(放送衛星システムとの共同調達機)の運用開始までの間、東経110度通信衛星事業を行うことができる衛星は、既に設計寿命の大半を経過している本機1機のみの体制が約11年続いていた。
関連項目
脚注
- ^ スカパーJSAT (2019年2月7日). “スカパーJSATグループ2018年度 第3四半期決算説明会”. 2022年8月22日閲覧。
外部リンク
N-SAT-110
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「テレビ周波数チャンネル」の記事における「N-SAT-110」の解説
「N-SAT-110」とは東経110度通信衛星を意味し、日本に通信衛星(CS)用として割り当てられた周波数帯。 右旋円偏波左旋円偏波チャンネル番号中央の周波数(GHz)占有帯域(GHz)チャンネル番号中央の周波数(GHz)占有帯域(GHz)ND-212.291 12.27375 - 12.30825 ND-112.271 12.25375 - 12.28825 ND-412.331 12.31375 - 12.34825 ND-312.311 12.29375 - 12.32825 ND-612.371 12.35375 - 12.38825 ND-512.351 12.33375 - 12.36825 ND-812.411 12.39375 - 12.42825 ND-712.391 12.37375 - 12.40825 ND-1012.451 12.43375 - 12.46825 ND-912.431 12.41375 - 12.44825 ND-1212.491 12.47375 - 12.50825 ND-1112.471 12.45375 - 12.48825 ND-1412.531 12.51375 - 12.54825 ND-1312.511 12.49375 - 12.52825 ND-1612.571 12.55375 - 12.58825 ND-1512.551 12.53375 - 12.56825 ND-1812.611 12.59375 - 12.62825 ND-1712.591 12.57375 - 12.60825 ND-2012.651 12.63375 - 12.66825 ND-1912.631 12.61375 - 12.64825 ND-2212.691 12.67375 - 12.70825 ND-2112.671 12.65375 - 12.68825 ND-2412.731 12.71375 - 12.74825 ND-2312.711 12.69375 - 12.72825 チャンネル間隔は40MHz、占有帯域の周波数幅は34.5MHz。奇数チャンネルと偶数チャンネルで占有帯域が重複するが、偏波方式を変えることで分離可能。 従来の放送は右旋円偏波により行われていたが、全ての4Kと8K放送は左旋円偏波により実施されている。
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