さくら2号a/2号b
名称:通信衛星2号「さくら2号a/2号b」/Communications Satellite-2a/2b(CS-2a/2b)
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:さくら2号a・1983年2月4日、さくら2号b・1983年8月6日
運用停止年月日:さくら2号a・1990年12月3日、さくら2号b・1990年1月23日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:さくら2号a・Nロケット10号機(F)(N-II)、さくら2号b・Nロケット11号機(F)(N-II)
打ち上げ場所:日本・種子島宇宙センター
国際標識番号:1983006A(さくら2号a)/1983081A(さくら2号b)
通信衛星2号は、さくら2号a、さくら2号bの2機で構成されています。この衛星は、国内の公衆通信業務や、公共業務通信のために開発されました。とくに非常災害時の通信や離島通信などに役立っていて、この衛星で小笠原諸島との電話通信が可能になりました。また将来の通信衛星に関する技術開発にも役立てられました。
それぞれ4,000回線の容量を持っていました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
直径約220cm、高さ約206cmの円筒形で、上面に通信用アンテナを備えていました。重量は約350kg(静止軌道上初期)。姿勢制御にスピン安定方式を採用していました。
主要ミッション機器としては、6チャンネルの準ミリ波(30/20GHz・予備なし)通信用中継器と2チャンネルのマイクロ波(6/4GHz・予備1)中継器を搭載していました。
2.どんな目的に使用されるの?
非常災害時における通信の確保、離島との通信回線の設定、臨時の通信回路の設定、通信衛星に関する技術の開発を目的に使われました。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
初期段階における追跡管制および衛星機能確認試験を経て、さくら2号aは1983年5月5日から、さくら2号bは1983年11月1日から、それぞれ通信・放送衛星機構により追跡管制がおこなわれるとともに、利用機関によって運用されてきました。
そして、さくら2号aはその通信サービスをさくら3号aに引き継ぎ、1988年6月20日に定常段階を終了。その後、1990年12月3日にすべての運用を終了し、静止軌道外に移動しました。
さくら2号bはその通信サービスをさくら3号bに引き継ぎ、1988年12月8日に定常段階を終了。1990年1月23日にすべての運用を終了し、静止軌道外に移動しました。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
さくら、さくら3号a/3号bがあります。
5.どのように地球を回るの?
高度約3万6,000km、傾斜角0度、周期約24時間の静止衛星軌道。CS-2aは東経132度、CS-2bは東経136度でした。
※参考文献:大林辰蔵・監修「日本の宇宙科学1952→2001」(東京書籍)、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」(三田出版会)
さくら2号a
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 23:46 UTC 版)
さくら2号a | |
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所属 | NASDA |
主製造業者 | 三菱電機 |
公式ページ | NASDA |
国際標識番号 | 1983-006A |
カタログ番号 | 13782 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 通信衛星 |
設計寿命 | 3年以上 5年目標 (3年後残存確率0.75以上) |
打上げ機 | N-IIロケット3号機 |
打上げ日時 | 1983年2月4日 |
運用終了日 | 1990年12月 |
物理的特長 | |
本体寸法 | 直径2.187m×高さ2.064m |
最大寸法 | アンテナを含む高さ:3.260m |
質量 | 打上げ時:670.5kg 静止軌道到達時:350 kg |
発生電力 | 寿命初期:477W(夏至) |
主な推進器 | アポジモータ:固体モータ スラスタ:一液ヒドラジン(推薬量52.2kg) |
姿勢制御方式 | スピン安定方式(90±9 rpm) |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経132度 |
近点高度 (hp) | 35784 km |
遠点高度 (ha) | 36956 km |
通信機器 | |
準ミリ波(30/20GHz・予備なし)通信用中継器 6チャンネル | |
マイクロ波(6/4GHz・予備1)中継器 2チャンネル |
さくら2号a(CS-2a)は、1983年(昭和58年)に打ち上げられた静止通信衛星である。さくら2号bと共に日本初の実用通信衛星となった[1]。
CS-2計画は1977年(昭和52年)12月に打ち上げられたさくら(CS)の成果や国内の通信需要を踏まえ、宇宙開発事業団(NASDA、科学技術庁)、郵政省、日本電信電話公社(NTT)、通信・放送衛星機構等により計画された[1]。諸機関からの委託によってNASDAが衛星開発・ロケットによる打ち上げ・静止軌道への配置を実施し、搭載される通信用アンテナや中継器のエンジニアリングモデルは電電公社で開発された[1]。郵政省、警察庁、建設省、消防庁、国鉄、電気事業者らが利用機関となって公共業務の通信回線や実験回線として使用された[1]。
打ち上げ
1983年(昭和58年)2月4日、N-IIロケット3号機により、種子島宇宙センターから打ち上げられた。
目的
非常災害時における通信の確保、離島との通信回線の設定、臨時の通信回路の設定、通信衛星に関する技術の開発を目的とした。
特徴


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脚注
出典
- ^ a b c d 木戸, 敬久 (1984). “通信衛星2号(cs-2)”. 日本航空宇宙学会誌 32 (368): 491–502. doi:10.2322/jjsass1969.32.491 .
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
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