たん‐せい【丹誠/丹精】
たん‐せい【丹青】
読み方:たんせい
1 赤と青。丹碧。
たん‐せい【単声】
たん‐せい【単性】
たん‐せい【嘆声/×歎声】
たんせい
昭和46年(1971)2月に打ち上げられた試験衛星MS-T1の愛称。東京大学宇宙航空研究所(現JAXA(ジャクサ))が開発。名称は東京大学のスクールカラーである「淡青」に由来。ロケットの性能試験と、宇宙空間における人工衛星の内部環境や挙動についての確認を行った。以降、衛星技術の確立に向けて、たんせい2号、たんせい3号、たんせい4号が開発された。
たん‐せい【淡青】
読み方:たんせい
うすい青色。
たん‐せい【端正/端整】
たんせい
分類:人工衛星
名称:たんせい1~4号(MS-T1~4)
小分類:技術開発・試験衛星
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:MS-T1(1971年2月16日)/MS-T2(1974年2月16日)/MS-T3(1977年2月19日)/MS-T4(1980年2月17日)
運用停止年月日:MS-T1(1971年2月23日)/MS-T2(1983年1月22日)/MS-T4(1983年5月13日)
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:MS-T1(M-4S型ロケット2号機)/MS-T2(M-3C型ロケット1号機)/MS-T3(M-3H型ロケット1号機)/MS-T4(M-3S型ロケット1号機)
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)
国際表記番号:1971011A
たんせい1号は、軌道投入後の衛星環境と機能試験を目的として開発されました。
日本の人工衛星第2号で、おおすみで得られたデータをもとに、宇宙空間での軌道投入後の衛星をとりまく環境とそれにともなう衛星の機能の観測がおこなわれました。「たんせい」の名前は、東京大学のカレッジ・カラーの淡青からつけられました。
たんせい2号は、ロケットの特性の測定と衛星についての工学的試験を目的として開発されました。そのなかでも重要なことは地球磁気を利用した衛星姿勢制御方式のテストをおこなうことでした。たんせい2号はコマと同じように、スピンすることによって姿勢の安定を保っています。このスピン軸を地磁気との作用で変向させるスピン軸方向制御装置や姿勢保持用の小型電磁石を搭載しています。
たんせい3号は、ロケットの特性の測定と衛星についての工学的試験を目的として開発されました。とくに第5号以降の科学衛星に必要な技術として、沿磁力線姿勢安定化方式やコールド・ガスジェットによるスピン軸制御実験などをおこないました。
たんせい4号は、ロケットの特性の測定と衛星についての工学的試験を目的として開発されました。とくに第7号科学衛星に必要な磁気力によるスピン軸太陽オフセット指向自動制御や第8、9号科学衛星に要求されるフライ・ホイールによる姿勢制御試験など、将来の衛星制御方式の開発のための実験をおこないました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
球を多面体にした形をしています。
2.どんな目的に使用されたの?
たんせい1号は、軌道投入後の衛星環境と機能試験を目的としていました。
たんせい2号は、M-3C型ロケットの性能試験、電波誘導システムの確認、第3号科学衛星に要求される地球磁場を利用した衛星姿勢制御方式の事前テストを目的していました。
たんせい3号は、M-3H型ロケットの性能試験、沿磁線安定という地球の磁力線に沿った衛星の姿勢制御(沿磁力線姿勢安定化方式)やコールド・ガスジェットによるスピン軸制御実験など、第5号以降の科学衛星に求められる新技術の実証を目的としていました。
たんせい4号は、M-3S型ロケットの性能試験、磁気力によるスピン軸太陽オフセット指向自動制御、フライ・ホイールによる姿勢制御試験など、将来の衛星制御方式の実験を目的としていました。
3宇宙でどのようなことをし、今はどうなっているの?
たんせい1号は、化学電池の寿命が尽きる2月23日までに地球を96周して、M型ロケットの性能確認、人工衛星設計についての多くのデータを送り、使命を終えました。
たんせい2号は、軌道投入後、23周目からスピン軸変更に入り、125周でスピン軸が軌道面に対して完全に垂直となり、回転車モードと呼ばれる車の輪のように軌道面を転がるような姿勢に制御しました。
たんせい3号は、第5号以降の科学衛星に必要な技術として、沿磁力線姿勢安定化方式やコールド・ガスジェットによるスピン軸制御実験、精密な軌道決定のためのPNコード測距装置などの実証をおこないました。
たんせい4号は、第7号科学衛星に必要な磁気力によるスピン軸太陽オフセット指向自動制御や第8、9号科学衛星に要求されるフライ・ホイールによる姿勢制御試験など、将来の衛星制御方式の開発のための実験をおこないました。
4.どのように地球を回るの?
たんせい1号
高度1,110km~990km、傾斜角30度の略円軌道です。
たんせい2号
高度3,240km~290km、傾斜角31度の楕円軌道です。
高度3,237km~289km、傾斜角31度の楕円軌道です。
たんせい3号
高度3,810km~790km、傾斜角66度の楕円軌道です。
高度3,813km~793km、傾斜角65.75度の楕円軌道です。
たんせい4号
高度606km~521km、傾斜角39度の略円軌道です。
高度606km~520km、傾斜角39度の略円軌道です。
※参考文献:大林辰蔵・監修「日本の宇宙科学1952→2001」東京書籍・発行、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」三田出版会・発行
丹生
姓 | 読み方 |
---|---|
丹生 | たんせい |
たんせい
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 05:02 UTC 版)
試験衛星「たんせい(MS-T1)」 | |
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所属 | 東京大学宇宙航空研究所 |
主製造業者 | 日本電気 |
公式ページ | 試験衛星「たんせい(MS-T1)」 |
国際標識番号 | 1971-011A |
カタログ番号 | 04952 |
状態 | 運用終了 |
目的 | ロケット及び衛星の性能確認 宇宙環境の計測 |
設計寿命 | 1週間 |
打上げ場所 | 鹿児島宇宙空間観測所 |
打上げ機 | M-4Sロケット2号機 |
打上げ日時 | 1971年2月16日13:00 |
機能停止日 | 1971年2月23日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | ⌀712mm×764mm (26面体) |
最大寸法 | 1,454mm(アンテナ間) |
質量 | 63kg |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 略円軌道 |
近点高度 (hp) | 990km |
遠点高度 (ha) | 1,100km |
軌道傾斜角 (i) | 29.6度 |
軌道周期 (P) | 106.2分 |
搭載機器 | |
TM | テレメータ送信機 |
CM | コマンド受信機・デコーダ |
DR | 磁気テープ方式データレコーダ |
BAT | 酸化銀亜鉛電池 |
HK | 衛星内部環境計測器 |
GAS | 地磁気姿勢系 |
SC-M | 太陽電池性能計測器 |
たんせい (MS-T1) は、東京大学宇宙航空研究所(後の宇宙科学研究所、現在の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部)が打上げた技術試験用人工衛星である。Μ(ミュー)ロケットで打ち上げられた最初の衛星となった。開発・製造は日本電気が担当した。名前は東京大学のスクールカラーである「淡青」にちなむ。また開発名のMSは"Mu Satellite"の略、Tは試験機であることを示す。
開発の目的と背景
当機は宇宙航空研究所の開発した全段固体ロケットであるM-4Sロケットの性能を確認するために開発された。同ロケットは1970年9月25日に1号機で科学衛星「MS-F1」の打ち上げに失敗している。そのため、次の科学衛星「MS-F2」を打ち上げる前にロケットの性能テストを行う必要があると判断され、当機の開発に至った。また当機は、軌道上における人工衛星の内部環境を調べることも目的とした。
なお、工学試験ミッションとしては当機に始まるMS-Tシリーズのほかに、後のMUSESシリーズがあるが、MS-Tが主に人工衛星自体の試験とロケットの性能試験を主目的とするのに対し、MUSESシリーズは未来の理学ミッションで必要となる技術の習得、あるいは新規開拓を目指す点が異なる。
機体
当機はMS-F1の設計や試作された構体・部品を流用し、3ヶ月で開発された。そのため、MS-F1およびF2(しんせい)とよく似た外見をしている。
搭載機器は次に挙げるとおり。このうち多くが衛星として基本的なシステムである。
- テレメーター送信機 (TM)
- コマンド受信機 (CM)
- データレコーダ (DR)
- 電池 (BAT) -- 酸化銀電池
- 衛星内部環境計測器 (HK)
- 姿勢系 (GAS) -- 地磁気姿勢系と太陽センサーからなる
- 太陽電池の性能計測器 (SC-M)
このうち電源系を除く機器はMS-F1と同じものを使用している。
運用
当機は1971年2月16日13:00 (JST) 、鹿児島宇宙空間観測所からM-4Sロケット2号機で打ち上げられ、近地点高度989km、遠地点高度1,109km、軌道傾斜角30°の軌道に投入された。
軌道上では1週間の試験を行い、2月23日に電池の寿命が尽きたため運用を終了した。
関連項目
外部リンク
- たんせい - ウェイバックマシン(2012年1月17日アーカイブ分) (JAXA宇宙情報センター)
- たんせい(MS-T1) (ISAS)
たんせい
固有名詞の分類
- たんせいのページへのリンク