ゆり2号aとは? わかりやすく解説

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ゆり2号a/2号b

分類:人工衛星


名称:放送衛星2号「ゆり2号a/2号b」/Broadcasting Satellite-2a/-2b(BS-2a/BS-2b)
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関会社:通信・放送衛星機構(TSCJ)
打ち上げ年月日:BS-2a:1984年1月23日/BS-2b:1986年2月12日
運用停止年月日:BS-2a:1989年4月/BS-2b:1991年10月24日
打ち上げ国名機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:BS-2a:Nロケット12号機(N-II)/BS-2b:Nロケット14号機(N-II)
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際標識番号:1984005A(BS-2a)/1986016A(BS-2b)

ゆり2号a/2号bは、山間部などでのテレビ放送難視聴地域解消目的として、打ち上げられました。また、将来衛星放送に関する技術開発にも用いられました。
ゆり2号aは、各家庭直接放送番組を送る世界最初直接放送衛星(DBS)で、3軸姿勢制御方式(ゼロモーメンタム)で姿勢制御し5年設計寿命持ってます。
ゆり2号bはゆり2号aの予備機です。
ゆり2号aはテレビ中継器3台(予備含みます)のうち2台が、打上げ2カ月後(1984年3月23日)、および3ヵ月後(1984年5月3日)に不具合生じました
テレビ中継器では、地上にある家庭用小型パラボラ・アンテナでも充分受信できるように電波増幅して送信します。そのため、出力100wの進行波増幅管(TWT)を使用していますが、100wの熱量放出するために、TWT管のコレクタ直接宇宙空間出してます。しかし、この状態でも180200温度を持つことになります静止軌道にある放送衛星太陽電池から供給される電力作動していますが、春分秋分前後1カ月半にわたって太陽光地球がさえぎる「食」という状態になり、電力の供給ができなくなりますこのため、「食」に入ると中継器OFFの状態にします。この状態で電力の供給止まると、TWT管のコレクタ部は冷やされ、-30~-40なります。つまりTWT管のコレクタ部は春分秋分中心にそれぞれ1ヵ月半の間に毎晩200と-3040のきびしい温度変化繰り返すことになるのです。
このきびしい温度変化耐えるTWT管を装備したゆり2号b順調に作動し後継機ゆり3号にその放送サービス引き継ぎ1991年にその任務終了しました
実用通信・放送衛星では、万一備えて軌道上予備用含め同種衛星打ち上げます。そのため、1990年2月にゆり2号の補完衛星BS-2Xのがアリアン44Lロケット打ち上げられましたが、ロケット不調のため失敗しました

1.どんな形をして、どんな性能持っているの?
130cm ×120cm ×300cmの展開型太陽電池パドル備えた箱型で、重量は約350kg(静止軌道初期)です。
2チャンネル放送用中継器(出力各100w、他に予備用TWTA1式)と放送用アンテナ1基を搭載してます。

2.どんな目的使用されるの?
テレビジョン放送難視聴地域解消のため、衛星テレビ放送放送衛星に関する技術の開発使用されました。

3.宇宙でどんなことをし、今はうなっているの?
初期段階追跡管制衛星機能確認試験経て、ゆり2号aは1984年4月21日に、ゆり2号b1986年7月11日通信・放送衛星機構(TSCJ)(現 通信・放送機構(TAO))に引き渡され同機構により追跡管制おこなわれるとともに利用機関(NHK)によって運用されました。
ゆり2号aは当初予定した寿命時期にきたため、1988年8月より衛星各部動作状況などのデータ取得おこないました。そして、1989年4月搭載燃料無くなったため、静止軌道外に移動されました。
ゆり2号bはその放送サービスゆり3号引き継ぎ1991年10月24日静止衛星軌道外に移動し運用終了しました

4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
ゆり、ゆり3号a/3号b、ゆり3N号があります

5.どのように地球を回るの?
高度36,000km、傾斜角0度、周期24時間静止衛星軌道です。ゆり2号a/2号bともに東経110度です。

参考文献:齋藤成文・著「宇宙開発秘話」(三田出版会)、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」(三田出版会)


ゆり2号a

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/30 08:41 UTC 版)

ゆり2号a
(No Image)
ゆり2号a
所属 NASDA
主製造業者 東芝
NSSDC-ID 1984-005A
NORAD No. 14659
近地点 188 km
遠地点 36,039 km
軌道傾斜角 28.4 度
軌道周期 636 分
打上げ 1984年1月23日
運用停止 1989年4月
質量 350 kg
Web NASDA
物理的特徴
直径 1.30 m
高さ 3.00 m
ミッション機器
放送用中継器(出力各100ワット、他に予備用TWTA1式)2チャンネル
放送用アンテナ1基

ゆり2号a(略称BS-2a)は、宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた静止放送衛星である。

打ち上げ

1984年(昭和59年)1月23日にN-IIロケット5号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。

目的

テレビ放送での難視聴地域の解消及び、衛星テレビ放送や放送衛星に関する技術の開発を目的とした。

特徴

軌道

静止衛星軌道/静止位置 東経110度

トラブル

打ち上げ直後、放送を送出する太陽電池の一部が故障する不具合が見つかり、1984年5月試験放送(当初は山間部・離島を中心にした難視聴対策のための放送)を開始する予定だった日本放送協会(NHK)の衛星放送は当初計画していた2チャンネルでの放送を次のとおりに変更して対応した。

  • 実際の放送
    • BS-15ch NHK衛星第1テレビジョン(総合・教育の混合編成中心)
当初の計画から衛星第1テレビのチャンネル番号が変更され、衛星第2テレビの開局は見送られた。その後1986年打ち上げのゆり2号bにより衛星第2テレビが当初衛星第1テレビで使用される予定だったBS-11chを使い放送を開始した。

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