でん‐ぱ【伝×播】
読み方:でんぱ
[名](スル)
でんぱ
昭和47年(1972)8月に打ち上げられた科学衛星REXSの愛称。東京大学宇宙航空研究所(現JAXA(ジャクサ))により開発。打ち上げ後3日目に電源回路に異常が生じ、運用を断念した。通信が途絶するまで電離層および磁気圏のプラズマの観測を行った。
でん‐ぱ【電波】
でんぱ
名称:第2号科学衛星「でんぱ」(REXS)
小分類:科学衛星
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:1972年8月19日
運用停止年月日:1972年8月22日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:M-4S
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)
国際標識番号:1972064A
でんぱは電波観測衛星です。太陽系全体を満たしているプラズマの研究を目的に、プラズマ波、プラズマ密度、電子粒子線、電磁波、地磁気などの観測を行なう目的で開発され、打ち上げられました。
しかし、打ち上げ3日後の26周目の高電圧電源投入時に高電圧放電が発生し、過電流に弱いICやトランジスタの多くが損傷して、ほとんどすべての搭載機器の動作が異常になってしまいました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
筒型をしており、重量75kgです。
2.どんな目的に使用されるの?
地球を取り巻く電離層から、磁気圏にわたる領域の電磁波現象を、汎世界規模で観測するという目的です。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
3日間の科学観測データ送信の後、高電圧放電によって機能が停止しました。
でんぱ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 05:04 UTC 版)
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電波観測衛星「でんぱ(REXS)」 | |
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所属 | 東京大学宇宙航空研究所 |
主製造業者 | 日本電気 |
公式ページ | 電波観測衛星「でんぱ(REXS)」 |
国際標識番号 | 1972-064A |
カタログ番号 | 06152 |
状態 | 運用終了 |
目的 | プラズマ、宇宙線、電磁波、地磁気の観測 |
打上げ場所 | 鹿児島宇宙空間観測所 |
打上げ機 | M-4Sロケット4号機 |
打上げ日時 | 1972年8月19日11:40 |
運用終了日 | 1972年8月22日 |
消滅日時 | 1980年5月19日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | ⌀712mm×685.3mm(八角柱) |
最大寸法 | ⌀4,712mm (ホイップアンテナ展開時) |
質量 | 75kg |
発生電力 | 40W |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 楕円軌道 |
近点高度 (hp) | 250km |
遠点高度 (ha) | 6,560km |
軌道傾斜角 (i) | 31度 |
軌道周期 (P) | 160.5分 |
搭載機器 | |
電磁波プラズマ波観測装置 |
でんぱ (第2号科学衛星REXS)は東京大学宇宙航空研究所(後の文部省宇宙科学研究所)が打上げた電離層・磁気圏観測衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。開発名のREXSはRadio EXploration Satelliteの略である。
目的
当機は地球の電離層と磁気圏内にある放射線帯を観測する目的で開発された。また太陽電波の観測も目標とされた。
運用
1972年8月19日11時40分 (JST) 、鹿児島宇宙空間観測所からM-4Sロケット4号機によって打ち上げられ、近地点240km、遠地点6,570km、軌道傾斜角31°の軌道に投入された。
無誘導のM-4Sロケットは、衛星軌道投入の確実性を期すため、全ての人工衛星を、近地点700km付近、遠地点2500km〜4500km(遠地点は衛星重量で大きく変わる)の軌道に投入するように打ち上げられていた(この場合、風に流されたとしても、打ち上げ成功確率は95%を超える)。そして、「でんぱ」の目標軌道は、近地点710km、遠地点2657km、軌道傾斜角31.2°であった。「でんぱ」の実軌道がこのような極端な軌道となってしまった原因は、無誘導のM-4Sロケットが風に流されたためでは無く、ランチャーの上下角設定時に、表示角と実際の角度に約2°のズレがあったためである。
打ち上げから3日経った8月22日、一部の観測装置で使用する高圧電源のスイッチを入れたところ、テレメトリエンコーダが損傷し、衛星からの正常なデータ送信が途絶えた。その後の回復措置により通信系は使用可能になったものの、観測は不可能であることが分かり、運用を断念した。
故障の原因は高圧電源投入時の放電により、ICやトランジスタが破損したためと考えられている。
成果
衛星が故障するまでの約70時間に行った観測により、それなりの科学的成果を得た。また、近地点が非常に低い軌道であるため、故障後も半年間発信され続けた衛星からのビーコン電波で、軌道の変化を測定し、高層大気の大気密度に関するデータの収集ができた。
外部リンク
- 人工衛星・「でんぱ」 - ウェイバックマシン(2012年5月13日アーカイブ分) (JAXA宇宙情報センター)
- でんぱ (REXS) (ISAS/JAXA)
でんぱ
でんぱと同じ種類の言葉
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