ひまわり4号
名称:静止気象衛星4号「ひまわり4号」/Geostationary Meteorological Satellite-4(GMS-4)
小分類:地球観測衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/気象庁
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/気象庁
打ち上げ年月日:1989年9月6日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:H-I
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際標識番号:1989070A
ひまわり4号は、日本の気象業務の改善と気象衛星に関する技術の開発を目的に開発されたGMSシリーズの4号機です。また世界気象機関(WMO)が進めている「世界気象監視(WWW)計画」として、地球を5個の静止気象衛星(日本のひまわり、米国のGOESが2帰欧州宇宙機関のMETEOSAT、インドのINSAT)などでカバーする気象観測衛星のひとつを担っています。地球表面の約1/4の範囲を観測します。
円筒型の上部にアンテナのついた形をしています。直径は約215cmで、高さは444.1cm(アポジ・キック・モータ分離前)/345.1cm(アポジ・キック・モータ分離後)です。重量は約725kg(打上げ時)/約325kg(静止衛星軌道上初期)となっています。
ひまわり4号はコマのように自転する部分と、いつも地球に向くようにしているアンテナで構成されています。筒型の表面は衛星に電力を送る太陽電池パネルになっています。また、スピン安定方式で地球に対する姿勢を一定に保つとともに、衛星内部の温度を均一にするために、衛星本体は毎分100回転で自転しています。
搭載している可視赤外線走査放射計(VISSR=Visible and Infrared Spin Scan Radiometer)は走査鏡、反射鏡、レンズなどによる光学系部と、可視光線と赤外線の強さを電気信号に変える検出器で構成されます。円形の地球画像は30分ごとに得られ、同時に可視光線と赤外線の両波長の観測データ(画像)も得ることができます。
2.どんな目的に使用されるの?
ひまわり4号に搭載した可視赤外線走査放射計(VISSR)で地球大気と地面、海面の状態を観測し、台風の発生と動き、低気圧などの気象現象、雲頂の高さ、雲量、上層・低層の風向風速、海面温度などの気象情報を得ます。このデータは、地上装置で処理した後、気象庁が行なう天気予報などの気象業務に利用されるほか、ひまわり4号のデータ中継機能により、アジア・太平洋地域の国々にも送信されます。
また、通報局装置(DCP:ブイ、船舶、航空機などに搭載しています)の気象観測データを収集し、東京都清瀬市の気象衛星センターに中継する機能があります。宇宙環境モニター(SEM=Space Environment Monitor)によって、太陽からの陽子、電子、アルファ粒子の強度も測定します。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
台風,低気圧,前線などの動きを常時監視し、天気予報に役立ってきましたが、ひまわり5号打ち上げに伴い、予備衛星となっています。
ひまわり4号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 05:13 UTC 版)
ひまわり4号(GMS-4) | |
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所属 | NASDA(現JAXA)、気象庁 |
主製造業者 | NEC(現NEC東芝スペースシステム) |
国際標識番号 | 1989-070A |
カタログ番号 | 20217 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 気象観測衛星 |
設計寿命 | 5年 |
打上げ機 | H-Iロケット5号機 |
打上げ日時 | 1989年9月6日 |
物理的特長 | |
衛星バス | Hughes HS-378 |
本体寸法 | 円筒形 直径: 214.6cm 高さ: 444.1cm(アポジモータ分離前) 345.1cm(アポジモータ分離後) |
質量 | 打上げ時 約725kg 静止化後初期 約325kg |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経120度 |
高度 (h) | 3万6,000km |
軌道傾斜角 (i) | 約0度 |
軌道周期 (P) | 約24時間 |
搭載機器 | |
VISSR | 可視赤外線走査放射計 |
SEM | 宇宙環境モニタ |
ひまわり4号 (GMS-4) は、宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた静止気象衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。
打ち上げ
1989年9月6日にH-Iロケット5号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。
目的
宇宙からの気象観測及び世界気象機関による世界気象監視計画の一翼を担う。
特徴
GMS-3と大きく異なるところはない。 元来は、GMS-3の予備機として構築された衛星であり、姿勢制御に必要な推進剤の容量を増やしたり、機構系の信頼性強化を行った衛星である。目立った故障はGMS-3と同じようになく、非常に安定した状態で運用された。唯一異なるのは、SEM(宇宙環境モニター)観測を途中で終えたことである。
運用
GMS-4は、1989年12月に気象庁に引き渡されて観測を開始し、1995年6月に新たに打ち上げられたGMS-5と交代して観測運用を終えた。 2000年2月に、静止軌道から外して停波した。
軌道
静止衛星軌道/静止位置 東経120度(観測運用時は東経140度)
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
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