データ中継
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/25 00:32 UTC 版)
「こだま (人工衛星)」の記事における「データ中継」の解説
低 - 中高度の衛星は、低い軌道高度(300-1000km)を周回するため、地上局の上空(直接通信可能な範囲)を短時間で通過してしまう。中高度で大量の情報を送信する必要がある地球観測衛星などでは、周回中にデータを圧縮しておき、地上局上空でまとめて送信するなどの手法がとられるが、本来の観測能力に対するボトルネックとなっていた。 地上局と低 - 中高度の衛星が互いの可視範囲にあるのは、軌道上の1割程度に限られている。しかし、そのはるか上空の静止軌道衛星からは、眼下の中高度衛星が飛行する軌道の6割を見渡すことが可能であり、足下の地上局に中継することによって、ほぼリアルタイムで通信可能範囲とすることができる。これは、観測衛星の実質能力を数倍に拡大できる可能性を示している。こだまは、ALOSミッション参加後、容量の嵩む画像データの99%を中継したことが報告されており、観測精度向上や期間短縮のほか、大規模災害の早期把握に大きく貢献した。 なお、空白域をなくすには最低2機による運用が必要で、こだまの場合、南北アメリカ大陸をほぼすっぽりと含む円形の地域の上空が、通信が不可能な範囲となっている。
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