もも1号/1号b
名称:海洋観測衛星1号「もも1号/1号b」/Marine Observation Satellite-1/1b(MOS-1/1b)
小分類:地球観測衛星
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:1987年2月19日(MOS-1)/1990年2月7日(MOS-1b)
運用停止年月日:1995年11月29日(MOS-1)/1996年4月25日(MOS-1b)
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:N-II(MOS-1)/H-I(MOS-1b)
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際標識番号:1987018A(MOS-1)、1990013A(MOS-1b)
もも1号は地球資源の有効利用、環境保全などの地球観測を行なうために開発されました。日本の、自主技術で開発された、我が国初の地球観測衛星です。
その後継機であるもも1号bには可視近赤外線放射計(MESSR)、可視熱赤外線放射計(VTIR)、マイクロ波放射計(MSR)の3つの観測機器がのせられています。MESSRは陸域と海域、VTIRは雲と海面温度、MSRは海面、大気中の水蒸気、海氷、積雪を観測対象にしています。これらによって得られた可視域、赤外域、マイクロ波による画像データは農林・水産資源、水資源の利用状況の調査、海洋・大気汚染の監視などに利用されます。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
一翼式太陽電池パドルを有する箱型をしています。
本体1.26m x 1.48m x 2.4m、太陽電池パドル2.0m x 5.28m、重量約740kg(打ち上げ時)です。
MOS-1およびbには、以下の3つの放射計が装備されています。
・可視近赤外線放射計(MESSR=Multi-spectral Electronic Self-scanning Radiometer)は、地表面の太陽反射光を捉らえる電子走査式の放射計で、衛星進行方向に並行して2系統のカメラシステムを、装備しています。
・可視熱赤外線放射計(VTIR=Visible and Thermal Infrared Radiometer)は回転する走査鏡により、衛星の進行方向に対して直角に、右から左へと機械的に走査します。
・マイクロ波放射計(MSR=Microwave Scanning Radiometer)は、衛星に搭載したパラボラアンテナの回転と、衛星の進行により連続して地表を走査する電波センサーです。
2.どんな目的に使用されるの?
海洋資源の確保や有効利用、農林業や環境状況のモニタなどに利用されます。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
定常の運用に移った1987年11月1日からは、画像データ受信局(海外を含む)に観測データを送り続けました。1989年2月12日には予定どおり、打ち上げ後2年間の後期運用段階に入りました。
その後も、衛星がまだ十分使用できることや、引き続き観測データの送信が望まれるため、後継機であるもも1号bと同時利用することによって技術的な問題を調べることも、その後の地球観測衛星運用のための課題でした。
1995年3月31日にこのような役割を終え、後期運用段階を終了。同年11月29日に運用を終了しました。
また、もも1号と同様の性能を有し、後継機として打ち上げられたもも1号bはバッテリー劣化のため1996年4月25日をもって運用を終了しました。
4.どのように地球を回るの?
高度約909km。公転周期約103分(地球を約103分で1周します)、軌道傾斜約99度の太陽同期準回帰軌道です。太陽同期準回帰軌道とは、いつもほぼ同じ時刻に同一地点の上空を通過するため、観測衛星に向いている軌道です。また、地球の自転によって経路がすこしずつずれていきますが、17日後には再び同じ時刻に同じ位置に戻っています(回帰周期)。
もも1号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/30 08:52 UTC 版)
もも1号 | |
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所属 | NASDA |
主製造業者 | 日本電気 |
公式ページ | JAXA|海洋観測衛星「もも1号」(MOS-1) |
国際標識番号 | 1987-018A |
カタログ番号 | 17527 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 海洋観測衛星 |
観測対象 | 地球 |
計画の期間 | 8年 |
打上げ場所 | 種子島宇宙センター |
打上げ機 | N-IIロケット7号機(N16F) |
打上げ日時 | 1987年2月19日 |
運用終了日 | 1995年11月 |
物理的特長 | |
本体寸法 | 約1.3m×1.5m×2.4m |
質量 | 打ち上げ時約740kg |
軌道要素 | |
軌道 | 太陽同期準回帰軌道 |
高度 (h) | 約909km |
軌道傾斜角 (i) | 約99度 |
軌道周期 (P) | 103分 |
搭載機器 | |
MESSR | 可視近赤外放射計 |
VTIR | 可視熱赤外放射計 |
MSR | マイクロ波放射計 |
もも1号 (MOS-1) は、宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた海洋観測衛星であり、日本初の地球観測衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。
打ち上げ
昭和62年(1987年)2月19日にN-IIロケット8号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。
目的
海洋資源の確保や有効利用、農林業や環境状況のモニタを目的としていた。
特徴
後継姉妹機としてもも1号bも1990年に打ち上げられている。
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軌道
高度約909kmの太陽同期準回帰軌道(回帰周期17日) 傾斜角約99度 周期約103分
関連項目
外部リンク
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