さくら3号a/3号b
名称:通信衛星3号「さくら3号a/3号b」/Communications Satellite-3a/3b(CS-3a/3b)
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/日本電信電話株式会社(NTT)
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/通信・放送機構(TAO)/日本電信電話株式会社(NTT)など
打ち上げ年月日:1988年2月19日(CS-3a)/1988年9月16日(CS-3b)
運用停止年月日:1996年5月31日(CS-3a)/1996年5月31日(CS-3b)
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:H-I
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際標識番号:1988012A(CS-3a)/1988086A(CS-3b)
通信衛星(CS=Communications Satellite)は、離島を含む国内の中継回線や臨時通信回線の確保、そして新しい通信サービスの実現など、ますます増大し多様化する、通信需要に対処することを目的としています。そして、さらに通信衛星に関する、技術的な蓄積と開発を進めるという目的を持っています。
さくら3号a/さくら3号bは、先代のCS-2に比べて通信性能や経済性・信頼性の向上を図るとともに、国産技術が大幅に採用されています。搭載中継器数の増加(8系統から12系統へ)、長寿命化(3年から7年へ)などの性能が大幅に向上しました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
円筒型をし、直径は218cm、高さは356cm(通信用アンテナを含む)、重量は約1099キログラム(打上げ時)、約650キログラム(静止衛星軌道上初期)となっています。
通信衛星3号はスピン安定方式という姿勢制御方式を採用し、常に地球を指向する上部にある通信用のデスパン部と、1分間に90回転するスピン部で構成されています。また円筒型表面には太陽電池が貼られています。通信用中継器には、30/20ギガヘルツ帯(Kaバンド)10チャンネル、6/4ギガヘルツ(Cバンド)2チャンネルの通信チャンネルがあります。日照、日陰を問わず、Kaバンドによって沖縄を含む日本全土の大部分を、そしてCバンドによって離島を含む日本全土を対象とした、通信に使用することができます。
2.どんな目的に使用されるの?
離島を含む国内中継回線、臨時通信回線、新しい形態の回線サービスなどを提供する国内通信業務や、公共用通信などに利用されています。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
さくら3号aは1988年5月16日から、さくら3号bは1988年12月8日から、さくら2号a、さくら2号bに代わって通信サービスに利用されました。その後、さくら3号aは1995年11月30日に定常運用を終了、1996年5月31日に運用を停止しました。さくら3号bは1996年5月31日に定常運用を終了しました。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
さくら、さくら2号a/2号bがあります。
5.どのように地球を回るの?
さくら3号aは東経132度の静止衛星軌道、さくら3号bは東経136度の静止衛星軌道です。
※参考文献:大林辰蔵・監修「日本の宇宙科学1952→2001」(東京書籍)、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」(三田出版会)
さくら3号a
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/30 08:55 UTC 版)
さくら3号a | |
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所属 | NASDA |
主製造業者 | 三菱電機 |
公式ページ | NASDA |
国際標識番号 | 1988-012A |
カタログ番号 | 18877 |
目的 | 通信衛星 |
打上げ機 | H-Iロケット3号機 |
打上げ日時 | 1988年2月19日 |
運用終了日 | 1995年11月30日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | φ2.12 m × 3.56 m |
質量 | 650 kg |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経132度 |
通信機器 | |
準ミリ波(30/20GHz)通信用中継器 10チャンネル | |
マイクロ波(6/4GHz)中継器 2チャンネル |
さくら3号a (CS-3a) は、宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた静止通信衛星である。
打ち上げ
1988年(昭和63年)2月19日、H-Iロケット3号機により、種子島宇宙センターから打ち上げられた。
目的
離島を含む国内の中継回線や臨時通信回線の確保、多様化する通信需要に対処すること及び通信衛星に関する技術の開発を目的とした。
軌道
近地点距離 200 km、遠地点距離 36755 km、軌道傾斜角 28.3 度、周期 650 分のトランスファ軌道へ投入された後、1988年2月21日にアポジモータに点火して、東経132度の静止軌道へ投入された。
特徴
実用衛星としては世界で初めてガリウム砒素太陽電池を採用した。 また、バッテリ容量を増加させたため、蝕期間でも全ての中継器を使用した通信が可能になった。
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
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