衛星通信
通信衛星は電波の中継地点テレビ放送の宇宙中継や国際電話に大活躍
外国から送られてくるニュースやオリンピックなどの宇宙中継は、通信衛星(CS)を利用して行なわれます。送信局が映像や音声・データなどの情報をのせた電波を通信衛星に送り、衛星からもどってきた電波を受信局が受信します。また自宅の電話器から世界中のいろいろな国へとつながる国際電話も衛星通信のおかげです。
このように衛星通信とは、通信衛星を電波の中継地点として利用して、遠くはなれて直接には通信できない2点を結ぶことをいいます。宇宙中継をするためには、両地点から通信衛星が見えていることが必要です。
衛星通信のネットワークを作り上げた国際商業通信衛星「インテルサット」
インテルサット」は太平洋上の静止衛星ですが、この打ち上げを期に、世界中の衛星通信ネットワークが作られました。インテルサット衛星による電波の送受信は、直径30mほどの巨大なパラボラアンテナのある衛星通信所(地球局)で行ないます。日本には山口県山口市と茨城県高荻市に衛星通信所があります。
「さくら2号a」からスタートした日本の衛星通信利用
日本国内での通信を目的とする通信衛星は、1983年に種子島宇宙センターから「さくら2号a」が打ち上げられました。現在は「さくら3号b」が活躍し、非常災害時の通信や離島通信などの公共通信に役立っています。また、取材現場からの写真・記事の伝送など、新聞社でのニュース取材や新聞紙面の伝送にも利用されています。このほか自動車電話や携帯電話などの移動体通信にも通信衛星は利用されています。
国際的なインターネットアクセスの超高速化も
政府IT戦略本部の「e-Japan重点計画」にもとづき、国際的なインターネットアクセスの超高速化を実現する新たな通信衛星も、JAXAと独立行政法人情報通信研究機構との共同で開発が進められています。インターネット、教育、医療、災害対策などの各分野で利用される宇宙インフラ構想「i-Space」で、大容量データ通信分野の技術実証をになう「WINDS」衛星です。地上に通信基地を作らなくても高速な情報通信ができ、平常時も、災害時も、どこの場所でも高速通信のサービスを受けることができる社会の実現に必要な技術を開発、実証し、デジタルディバイド(情報格差)を解消することを目的としています。
また、マルチポートアンプ、アクティブフェーズドアレイアンテナなど通信コンポーネントの稼働により、国内のインターネット網の超高速化とともに、国際的なインターネットアクセスの超高速化をうながすことが期待されています。
通信衛星
(衛星通信 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/13 05:23 UTC 版)
- ^ “こんなに細くて大丈夫? 知られざる「海底ケーブル」の世界 (1/2)”. ITmedia エンタープライズ (2015年7月24日). 2018年4月29日閲覧。
- ^ “シンコム2号” (日本語). 宇宙情報センター(宇宙航空研究開発機構). 2018年1月6日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2018年1月6日閲覧。
- ^ Henry, Varice F. (1965年7月). “Television Tests with the Syncom II Synchronous Communications Satellite (NASA technical note D-2911) (PDF)”. ntrs.nasa.gov. アメリカ航空宇宙局. 2018年1月6日閲覧。
- ^ “シンコム3号” (日本語). 宇宙情報センター(宇宙航空研究開発機構). 2018年1月6日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2018年1月6日閲覧。
- ^ “Syncom 3” (英語). アメリカ航空宇宙局 (1964年8月19日). 2022年1月5日閲覧。
- ^ “五輪の映像を“宇宙中継”で世界へ 巨大アンテナ” (日本語). テレビ朝日 (2021年7月22日). 2022年1月5日閲覧。
衛星通信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 20:56 UTC 版)
多くの旅客機には1.5-1.6GHz帯を使用したACARS衛星通信システムが搭載されており、航空衛星かインマルサット衛星を経由して、音声通話用に地上の公衆電話網と、データ通信用にデータリンク網に接続されている。ACARS(Aircraft Communication Addressing and Reporting System) は衛星通信とVHF通信を利用した民間航空会社共通のほぼ全地球をカバーする比較的低速のデジタル情報ネットワークである。地上の航空会社からは、到着空港のノータムや駐機ターミナル情報、上層風予想などを送り、航空機からは離着陸時刻や位置、残存燃料、フライトプラン(飛行計画)の変更要求、到着予定時刻、エンジン・パラメータ、故障報告などが送られる。これらは基本的に衛星通信を利用した文字による定型のデジタルデータであり、音声通信は別の無線になるが、文字による報告は行える。
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衛星通信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 14:36 UTC 版)
本級は、就役当初、アメリカ軍の衛星通信システムに連接する能力を持っていないことが指摘されていた。しかしその後、Mini-DAMAとして知られるAN/USC-42衛星通信端末用のAV2099衛星通信アンテナを搭載していることが確認されており、またアメリカ側も対外有償軍事援助により同端末を韓国に対して輸出したことを発表している。 また、韓国軍自身の通信基盤として、ムグンファ3号・5号によるANASIS衛星通信システムも導入されている。このほか、民間の商用衛星通信として、有名なインマルサットや、アメリカのKVHインダストリーズ社と日本のスカパーJSAT社によるローミング・サービスも搭載している。これらは、アメリカ軍が同盟国との統合作戦に使用するために整備しているCENTRIXSなどに接続するために用いられる。
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衛星通信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 01:06 UTC 版)
「NATOのC4Iシステム」の記事における「衛星通信」の解説
従来、NATOは独自の通信衛星を調達・運用することで、加盟国共通の衛星通信基盤を提供してきた。その端緒は、1970年3月に打ち上げたNATO-1であり、1971年2月にはほぼ同一の設計に基づくNATO-2が打ち上げられた。これらは、375/400メガヘルツ(UHF)での通信に対応したトランスポンダを2基搭載しており、衛星の機体設計はアメリカのIDCSP衛星に準じたものであった。 1976年4月に打ち上げを開始したNATO-3シリーズでは8/7ギガヘルツのトランスポンダ3基が追加され、1984年11月までに4機を軌道投入した。また、1991年1月から打ち上げを開始したNATO-4シリーズ(1993年12月までに2機を軌道投入)は、イギリスのスカイネット-4衛星に準じた設計を採用し、8/7ギガヘルツのトランスポンダ3基に加えて1470/1530メガヘルツのトランスポンダ2基を搭載した。 しかし、加盟各国が独自に衛星保有をすすめたこともあり、NATO-4シリーズの代替としては、NATO管理の衛星ではなく、各国の通信衛星からの回線を借り上げることとされ、2004年にはNATO SATCOM POST 2000(NSP2K)協定が締結された。これにより、イギリスのスカイネット-4/5(SHF, UHF)、フランスのシラキューズ-3(SHF)、イタリアのシクラル-1(SHF, UHF)によって、NATO各国が標準的に使用できる衛星通信基盤が提供されることとなった。
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「衛星通信」の例文・使い方・用例・文例
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