架け橋
かけ‐はし【懸(け)橋/掛(け)橋/▽桟/×梯】
かけはし
名称:通信放送技術衛星「かけはし」/Communications and Broadcasting Engineering Test Satellite(COMETS)
小分類:通信放送衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/郵政省通信総合研究所(CRL)
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:1998年2月21日(種子島宇宙センター)
運用停止年月日:1999年8月6日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:H-II
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
通信放送技術衛星は、以下のミッション(目的)の実行と大型静止衛星の高性能化を図る技術開発のためにつくられた研究開発衛星です。
まず、衛星間通信ミッション。これは静止軌道上の中継衛星を経由して、低高度の周回軌道上にある観測衛星などと、地上にある通信局との通信を中継する技術を開発するものです。
高度衛星放送ミッションは、Kaバンドの周波数帯を用いて広帯域の地域別放送、高精細度テレビジョン放送などをおこなう技術を開発するものです。
高度移動体衛星通信ミッションは、地上を移動している通信局同士で直接、通信する技術を開発するものです。
この衛星は1998年2月21日に打ち上げられましたが、H-IIロケット第2エンジンの不具合のため、所定の軌道に投入できませんでした。その後、可能な限りの実験が実施された後、翌1999年8月6日に同衛星の運用は終了しています。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
翼のような形をした太陽電池パドルを持つ箱型をしています。本体は約2m x3m x 3m、太陽電池パドルは約3m x 15m(片翼)の大きさです。
重量は約3.9t(打ち上げ時)/約2t(静止初期)。姿勢制御方式は、三軸姿勢制御方式を採用しています。
衛星本体は、ETS-VIで開発された2t級の大型3軸静止衛星を高性能化したものを使用しています。高性能化したものには、ニッケル水素バッテリと高効率太陽電池セルを搭載したフレキシブルパドルを使った電源系、2液調圧方式のアポジエンジンとブローダウン方式のガスジェットを組み合わせた統合型推進系、大型アンテナの指向制御を行なうための高精度姿勢制御系があります。
2.どんな目的に使用されるの?
衛星同士の通信技術や、高度な衛星放送技術と、移動する地上の通信局同士で通信を可能にする衛星通信技術の開発、多周波数帯インテグレーション技術ならびに、大型静止衛星の高性能化技術の開発、実験、実証をおこなうことを目的にしています。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
H-IIロケット第2エンジンの不具合のため、予定した静止軌道に投入できませんでした。いくつかの実験が実施された後、1999年8月6日に運用は終了しています。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
特にありません。
かけはし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 15:43 UTC 版)
かけはし (Communications and Broadcasting Engineering Test Satellite, COMETS) は宇宙開発事業団(NASDA)(現・宇宙航空研究開発機構)が打ち上げた通信放送技術衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。
- ^ 「日本の航空宇宙工業 50年の歩み」 第3章(1980~1999) p.179, 2011年1月閲覧
- ^ “構想45年、お蔵入りだった「日本独自軌道」復活の転機は「ごみ同然の失敗衛星」”. 産経ニュース. (2017年5月30日)
かけはし (COMETS) (NASDA)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 01:43 UTC 版)
「イオンエンジン」の記事における「かけはし (COMETS) (NASDA)」の解説
通信放送技術衛星。南北制御用25mN級イオンエンジンXIESを搭載。第2段ロケットの不具合により静止軌道投入を断念。動作試験を行う。1998年(平成10年)2月21日打ち上げ。
※この「かけはし (COMETS) (NASDA)」の解説は、「イオンエンジン」の解説の一部です。
「かけはし (COMETS) (NASDA)」を含む「イオンエンジン」の記事については、「イオンエンジン」の概要を参照ください。
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