ひまわり3号
名称:静止気象衛星3号「ひまわり3号」/Geostationary Meteorological Satellite-3(GMS-3)
小分類:地球観測衛星
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/気象庁
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/気象庁
打ち上げ年月日:1984年8月3日
運用停止年月日:1995年6月23日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:N-II
打ち上げ場所:種子島宇宙センター(TNSC)
国際標識番号:1984080A
ひまわり3号は、ひまわり2号を引き継ぎ、宇宙からの気象観測に利用するための衛星です。ひまわり2号同様、可視赤外走査放射計(VISSR)による地球画像のデータ収集や、利用者への配信、気象観測データの収集、太陽陽子、アルファ粒子と電子の観測などを行ないました。
また、1日4回、地球の雲の画像を地上に送ってきました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
直径約215cm、高さ約345cm(アポジモータ分離後)の円筒形で、重量は約303kg(静止軌道上初期です)。毎分100回転の自転により姿勢を制御するスピン安定方式を採用しています。
30分毎に地球画像の取得が可能な、可視赤外線走査放射計(VISSR。可視1バンド距離分解能1.25km、赤外1バンド距離分解能5km)と、VISSR処理画像の中継用と通報局データの中継用の通信系機器、宇宙環境モニタ(SEM)を搭載しています。
2.どんな目的に使用されるの?
可視赤外線走査放射計(VISSR)による地球画像データの収集、海面、雲頂面温度などの観測、VISSR処理画像の利用者への配信(高分解能ファクシミリ信号と低分解能ファクシミリ信号の中継)、ブイ・船舶・離島観測所など(通報局)からの気象観測データの収集、太陽陽子、アルファ粒子と電子の観測に利用されました。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
ひまわり2号を引き継ぎ、1984年9月27日から気象庁によって運用されてきました。1989年12月14日にひまわり4号と交代、その後は、軌道上待機衛星として運用されてきましたが、搭載燃料の減少と太陽電池発生電力の劣化により、1995年6月21日から22日にかけて静止衛星軌道外の軌道に移動して、1995年6月23日に運用を終了しました。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
ひまわり、ひまわり2号、ひまわり4号、ひまわり5号があります。
ひまわり3号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 05:12 UTC 版)
ひまわり3号(GMS-3) | |
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所属 | NASDA(現JAXA)、気象庁 |
主製造業者 | NEC(現NEC東芝スペースシステム) |
国際標識番号 | 1984-080A |
カタログ番号 | 15152 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 気象観測衛星 |
設計寿命 | 5年 |
打上げ機 | N-IIロケット6号機 |
打上げ日時 | 1984年8月3日 |
運用終了日 | 1995年6月23日 |
物理的特長 | |
衛星バス | Hughes HS-378 |
本体寸法 | 円筒形 直径: 214.6cm 高さ: 444.1cm(アポジモータ分離前) 345.1cm(アポジモータ分離後) |
質量 | 静止化後初期 約303kg |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
軌道 | 静止軌道 |
静止経度 | 東経140度 |
高度 (h) | 3万6,000km |
軌道傾斜角 (i) | 約0度 |
軌道周期 (P) | 約24時間 |
搭載機器 | |
VISSR | 可視赤外線走査放射計 |
SEM | 宇宙環境モニタ |
ひまわり3号(略称GMS-3)は宇宙開発事業団(NASDA)が打ち上げた静止気象衛星である。開発・製造は日本電気が担当した。
打ち上げ
1984年(昭和59年)8月3日にN-IIロケット6号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。
目的
宇宙からの気象観測の実施。世界気象機関による世界気象監視計画の一翼を担う位置づけもある。
特徴
GMS-3(ひまわり3号)は、1984年(昭和59年)に種子島から打ち上げられ、同年8月27日より運用を開始した。GMS-3の運用は当初予定よりも早く打ち上げた。これは、GMS-2のスキャン系の機械トラブルで、観測規模を縮小していたこともあり、何とか早く観測を立て直す必要性に迫られていたことが要因である。
GMS-3は1988年(昭和63年)から、観測を3時間/日から1時間/日へ、大幅に観測回数を増やした。この観測増強や地上の処理設備の更新もあって、出力される資料の内容も充実していくことになる。2008年(平成20年)現在、雲解析情報図(TSAS1/TSAS2)が作成されているが、ほぼ自動認識で解析資料が提供されるようになったのは、GMS-3の運用後半になってからとなる。
配信方式の変更
当時、GMS経由で衛星画像の配信が行われていたが、いずれも受信装置からハード的に画像化する作業が必要だった。コンピュータの性能が向上したこともあり、LR-FAX信号を受信し直接コンピュータに取り込む事の出来る装置が開発される。試験的に名瀬測候所に配備され実用化の目処が立ったことや、S-VISSR信号を直接受信してコンピュータ処理できるシステムも開発されたため、地上設備の更新も相まって、1988年(昭和63年)3月にHR-FAXが廃止しストレッチドVISSRにまとめられた、一方のLR-FAXは後にWE-FAXとして2008年(平成20年)3月まで運用された。
軌道
静止衛星軌道/静止位置 東経140度
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
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