試験放送とは? わかりやすく解説

試験放送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/26 04:05 UTC 版)

試験放送(しけんほうそう)とは、基幹放送の一種である。本記事では、関連する衛星試験放送もあわせて述べる。

定義

総務省令放送法施行規則第60条に基づく別表第5号の第9項その他の基幹放送の区分(3)に「放送及びその受信の進歩発達に必要な試験、研究若しくは調査のため又は当該放送を実用に移す目的のため試験的に行う放送」と規定している。

「衛星試験放送」は、同区分(4)に「衛星放送及びその受信の進歩発達に必要な試験、研究若しくは調査のため又は当該衛星放送を実用に移す目的のため試験的に行う衛星放送」と規定している。

概要

定義から敷衍されるとおり、最終的には新しい基幹放送の形式を規定し、実用とするために行う放送である。地上基幹放送試験局(従前の種別では「放送試験局」)または実用化試験局(衛星試験放送では、衛星基幹放送試験局(従前の種別では「衛星放送試験局」)または実用化試験局)が実施するものである。なお、放送試験局が定義される以前には「実験局」(現:実験試験局)で実施された。

「試験、研究若しくは調査」の段階では放送方式の比較検討が実施されるもので一般人には縁遠いものである。放送方式が決定されれば総務省令・告示となって「実用に移す」段階へ移行し、実用化試験局により実施されるものになって受信機器が製造・市販され、一般に受信できるものとなるのが通例である。現行放送と両立性を図るために現行の受信機器でも受信できたり、実用化試験に至りながらも普及しなかった事例もある。

実例

その他

放送機器の調整等を目的に行われる試験電波の発射も「試験放送」ということがある。

  • 予備免許取得後、本免許取得までの放送
  • 放送機器の保守
  • 周波数変更
    周波数間隔の10kHzから9kHzへの変更。国際電気通信連合の取り決めにより、同日世界協定時(JST-9)0時1分をもって、アジア・オセアニア・ヨーロッパ・アフリカ地域の周波数ステップが変更されたが、日本の放送局は当日の放送開始時刻(終日放送の実施局は5時)から9時1分までは試験電波の発射の名目で通常番組を放送した。

市町村同報系防災行政無線は放送局ではないが、試験電波の発射を「試験放送」と称して広報することがある。

脚注

  1. ^ 当初は1984年(昭和59年)5月12日に衛星第1・2放送同時に試験放送を開局予定であったが、ゆり2号aの太陽電池のトラブルがあったため、1ch分の放送しかできず、開局当初は衛星第1放送のみで開始した。衛星第2放送はゆり2号bの打ち上げ成功(1986年(昭和61年)2月12日)を待って1986年(昭和61年)12月25日に開局した。
  2. ^ 1994年(平成6年)11月24日まではハイビジョン推進協会に対してコールサイン・周波数を割り当てた「ハイビジョン試験放送」。1994年(平成6年)11月25日以後は周波数はハイビジョン推進協会の割り当てだが、コールサインはNHK・在京民間放送キー局朝日放送(大阪)に個別に割り当てられた「ハイビジョン実用化試験放送」。
  3. ^ このBS9チャンネルでは2000年(平成12年)12月1日にデジタルBSがNHKと民放系一斉に開局したことに伴い実用化試験は終了、この日以後2007年(平成19年)9月30日まではNHKデジタル衛星ハイビジョンサイマル放送のみとして継続した。
  4. ^ 1988年(昭和63年)9月30日に放送法令改正により「イベント放送局」の制度ができるまでは、試験放送として扱われていた。

関連項目


試験放送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 15:04 UTC 版)

ハイビジョンアニメシリーズ」の記事における「試験放送」の解説

ハイビジョン実用化試験放送アナログBS-9ch)で放送されアニメ作品列挙する1994年度 - 1997年度 忍たま乱太郎1994年度ゴール!フィールドハンター(1994年度 - 1995年度ウルトラマンキッズ 母をたずねて3000万光年1995年度カラオケ戦士マイク次郎1995年度あずきちゃん1996年度飛べ!イサミ1996年度 - 1997年度YAT安心!宇宙旅行1997年度忍たま乱太郎1997年度ヤンボウ ニンボウ トンボウ1997年度) 月 - 土曜0930 ヤンボウ ニンボウ トンボウ1998年0406日 - 1998年05月13日 飛べ!イサミ1998年05月14日 - 1998年05月30日 あずきちゃん1998年06月01日 - 1998年07月15日 飛べ!イサミ1998年07月16日 - 1998年09月12日 あずきちゃん1998年09月14日 - 1998年10月31日 ヤンボウ ニンボウ トンボウ1998年11月02日 - 1998年12月19日 ゴール!フィールドハンター1998年12月21日 - 1999年0213日 忍たま乱太郎1999年0215日 - 1999年0324日 月 - 金曜0830 カードキャプターさくら1999年0405日 - 1999年05月26日 忍たま乱太郎1999年05月27日 - 1999年06月15日 あずきちゃん1999年06月16日 - 1999年10月22日 YAT安心!宇宙旅行1999年10月25日 - 2000年0207カードキャプターさくら2000年0208日 - 2000年0327日 金曜0930 コレクター・ユイ2000年0407日 - 2000年11月10日

※この「試験放送」の解説は、「ハイビジョンアニメシリーズ」の解説の一部です。
「試験放送」を含む「ハイビジョンアニメシリーズ」の記事については、「ハイビジョンアニメシリーズ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「試験放送」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「試験放送」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「試験放送」の関連用語

試験放送のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



試験放送のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの試験放送 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのハイビジョンアニメシリーズ (改訂履歴)、かのやコミュニティ放送 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS