視聴に必要な機材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:31 UTC 版)
MUSE方式で放映されたハイビジョン放送を視聴ないしは録画するには、受信側でMUSE信号をMUSEデコーダによってデコードするか、もしくはM-Nコンバーターで疑似NTSC信号へ変換しなければ正しい画角および色で表示できない。 ハイビジョン画質の高精細度映像をそのまま視聴するには、BSアナログチューナーとMUSEデコーダの両方が内蔵された「ハイビジョンテレビ(主にブラウン管)」であればBSアンテナを接続するのみで視聴できる。しかしこのハイビジョンテレビは各家電メーカーとも最上級モデルに該当する為、初期の薄型テレビと同じく非常に高価(市販化直後の1989年 - 1990年代前半は100万円台、末期の1999年頃で20 - 40万円台)であった。三洋電機が1992年ごろ販売した「帝王」は、MUSE-NTSC変換デコーダーを内蔵したことにより、アナログハイビジョンを4:3画面(NTSC仕様 よってレターボックス16:9と同じ)に変換して視聴できるシステムを取り入れ、推定8万台を売り上げたとされている。 また、MUSEデコーダは内蔵していないもののハイビジョン対応のコンポーネント端子あるいはD3(1080i)以上のD端子を搭載した高精細度放送対応のテレビでは、内蔵もしくは単体のBSアナログチューナーと単体のMUSEデコーダとを「AFC端子」と「検波端子」に接続した上、コンポーネント端子でテレビに接続することで同様に視聴することができた。 2000年以降に発売されたD3以上のD端子を搭載したテレビでも、BSアナログチューナの各端子からMUSEデコーダーを介してD端子に接続することで敢えてBSアナログハイビジョン (BS9ch) を視聴することも理論上できたが、殆どがアナログハイビジョンの1035iに対応せず1080iで表示するため画角に変動が生じ、放送内容もNHKデジタル衛星ハイビジョンと同一(サイマル放送)となっていたため、W-VHSやハイビジョンLDを現役で併用する者以外では実用性に欠けたものであった。 従来の標準画質(480i)のみ対応のテレビやビデオで視聴する場合、BSアナログチューナーに「M-Nコンバータ」あるいはM-Nデコーダ内蔵のMUSEデコーダを「AFC端子」と「検波端子」の両方に接続することで疑似NTSCで変換出力され、視聴・録画することができた。ハイビジョンテレビによってはM-Nコンバーターを内蔵せず、録画の際には別途M-Nコンバーターが必要な機種もあった。 なお、「検波端子」はアナログWOWOWの視聴時にスクランブル解除用のWOWOW (JSB) デコーダなどと接続する際にも必要となるため、殆どのBSアナログチューナー内蔵テレビには搭載されているが、チューナー内蔵型のビデオデッキの一部やPSXには搭載されていないため接続には注意が必要であった。 「MUSEデコーダー」・「M-Nコンバーター」は「BSデジタルチューナー」の市販化に伴い1999年から2000年にかけて各メーカーで生産が打ち切られた。その後、アナログハイビジョン放送の終了に伴い必然性は大きく薄れているが、数少ないハイビジョンLDの再生にあたってはMUSEデコーダが必要となる。 当初はMUSE方式での有料放送の計画もあり、有料放送を見るために必要な「MUSEデスクランブラー」の発売も予定されていたが、デジタル放送開始などもあり、アナログハイビジョンでの有料放送は実現せず、MUSEデスクランブラーも発売されなかった。
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視聴に必要な機材
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「ハイビジョン試験放送」の記事における「視聴に必要な機材」の解説
NTSC方式のBSアナログ放送と異なり、MUSE(Multiple Sub-Nyquist Sampling Encoding)という、アナログハイビジョン用にNHKが開発した、BSアナログの1チャンネル分と同じ周波数帯域に収まるよう、ハイビジョン映像の信号をデータ圧縮したエンコードした放送信号で放送衛星に送出されるため、視聴するには必ずMUSEを受信側でデコード(復調)する必要があった。 「ハイビジョン#視聴に必要な機材」を参照
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