ようこう
名称:第14号科学衛星「ようこう」/SOLAR-A
小分類:科学衛星
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げ年月日:1991年8月30日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:M-3SII
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)
国際標識番号:1991062A
ようこうは、ひのとりに続く2番目の太陽フレア観測衛星です。太陽活動がもっとも活発になる黒点数の極大期(太陽活動極大期)における太陽フレアと、これに関連した太陽コロナの物理現象を観測、解明することを目的に開発されました。 太陽共同研究計画はようこうなどにより共同研究を行なうもので、衛星には日米協力により製作した観測器も搭載されており、運用、データ取得、データ解析も国際協力によって行われます。さらに次の太陽観測衛星計画での共同研究計画の検討も行ないます。
ようこうの外観図
縦・横1m、高さ2mの直方体の本体に、側面に3つ折りの太陽電池パドルが2枚とりつけられています。重量は420kgです。
ようこうには、4種類の観測装置が搭載されています。(1)軟X線望遠鏡(SXT):主観測装置のひとつ。斜入射反射鏡のつくる軟X線像を個体撮像素子(CCD)で読み取ります。約3秒角の高い解像力で、コンピュータを用いた自動観測制御機能ももっています。
(2)硬X線望遠鏡(HXT):撮像望遠鏡として、世界で初めて30keV以上のエネルギー域でX線観測を行ない、これまでのものより1桁以上、高い感度をもっています。
(3)ブラック結晶分光器(BCS):超高温プラズマの分光学的診断を行ないます。(4)広帯域分光器(WBS):軟X線からガンマ線までの広いエネルギー域を取得します。
2.どんな目的に使用されるの?
太陽フレアと呼ばれる大爆発現象と、太陽コロナで発生するさまざまな活動現象の、観測に使用されています。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
極大期の太陽コロナの形状を、軟X線望遠鏡で撮像したのは、ごく限られたロケットからの観測を除けば、ようこうが初めてです。ようこうによってとられたX線写真から、極大期のコロナが想像されていたより、はるかに複雑な形状をもち、ダイナミックに変化していることが分かってきました。
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