捏造説の主な根拠とそれに対する反論とは? わかりやすく解説

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捏造説の主な根拠とそれに対する反論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 04:28 UTC 版)

アポロ計画陰謀論」の記事における「捏造説の主な根拠とそれに対する反論」の解説

捏造主張する者の多くは、アポロ計画において撮影され写真において矛盾点散見されるということ、あるいは当時科学・技術水準考慮すると、月面への往復不可ではないかという推論を、その根拠にしている。実際はその多く科学的無知事実誤認由来する物であり、これに対してアメリカではNASA当局民間テレビ局日本では科学者有志と学会など、いくらか機関協会反論上げている。 捏造派の主張それに対す反論写真・映像に関するもの 月面撮影されたはずの写真なのに、空に星が写っていないのはなぜか。 星が写真写っていないのは、撮られ時間が月の昼間に当たる時間であり、太陽光当たって輝いている地表露出合わせているからで、写っている方がむしろおかしい(地球上で天体写真を撮る際には、星に露出合わせなければ撮れない)。 月面真空であるはずなのに、写真映像写っている星条旗はためいているのはなぜか。 星条旗地表ねじ込むときにポールを動かすので、真空中でもその反動で旗は動く(映像では、ポール触れてしばらくの間しか旗が動いていない)。真空中では空気抵抗存在しないため、地球上よりも旗が動きやすいし、一度動き出した旗はなかなか止まらない宇宙飛行士格好よく見せようとあえてそれによって生じたしわを伸ばさなかったため、写真では飛行士触っていない旗もまるではためいているかのように見えている。なお日本ではアポロ着陸前にワイヤーが旗に仕込まれているという報道読売新聞昭和44年7月5日発行)に掲載されたが、その報道内容事実異なり実際に伸縮式の平材でナイロンの旗面を上から支え設計になっていた。 アポロ11号アームストロング船長月面最初の一歩を印そうと梯子降りていく映像無人のはずの月面から捉えられているのはなぜか。 11号月着陸船には、まさにその映像捉えるために昇降梯子の横のMESA装備収納ハッチテレビカメラ装備されていた。 アポロ11号最初足跡写真も、真空水のない月面の砂に印されにしては崩れもなくハッキリしすぎている。 空気存在しない月面の砂(レゴリス)は、粒が細かい上に侵食受けていないため丸まっておらず、地球の砂に比べて非常に固まりやすい性質がある。 月着陸船の影に当たる部分も、はっきりと写真写っているのはなぜか。 月の表面の砂は、光が入ってきたのと同じ方向に強い反射再帰性反射)をする性質があり、太陽光が砂に反射してレフ板のようにそれらを照らしているからである。 影の方向が、写真内でバラバラになっていたり、長さが違うのはなぜか。光源複数あるためではないのか。 写真という二次元上の表現では、遠近法により影が平行であってもそう見えないきがある。また地表傾きに差があった場合などは、影の長さ変わって何ら不自然ではない。そもそも光源複数ある場合、影は方向ばらつくではなく一つの物に対して複数発生してしまうが、複数の影が写った写真存在しない月面着陸船下りる際、噴射反動大きなクレーターができるはずなのに、それが写っていないのはなぜか。 月の表面の土は固く、さらに着陸船スロットル緩めて前に滑るようなかたちでゆっくり着地したため、クレーターができるほどの衝撃とはならなかった。 月面宇宙飛行士楽しそうジャンプしている映像があるが、重力弱く真空月面ジャンプすれば空高く飛ばされるはずであるが、なぜ飛ばされないのか。 宇宙服質量は約80kgあり、月面でも重量は約13kgwになる。また関節なども曲がりにくくなっており、高くジャンプするようなことは不可能である。 宇宙飛行士背中の箱に、飛行士吊り下げるワイヤーしきもの見える。 フィルムの傷かアンテナのようにも見える。いずれにしろ吊り下げるには重心から外れている。 アポロ11号月面着陸当日撮影されたという映像と、翌日4km離れた場所で撮影されたという映像背景石の形状や配置など)を重ね合わせると、非常に酷似している。 月では遠近感わかりづらいが、山や岩が十分遠くにあれば、ある程度移動してもその見え方変わらない。またそもそも映像翌日別の場所で撮影されたという明確な根拠示されていない月面宇宙飛行士動き倍速にして見ると、地球での人間とまった変わらない動きになる。 月の重力地球1/6であり、地球比較した物体落下時間はその平方根反比例した約2.44倍となるから、倍速映像似ているのは当然。また重力差の影響で、ステップ踏み方な地球上のそれとは明らかに似ていない行動見せ部分もある。 アポロ計画使われカメラには、被写体大きさ測るために十字刻まれているが、そのいくつか欠けている写真がある。 十字消えているのは写真被写体が白い場合であり、黒い十字が強い白色露出によって消されてしまったことで生じたのである月面の石に「C」文字しきもの書かれているのが写っている写真があるが、石をセット小道具として配置した際のミスではないのか。 「C」文字しきもの写っているのはジョンソン宇宙センターのイメージライブラリにある写真だが、NASA保管されているオリジナル写真ではそれが写っていない。また石と文字しきものではフォーカス合い方も異なっていることから、焼き増しの際に紛れ込んだホコリ髪の毛可能性が高い。 前景月面)と遠景山地)の間に境目の線が写っている写真があるが、山地背景描いたセット用いて撮影した跡ではないのか。 境目の線は月の地平線である。月では空気がないため距離感失われやすく、また地球より小さい月では地平線がより間近にあることから、地球風景慣れていると月の風景一見不自然に感じことがある。 月で撮影され写真はどれも露出構図完璧なものとなっているが、手袋をはめた状態でファインダーのないカメラ撮影した写真が、このような完璧なものばかりとなるのは不自然である。 宇宙飛行士アポロ計画宣伝性という面から、月面写真を撮るための練習多く重ねており、カメラについて熟知していたもの思われる。また公開されている写真良好な状態のものに限られているだけであって実際に失敗した写真数多くある。NASAアーカイブでは失敗した写真を見ることもできる科学・技術に関するもの 月へ往復する際、ヴァン・アレン帯1958年発見)と呼ばれる放射線帯通過する必要があるが、1960年代技術でそれを防げたのか。 ヴァン・アレン帯成分陽子電子である。かつては確かに放射線宇宙飛行士障害を及ぼすのではないか思われ時期があったが、その通過時間が短いことや、宇宙船および宇宙服でほとんどが遮断できるため、大きな問題とはならない月面温度日中ではかなりの高温になるはずだが、それに宇宙飛行士は耐えられないではないかまた、カメラ故障してしまうのではないか月面での写真撮影用いられたのはハッセルブラッド500というカメラであるが、NASA写真を見る限りこれがケースなどでおおわれていない。月ではわずか2時間摂氏130度から-150度まで温度変化するフィルム薬品摂氏50度で変化しカメラ内で膨張することでレンズ壊してしまう。また-50度になればフィルムレンズ凍りつき、こなごなになるはずだ。 月面温度120から160となるが、月面真空であり熱が放射でしか伝わらず(真空部分断熱材となっている魔法瓶と同じ原理)、すぐにカメラなどには届かないため、大きな障害とはならない。また宇宙服にはそれら条件考慮し数十層にも及ぶさまざまな仕掛施してあり、月面環境でも問題とはならない。さらに宇宙飛行士が月に滞在したのは、月の1日では早朝から午前中にあたる気温温暖なわずかな時間帯に過ぎない(月の自転速度地球よりずっと遅い)。 アポロ計画中でも月面着陸に関するミッションのみ成功率異常に高く地球周辺実験その後火星送られる簡単な無人探査衛星失敗続きだったのはなぜか。 アポロ11号前にアポロ8号アポロ10号が月へ有人飛行行い予行演習をしている(アポロ9号地球衛星軌道上で月着陸船試験)。また前身となるジェミニ計画始め実験数多く行われており、その中に失敗多くあるのは当然といえる。さらに当時冷戦中であって宇宙飛行士は(現役ないしは元)軍人多く生命をかけることをいとわない者だった。 アポロ計画の後、アメリカ地球軌道より向こう人類送っていないのはなぜか。 当時冷戦下であったため、ソビエト連邦への対抗という目的(「宇宙開発競争」)のためには、無謀に見え行為正当化することも、膨大な予算用いることもできた。アポロ計画用いられ予算は、約254USドル現在価値で1,350ドル日本円だと13円か14兆円)である。同計画途中で打ち切られたのも、予算問題大きかったこと、月面探査結果から予算比して得るものが少なかったことによる。また2004年ジョージ・W・ブッシュ大統領2010年代をめどに再び有人宇宙船を送る計画コンステレーション計画)を立てたが、次代バラク・オバマ大統領の代で計画中止された。これは研究軸足長期的な技術開発に移すためであるとされている。 地球天文台無人月探査機から、アポロ痕跡見えそうなものだが、報告されていないのはなぜか。 地球から38km離れた月へ望遠鏡向けたとしても、望遠鏡分解能限界があるためアポロ痕跡写らない。また2000年代まで打ち上げられ月探査機搭載されカメラは、予算積載可能限界問題から性能が低いものが多くアポロ痕跡写せるほどの能力有していなかった。2008年5月解像度8mの「地形カメラ」を搭載したかぐやはぼんやりとした影にしか見えないものの、アポロ15号噴射跡の写った映像送信した2009年7月には同じく月軌道周回しさらには高解像度カメラ解像度1.5m)を搭載したNASALRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)が、着陸船から宇宙飛行士足跡に至るまでくっきり写ったアポロ11号アポロ15号アポロ16号アポロ17号着陸撮影成功しており、捏造説否定する強力な根拠となっている。 着陸船司令船組み込まれアポロ誘導コンピュータ性能は、自動車1980年代家庭用ゲーム機それよりも劣るのに、なぜこれで月まで航行することができたのか。 アポロ軌道事前に地上コンピュータなどで計算されたものであってアポロコンピュータは主にそのデータ受け取って軌道補正することが目的であり、高度な機能必要でない。さらに現行のコンピュータのように多様なデータ処理目的使用するではなく軌道補正のための数値処理特化しているのであれば、かなり性能低くて問題ではない。また信頼性問題から、宇宙船には現在でも枯れた技術コンピュータ搭載されるのが普通である。 月面設置されたというレーザー反射鏡使った実験は、アメリカで行われたもの以外成功していないし、現在は行われていない(大槻義彦)。 レーザー反射鏡使った実験アメリカ以外成功していないというのは事実ではない。大出力のレーザーが必要であり、航空機運航影響しないよう配慮必要なため簡単に行え実験ではないが、アメリカマクドナルド天文台フランスグラース天文台複数天文台が月までの距離を計測している。そもそも地球から月までの距離は一定はないため、計測継続して行われている。月が徐々に地球から離れていることは理論的に推定されてはいたが、実際に確認できたのは、レーザーによる計測長期間行っていたからである。2000年代になると測定機器進歩もあってミリメートル単位精度での観測が可能となり、重力定数精密測定といったさまざまな研究への応用が可能となってきている。 レーザー反射鏡がなくても、月面反射したレーザー捕捉すれば実験成功したことになる。従って、実験成功した反射鏡設置されていることの証明とはならない たしかにアマチュア無線月面反射通信ある様にまったく不可能ではない。しかしレーザー反射鏡ない場合月面乱反射したレーザー光はとても微弱であり、地球上で捉えることは困難である。また、そもそも反射鏡なければ月面同一点からの反射光用いた精度の高い観測同一条件で行うことは不可能である。 仮にレーザー反射鏡設置されており、反射成功したとしても、レーザー光往復とも地球の大気圏で屈折するため、精度の高い距離の測定不可能である。従ってこのような実験には事実上意味がなく、反射鏡実在実験実施され事実疑わしい大気屈折による測定誤差計算により補正が可能である。各種天体観測ではコンピューターによる補正が行われるのが常識であり、そもそも天体観測技術とは補正技術含んだ概念である。 レーザー反射鏡無人着陸船でも設置可能であるため、反射鏡存在有人月面着陸傍証とはならない冷戦時代であり、東西宇宙探査は両陣営によって監視されている。後世になって反射鏡設置のためにアポロ着陸地点アメリカ無人探査機送り込んだなら、その行動ソ連によって透っ破抜かれることとなる。 アポロ11号持ち帰ったとされる月の石は、東京大学研究何の成果あげられなかった。つまり、地球存在する石と変わらなかったのはなぜか。 「月の石地球の石と同じものである」と東京大学発表したことはない。そのような発言をしたのは東大とは無関係であり、岩石学専門家ではない大槻義彦早稲田大学名誉教授のみであり、それもテレビバラエティ番組ブログでの発言であって学会など発表したわけではない。また大槻主張はいくつかの事実誤認がある。詳細月の石#月の石捏造説参照伝説系のもの オーストラリアパース周辺で、アポロ映像コーラ瓶映っていたと証言した者がいる。 パース地方の噂については、実際にそのような映像流れた確認されことはなく、都市伝説であることがほぼはっきりしている。 アポロ1号事故による3人の死亡者は、NASA政策反抗したための犠牲者ではないか。トーマス・ロナルド・バロンがアポロ計画不可能であると証言し500ページにおよぶレポート提出したが、これは紛失現状公開されているのは50ページ縮尺版であり、しかもその内容にはNASAへの批判がなく、その部分隠蔽されたのではないかアポロ1号事故原因については、詳しく調査書がまとめられている。またトーマス・ロナルド・バロンのレポートは、NASAウェブ上で公開している。さらに『これマジ!?』では、遺族の「killed事故死した)」という発言を「殺された」と訳すなど、陰謀印象付けるために意図的な曲解行った疑いもある。アポロ1号司令船火災事故起こしかねない欠陥をあらかじめ持っていたという意味で「殺された」という表現がされることもある。 その他 米アポロ計画貴重なデータ記録した磁気テープ原本700箱分も行方不明になったのは、何かの隠蔽工作ではないのか。 行方不明となった記録テープは、その後オーストラリアの大学発見されており、隠蔽工作ではなく管理がずさんであっただけである。「en:Apollo 11 missing tapes」も参照 資料開示請求に、忘れた頃に応じるのはなぜか。隠蔽工作処理のためではないのか。 単に人手足りないだけ。 地上模擬施設月面活動訓練を行うアポロ11号飛行士達。捏造説では実際の「月面での映像」も同様に地球上で撮影された物と主張している。 地球周りを覆うように存在するヴァン・アレン帯 アポロ14号において宇宙飛行士月面立てた星条旗。なおこの写真でも背景に星は写っていない。

※この「捏造説の主な根拠とそれに対する反論」の解説は、「アポロ計画陰謀論」の解説の一部です。
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