さいき‐せい【再帰性】
再帰性
再帰性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/30 03:31 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動再帰性(さいきせい)とは、以下のような意味に用いられる。それぞれ全く別個の概念ではなく、一部重なる部分もある。
- (英語Recursivity、再帰)数学・哲学・言語学・コンピュータ科学等で、「『「絵を描く人の絵」を描く人の絵』を描く人の絵を…」のように同じ構造(例では「絵を描く人の」)を繰り返しあてはめること(入れ子)ができる性質をいう。詳細は再帰の項目に。用語に末尾再帰など。数学的帰納法と共通の原理に基づくため、数学では「帰納的」などと訳されることも多い(inductionの訳語である帰納とは異なる)。帰納的関数、原始帰納的関数、帰納的集合など(それぞれ「再帰的」ともいう)。哲学では、プラトン、ラッセル、サルトルなど、複数の研究がある。
- (英語Recurrence、Recurrency、回帰#物理学)物理学で、元と同じ状態に戻ることが可能な性質をいう。ポアンカレの再帰性定理、一次元ランダムウォークの再帰性など。また数学では数列の再帰的(帰納的)定義である漸化式も Recurrence relation という。
- (英語Reflection、Reflexivity)文法で、自己を行為の対象とすること。再帰代名詞、再帰動詞。また社会学で、対象に対する言及がその対象自体に影響を与えることをいう。経済学では、投資家のジョージ・ソロスが提唱する理念で、相互作用性[1]とも訳される。数学で自身の双対の双対が自分自身へ戻るという性質。光学やコンピュータグラフィックスにおける反射の仕組みに再帰性反射がある。コーナーキューブを参照。
脚注
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再帰性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:07 UTC 版)
ソロスによる再帰性(相互作用性)の理論は人間社会で起こる出来事を理解するためのパラダイムである。 この理論では、再帰性の定義として、人間が世界を知識として理解しようする機能を「認知機能」と呼ぶ。また、人間が世界に影響を与えようとし、改造しようとする機能を「操作機能」と呼ぶ。認知機能においては、世界の現実的な姿が独立変数、観察者の世界理解が従属変数となる。ここで、世界 world の現実的な姿を「W」、観察者の世界理解 understanding を「U」、認知機能(認知 cognition の機能 function)を「FC」とすると、"FC(W) → U" と記述できる。一方、操作機能においてはこの関係が逆転して、観察者の世界理解が独立変数、世界の現実的な姿が従属変数となる。操作機能(操作 manipulation の機能 function)を「FM」とすると、"FM(U) → W" と記述できる。つまり、U が W を、W を U が規定しあう関係となっており、この双方向的な状況においては確たる結果を生み出すことは不可能となる。 この双方向的な干渉を、ソロスは「再帰性(reflexivity)」と名付けた。
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