再帰性の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 07:33 UTC 版)
「ポアンカレの回帰定理」の記事における「再帰性の証明」の解説
測度が0となる零集合 N を除いて、 A の点 ω が A に再帰することを示す。B⊂A が μ(B)>0 であるとする。もし任意の ω∈Bがすべての n>0 について、Tnω∉A であるとすると、TnB∩B=∅ である。任意の m≥0 でTn+mB∩TmB=∅ であるから、 {Tn B} は互いに交わらない可算無限列である。よって、測度の完全加法性より μ ( ⋃ n = 0 ∞ T n B ) = ∑ n = 0 ∞ μ ( T n B ) {\displaystyle \mu \left(\bigcup _{n=0}^{\infty }T^{n}B\right)=\sum _{n=0}^{\infty }\mu (T^{n}B)} である。一方、 ⋃ n = 0 ∞ T n B ⊂ Ω ∈ F {\displaystyle \bigcup _{n=0}^{\infty }T^{n}B\subset \Omega \in {\mathfrak {F}}} より、前式の両辺は有限であるが、保測性と μ(B)>0 の仮定により、右辺は有限性に矛盾する。ゆえに測度が0となるN⊂Aを除いたω∈A \ Nに対し、ある n>0 が存在し、Tnω∈A となる。
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