有限性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 02:48 UTC 版)
合わせ鏡の像は「無限に続いている」と評されることがある。しかし実際には、有限個の像しか見ることはできない。その理由は、効果が大きい順に、以下のようなものがある。 1枚目の像が、2枚目以降の像を隠してしまう。これを避けるために、鏡や像の位置関係をずらすと、有限回の反射で像は鏡からはみ出てしまう。 反射率100%の鏡は存在しない。通常の鍍金鏡の反射率は、アルミ蒸着鏡で約80%、銀引き鏡で約90%で、高反射率を謳った鏡で最高99%程度、レーザー発振など光工学で使う特殊な鏡で最高99.99%程度である。 像は光の行程の逆二乗に反比例して小さくなるため、有限回の反射で見える限界より小さくなる。 真空中以外では、光は吸収・散乱される。たとえば、澄んだ空気の消散係数はおおよそ 10-5 m-1 で、10 km 進むごとに63%が吸収・散乱される。 光速度は有限なので、無限の像を生むには無限の時間が必要である。
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