アポロ10号
名称:アポロ10号(Apollo 10)
小分類:アポロ計画
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1969年5月18日
帰還年月日:1969年5月26日
打ち上げロケット:サターンV
宇宙飛行士:トーマス・P・スタフォード/ジョン・W・ヤング/ユージン・A・サーナン
飛行時間:192時間3分23秒
国際標識番号:1969043A
アポロ10号では、月着陸のための最終的な飛行テストが本番さながらに行われました。トーマス・P・スタフォードとユージン・A・サーナンが月着陸船に乗りこんで、月軌道上をまわりながら「静かの海」の月面から1万4447mのところまで近づいていきました。
司令船に戻る準備をしかけたとき、スイッチの設定ミスから異常事態がおきて、月着陸船は激しい揺れにみまわれましたが、二人の宇宙飛行士のみごとな操縦で大事故をまぬがれました。そのトラブルのおかげで、月着陸船の耐久性と優秀な性能が証明される結果となりました。
1.宇宙船はどんな形をして、どのような性能を持っているの?
アポロ宇宙船は司令船と機械船から構成されています。司令船は円錐形をした居住カプセルで、全長3.23m、底辺の直径3.91m、重量5.56tです。円筒形の機械船は司令船に酸素や電力を供給したり、推進ロケットの役割をする部分です。全長7.37m、直径3.91m、重量23.2tになります。また、月着陸船は全長7m、重量15.1tで、「上昇段」と「降下段」の2段に分かれた構造をしています。月面から離陸するときに切り離され、上昇段だけで飛び立つ仕組みです。
2.ロケットはどんな形をして、どのような性能を持っているの?
サターンVロケットは3段式の液体燃料ロケットで、宇宙船をふくめた全長が111m、重量は2941tです。第1段に推力694tのエンジンが5基、第2段に推力93tのエンジンが5基、第3段に推力93tのエンジンが1基ついています。
3.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
第1段、第2段の推力で第3段とアポロ宇宙船を地球軌道に乗せ、再点火した第3段のエンジンで宇宙船を月に向かわせます。途中で宇宙船と月着陸船のドッキング作業を行ない、月軌道に乗ったあと着陸船を月に近づけます。地球へ帰るときには着陸船は切り離されます。
4.宇宙飛行の目的は?
月着陸船の最終テストと着陸予定地の確認です。
5.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
月着陸の予行演習を行ない成功させました。
※参考文献:アラン・シェパード,ディーク・スレイトン著/ムーンショット(集英社)、竹内均・監修/Newton Collction II 宇宙開発(教育社)、野田昌宏・編著/NASA これがアメリカ航空宇宙局だ(CBS・ソニー出版)、Newton別冊 月のミステリー/教育社
アポロ10号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/21 10:01 UTC 版)
アポロ10号は、アメリカ合衆国のアポロ計画における四度目の有人宇宙飛行である。この飛行はアポロ計画の中で「F計画」に分類されるもので、その目的は次のアポロ11号のためのリハーサルであり、月面着陸のためのすべての手順と機器を、実際に月に着陸することなしに検証することであった。この飛行では、史上二度目となる有人月周回飛行 (史上初の月周回飛行は アポロ8号が行った) と、月着陸船の全機器の試験が月周回軌道上で行われた。またこのとき着陸船は、月面から8.4海里 (15.6 km) まで接近した[2]。
- ^ Orloff, Richard W. (September 2004) [First published 2000]. “Table of Contents”. Apollo by the Numbers: A Statistical Reference. NASA History Series. Washington, D.C.: NASA. ISBN 0-16-050631-X. LCCN 00-61677. NASA SP-2000-4029 2013年6月25日閲覧。
- ^ “Mission Report: Apollo 10”. NASA (1969年6月17日). 2012年9月11日閲覧。
- ^ “Replicas of Snoopy and Charlie Brown decorate top of console in MCC”. NASA (1969年5月28日). 2013年6月25日閲覧。 Photo description available here.
- ^ Holtkamp, Gerhard (2009年6月6日). “Far Away From Home”. SpaceTimeDreamer. SciLogs. 2011年9月20日閲覧。
- ^ Glenday 2010, p. 13
- ^ Chaikin 2007, pp. 347–48
- ^ Slayton & Cassutt 1994, p. 236
- ^ Brooks, Courtney G.; Grimwood, James M.; Swenson, Loyd S., Jr. (1979). “Apollo 10: The Dress Rehearsal”. Chariots for Apollo: A History of Manned Lunar Spacecraft. NASA History Series. Foreword by Samuel C. Phillips. Washington, D.C.: Scientific and Technical Information Branch, NASA. ISBN 978-0-486-46756-6. LCCN 79-1042. OCLC 4664449. NASA SP-4205 2008年1月29日閲覧。
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- ^ Nelson 2009, p. 14
- ^ NASA公史では、着陸船スヌーピーには着陸するチャンスや、また再び離陸できるチャンスは全くなかったと明確に説明している。「月面が目前に迫ってきたら、飛行士は誘惑にかられて着陸してしまうのではないかという推測は確かにあった。だが仮にそうしようと思っても、実際には10号の着陸船では月面に降り立つことはできなかった。スヌーピーは初期型のモデルで、月面に着陸するには重すぎた。より正確に言うと、上昇段は司令船まで戻るには重すぎたのだ。それは試験機であり、月面着陸の予行演習のためにのみ作られたものだった。一方でアポロ計画では、飛行士はいかなる状況においても勝手にそのような決定をしてはならないという懲罰規定があった。」
- ^ Cernan, p.184
- ^ a b "Astronaut Gene Cernan Interview on Apollo 10 - (December 23, 2009)" - YouTube
- ^ Thompson, Mark (2011年9月19日). “The Search for Apollo 10's 'Snoopy'”. Discovery News (Discovery Communications) 2013年6月26日閲覧。
- ^ “ASTRONOMERS MIGHT HAVE FOUND APOLLO 10'S "SNOOPY" MODULE”. skyandtelescope.org. 2023年6月15日閲覧。
- ^ Shinabery, Michael (2012年9月30日). “Young Takes Rover for a Spin”. moonandback.com (Sacramento, CA: Moonandback Media LLC): p. Part 2 of 3 2013年7月11日閲覧。
- ^ Sisson, John (2010年12月13日). “Apollo 16 poster with Casper the Friendly Ghost (1972)”. Dreams of Space. 2013年7月11日閲覧。
- ^ “Saturn S-IVB-505N - Satellite Information”. Satellite database. Heavens-Above. 2013年9月23日閲覧。
- ^ Hengeveld, Ed (2008年5月20日). “The man behind the Moon mission patches”. collectSPACE. 2009年7月18日閲覧。 "A version of this article was published concurrently in the British Interplanetary Society's Spaceflight magazine." (June 2008; pp. 220–225).
- 1 アポロ10号とは
- 2 アポロ10号の概要
- 3 主要な任務
- 4 機器の詳細
- 5 計画の記章
- 6 参考文献
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