ジェミニ10号
名称:ジェミニ10号(Gemini 10)
小分類:ジェミニ計画
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1966年7月18日
帰還年月日:1966年7月21日
打ち上げロケット:タイタンII
宇宙飛行士:ジョン・W・ヤング/マイケル・コリンズ
飛行時間:70時間47分
国際標識番号:1966066A
ジェミニ10号では、人工衛星アジェナとのランデブーやドッキング、そして船外活動が行われました。それらの作業は、すでに始まっていたアポロ計画のために必要な実験でした。月へ人間を送るアポロ計画では、宇宙船と月着陸船をドッキングさせなければならないからです。
しかし、宇宙服で宇宙空間に出ての作業はたいへん困難なものでした。ジェミニ9-A号のユージン・サーナン宇宙飛行士がとても苦労したように、ジェミニ10号のマイケル・コリンズ宇宙飛行士もまた船外活動に苦労しました。ジェット・ガンを使って人工衛星アジェナまで移動したコリンズは「船体に手すりがないということは、たいへんな障害だと思った。アジェナにつかまることはできたが、反対側にまわっていきたいと思っても、行けなかった。これは明らかに問題だ」と報告しています。
1.宇宙船はどんな形をして、どのような性能を持っているの?
ジェミニ宇宙船は搭乗カプセルと機械船から構成され、円錐形をしています。機械船は電力や酸素などをカプセルに供給する役目のもので、実験装置を収める場所でもありました。2つをあわせた全長は5.6m、最大直径3.1m、重量3.5tです。逆推進エンジンや姿勢制御エンジンがついていました。
2.ロケットはどんな形をして、どのような性能を持っているの?
タイタンIIは大陸間弾道ミサイルを改良した多段式ロケットで、全長33.2m、直径3.1m、重量185tです。
3.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
打ち上げから約2分30秒後にタイタンIIの第1段が切り離され、地球周回軌道に入ると第2段が切り離されます。軌道上で人工衛星アジェナとドッキング実験などを行ったあと、地球に戻りました。機械船が切り離され、搭乗カプセルだけで大気圏に再突入しました。
4.宇宙飛行の目的は?
人工衛星アジェナとのドッキングや船外活動です。
5.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
人工衛星アジェナとのドッキングに成功し、マイケル・コリンズ宇宙飛行士が船外活動を行ないました。
※参考文献:アラン・シェパード,ディーク・スレイトン著/ムーンショット(集英社)、竹内均・監修/Newton Collction II 宇宙開発(教育社)、野田昌宏・編著/NASA これがアメリカ航空宇宙局だ(CBS・ソニー出版)
ジェミニ10号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/27 06:37 UTC 版)
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ジェミニ10号 | |||||
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徽章
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ミッションの情報 | |||||
ミッション名 | ジェミニ10号 | ||||
宇宙船 | ジェミニ10号 | ||||
質量 | 3,762.6キログラム (8,295 lb) | ||||
乗員数 | 2名 | ||||
コールサイン | Gemini 10 | ||||
打上げ機 | タイタンII GLV #62-12565 | ||||
発射台 | ケープカナベラル空軍基地LC-19発射台 | ||||
打上げ日時 | 1966年7月18日 22:20:26 UTC | ||||
着陸または着水日時 | 1966年7月21日 21:07:05 UTC 北緯26度44.7分 西経71度57分 / 北緯26.7450度 西経71.950度 |
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ミッション期間 | 2日22時間46分39秒 | ||||
周回数 | 43周 | ||||
遠地点 | 268.9キロメートル (145.2 nmi) (1周目) | ||||
近地点 | 159.9キロメートル (86.3 nmi) (1周目) | ||||
公転周期 | 88.79分 (1周目) | ||||
軌道傾斜角 | 28.87度 | ||||
乗員写真 | |||||
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(L-R) Young, Collins | |||||
年表 | |||||
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ジェミニ10号 (Gemini 10) はアメリカ合衆国の有人宇宙飛行であるジェミニ計画で打ち上げられた宇宙船およびその宇宙飛行計画。ジェミニ宇宙船としては10番目のものであり、1966年7月18日に打ち上げられた。
概要
ジェミニ10号の目的は、月飛行計画に向けての技術開発の一環として、軌道上におけるランデブー及びドッキング、さらに船外活動(宇宙遊泳)にあった。ジェミニ8号およびジェミニ9-A号もドッキングを目的としていたが、完全な成功を収めることはできなかった。
ジェミニ10号の打上げに先立ち、ドッキング対象となるアジェナ標的機(GATV-5005)が1966年7月18日20:39:46UTCにケープカナベラル空軍基地LC-14発射台より打ち上げられた。この打上げは成功し、遠地点302.8km、近地点294.7kmの軌道に投入された。ジェミニ10号はタイタンII GLVロケットを用いて、1966年7月18日22:20:26UTCにケープカナベラル空軍基地LC-19発射台より打ち上げられた。
軌道修正に手間取ったものの、打上げ6時間後にはアジェナ標的機とのドッキングに成功している。ドッキング状態のまま、アジェナ標的機のエンジンを用い遠地点763km近地点294kmの軌道に変更している。7月19日20:58 UTCに78秒間の噴射を行い、遠地点382km近地点294kmの軌道に再修正した。その後の再修正により遠地点377.6kmの軌道に入っている。
1回目の船外活動として、乗員のマイケル・コリンズはハッチ部分まで出て船外の写真撮影を行なっている。これは撮影のみで作業を終了している。その後、アジェナ標的機(GATV-5005)と分離し、ジェミニ8号とドッキングしたことのあるアジェナ標的機(GATV-5003)へとランデブーし、3mまで接近した。
打上げ48時間41分後から、マイケル・コリンズは再び船外活動を行い、アジェナ標的機(GATV-5003)へと移動した。命綱を装着し、宇宙銃を用いても移動は困難で、アジェナ標的機に掴むところが無いこともそれを助長した。コリンズはGATV-5003に装着されていた微小隕石収集装置を回収し、ジェミニ宇宙船に戻っている。
その他、ジェミニ10号では10の実験を行なっており、幾つかは宇宙線に関連したものであった。
打上げ70時間10分後に逆噴射を行い、大気圏再突入を開始した。フロリダ半島沖の大西洋上に着水し、強襲揚陸艦ガダルカナルから5.6kmの地点に着水、回収されている。アメリカ国防総省もジェミニ10号の支援についており、人員9,067名と航空機78機、艦艇13隻が投入された。
ジェミニ10号は、カンザス州ハッチンソンのカンザス宇宙圏・宇宙センターにて保管・展示されている。
搭乗員
予備搭乗員
- 船長:アラン・ビーン
- パイロット:クリフトン・ウィリアムズ
外部リンク
- NASAによるジェミニ計画概説
- NASA Gemini 10 press kit - July 15, 1966
- Gemini 10 Mission Report (PDF) August 1966
- JAXAによる解説
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- ジェミニ10号のページへのリンク