ジェミニ12号
名称:ジェミニ12号(Gemini 12)
小分類:ジェミニ計画
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1966年11月11日
帰還年月日:1966年11月15日
打ち上げロケット:タイタンII
宇宙飛行士:ジェームズ・A・ラベル/エドウィン・E・オルドリン
飛行時間:94時間35分
国際標識番号:1966104A
ジェミニ12号はジェミニ計画で最後に打ち上げられた有人宇宙船です。ジェミニ12号では人工衛星アジェナとのランデブーやドッキング、そして船外活動が行われました。
船外活動は、ジェミニ9-A号から始まってジェミニ10号、ジェミニ11号の宇宙飛行士たちを悩ませてきた問題でした。なめらかな船体はすべりやすく、手でつかまるところがなくて、困難な作業だったからです。
そこで、ジェミニ12号のエドウィン・オルドリン宇宙飛行士は、船体につかまるためのさまざまな道具を用意していきました。オルドリン自身が思いついた道具で、足止めのスリッパや携帯用の手すりなどです。彼はそれらを使い、困難だった船外活動を楽々と行なうことに成功したのでした。
1.宇宙船はどんな形をして、どのような性能を持っているの?
ジェミニ宇宙船は搭乗カプセルと機械船から構成され、円錐形をしています。機械船は電力や酸素などをカプセルに供給する役目のもので、実験装置を収める場所でもありました。2つをあわせた全長は5.6m、最大直径3.1m、重量3.5tです。逆推進エンジンや姿勢制御エンジンがついていました。
2.ロケットはどんな形をして、どのような性能を持っているの?
タイタンIIは大陸間弾道ミサイルを改良した多段式ロケットで、全長33.2m、直径3.1m、重量185tです。
3.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
打ち上げから約2分30秒後にタイタンIIの第1段が切り離され、地球周回軌道に入ると第2段が切り離されます。軌道上で人工衛星アジェナとのドッキング実験をすませたあと、地球に戻りました。機械船が切り離され、搭乗カプセルだけで大気圏に再突入しました。
4.宇宙飛行の目的は?
人工衛星アジェナとのドッキングや船外活動です。
5.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
人工衛星アジェナとのドッキングを行ないました。また、エドウィン・オルドリン宇宙飛行士がさまざまな道具を使って、宇宙での船外活動を楽に行なうことに成功しました。
※参考文献:アラン・シェパード,ディーク・スレイトン著/ムーンショット(集英社)、竹内均・監修/Newton Collction II 宇宙開発(教育社)、野田昌宏・編著/NASA これがアメリカ航空宇宙局だ(CBS・ソニー出版)
ジェミニ12号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/07 09:16 UTC 版)
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この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。2020年8月)
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ジェミニ12号 | |||||
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徽章
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ミッションの情報 | |||||
ミッション名 | ジェミニ12号 | ||||
宇宙船 | ジェミニ12号 | ||||
質量 | 3,762.1キログラム (8,294 lb) | ||||
乗員数 | 2名 | ||||
コールサイン | Gemini 12 | ||||
発射台 | ケープカナベラル空軍基地LC-19発射台) | ||||
打上げ日時 | 1966年11月11日 20:46:33 UTC | ||||
着陸または着水日時 | 1966年11月15日 19:21:04 UTC 北緯24度35分 西経69度57分 / 北緯24.583度 西経69.950度 |
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ミッション期間 | 3日22時間34分31秒 | ||||
周回数 | 59周 | ||||
遠地点 | 270.6キロメートル (146.1 nmi) (1周目) | ||||
近地点 | 160.8キロメートル (86.8 nmi) (1周目) | ||||
公転周期 | 88.87 分 (1周目) | ||||
軌道傾斜角 | 28.87度 | ||||
乗員写真 | |||||
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(L-R) Aldrin, Lovell | |||||
年表 | |||||
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ジェミニ12号 (Gemini 12) はアメリカ合衆国の有人宇宙飛行であるジェミニ計画で打ち上げられた宇宙船およびその宇宙飛行計画。ジェミニ宇宙船としては12番目のものであり、1966年11月11日に打ち上げられた。この12号をもって、ジェミニ計画は終了となり、後継の月飛行を目指すアポロ計画が開始される。
概要
ジェミニ12号の目的は、月飛行計画に向けての技術開発の一環として、軌道上におけるランデブー及びドッキング、さらに船外活動(宇宙遊泳)にあった。軌道変更やドッキングについては、ジェミニ11号までに成功していたが、船外活動については作業が困難で成功とは言えない部分があった。そこで、ジェミニ12号のミッションでは船外活動に工夫を凝らしている。結果、ジェミニ計画で予定された技術試験は概ね達成することに成功した。
まず、ジェミニ12号の打上げに先立ち、ケープカナベラル空軍基地LC-14発射台よりアジェナ標的機(GATV-5001A)が1966年11月11日19:07:58UTCに打ち上げられた。この打上げは成功し、遠地点303.2km、近地点294.7kmの軌道に投入された。ジェミニ12号はタイタンII GLVロケットを用いて、1966年11月11日20:46:33UTCにケープカナベラル空軍基地LC-19発射台より打ち上げられている。
打上げ4時間14分後にアジェナ標的機とのドッキングに成功。しかし、アジェナ標的機のエンジンに不調が見られたため、より遠軌道への軌道変更試験は中止された。
打上げ19時間29分後から1回目の船外活動が開始された。これまでの船外活動の困難さを踏まえ、水中での訓練や作業道具の見直し・追加を行なっている。これにより船外活動は、だいぶ容易なものとなった。オルドリンが2時間29分に渡って船外活動を行い、船外より微小隕石収集機の回収を行なっている。2回目の船外活動は42時間48分後から開始された。2時間6分に渡って継続され、アジェナ標的機とジェミニ宇宙船の間にテザーを設置した。携帯用手すりを用いて、従来の作業の困難性を克服している。
47時間23分にアジェナ標的機とのドッキングを解除し、テザーによる姿勢制御試験を行った。テザーの長さは30mで、両端にジェミニ宇宙船とアジェナ標的機がある形になる。これは51時間51分まで続けられた。オルドリンによる3回目の船外活動が66時間6分後から行われ、55分間の活動中、写真撮影が実施された。
94時間後に逆噴射を実施し、大気圏再突入を開始した。全自動モードでの突入であり、目標より4.8km離れたバハマ沖の大西洋上に着水している。航空母艦ワスプに回収されている。アメリカ国防総省もジェミニ12号の支援についており、人員9,775名と航空機65機、艦艇12隻が投入された。
ジェミニ12号はイリノイ州シカゴの天文学博物館に保管展示されている。
搭乗員
予備搭乗員
外部リンク
ジェミニ12号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 05:14 UTC 版)
ラヴェルはその後、ジェミニ10号の予備搭乗員となることが予定されていた。しかし、ジェミニ9号の搭乗員だったエリオット・シーとチャールズ・バセット(英語版)がT-38による訓練飛行中にビルに撃突して死亡したため(1966 NASA T-38 crash)、ラヴェルはトーマス・スタッフォードに代わってジェミニ9-A号の予備搭乗員となった。 これによりラヴェルは、1966年11月にバズ・オルドリンを乗せて行われたジェミニ12号での2回目の宇宙飛行で、初の船長を務めることとなった。この宇宙飛行では3回の船外活動、59回の地球周回を行い、アジェナ標的機との5回目のランデブーと4回目のドッキングを達成した。ランデブー用のレーダーが故障して手動でのドッキングを行なう、アジェナ衛星の噴射装置が故障して高度を上げられないなど、細かな問題は起きたが、予定のミッションを達成して、5日間の飛行を終えて地球に帰還した。
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