ロマネスク美術とは? わかりやすく解説

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ロマネスク

(ロマネスク美術 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 20:00 UTC 版)

ロマネスク: romanesque)は、建築彫刻絵画装飾文学の様式の一つ。建築用語および美術用語としては、10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパに広まった中世の様式を指し、この記事ではそれについて述べる。文芸用語としては、「ロマン: roman)」から派生し、奔放な想像力によって現実の論理・事象の枠を飛び越えた幻想的な性質を指す[1]


  1. ^ 「ロマネスク」(『日本国語大辞典』小学館);「ロマネスク」(『日本大百科全書』)
  2. ^ Eric Fernie, et al. "Romanesque." (Grove Art Online. Oxford UP, Web. 29 Nov. 2012).
  3. ^ アンリ・フォション『ロマネスク』神沢栄三ほか訳、鹿島出版会、1976
  4. ^ Lawrence Nees, Early Medieval Art (Oxford History of Art), Oxford UP, 2002.
  5. ^ エミール・マール『ロマネスクの図像学』田中仁彦ほか訳、国書刊行会、1996
  6. ^ C. R. Dodwell, Painting in Europe, 800–1200 (Pelican History of Art), Yale UP, 1993.


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ロマネスク美術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:17 UTC 版)

西洋美術史」の記事における「ロマネスク美術」の解説

詳細は「ロマネスク美術」を参照 9世紀から10世紀にかけて、ノルマン人サラセン人などの異教徒脅威により、カロリング朝ユーグ・カペーへその王権引き継がれフランク王国事実上解体をみた。激動する社会情勢影響強く受けた西欧美術同様に再び大きな変革迫られることとなった。ロマネスク美術は、そうした社会的変動背景として初期中世美術という基盤発展させ開花した11世紀後半から12世紀にかけての西欧美術を指す。 建築分野におけるロマネスク美術の特徴は、重厚な石壁と暗い内部空間表され古代バシリカ建築基本添えつつ、東西への方向軸を持った建造物増加した。これは、聖地巡礼を行う礼拝客の動線配慮した結果発展した形態であると考えられている。こうした形態保持する教会堂巡礼路聖堂呼びトゥールーズのサン・セルナン大聖堂英語版)などがその代表的建造物として挙げられる。この時代修道院学問美術中心的存在担っており、各会派信仰普及手段として教会堂建設推進した。その表現手段多様で、シトー会派が図像否定し質素な美術奨励したのに対しベネディクト会派は豪華な素材用いて美術荘厳化に注力した。地方によって同じロマネスク美術建築でも特徴大きく異なるのは、地域対す会派影響度違い示している。 また、後年ゴシック美術建築比較して壁面多く教会堂天井側壁には聖書聖人伝題材とした説話的な壁画描かれた。地方によって細微違いがあり、もっとも西方的な様式確立したのはフランスでその他の地域大なり小なり東方的なビザンティン美術要素取り込んだ壁画制作されている。イタリアでカロリング朝伝統継承しつつも、ビザンティン美術範例手本しながら力強い筆致描かれているのが特徴で、イタロビザンティン様式呼ばれるこうした構図壁画は、サン・クレメンテ聖堂英語版)やサン・タンジェロ・イン・フォルミス聖堂イタリア語版)などに残されている。スペインでは東方的な色彩モサラベ美術英語版)の影響によって、カタルーニャ地方に独特のロマネスク美術が開花したまた、オットー朝写本工房影響力ドイツ南部オーストリアスイス北部などではイタリア経由もたらされビザンティン美術要素融合果たしたロマネスク美術が確立されている。 工芸分野では十字架装幀板、燭台聖遺物箱、祭具といった宗教用具さかんに作成され古代浮彫彫刻技法復活させたことに大きな意義見出すことが出来る。こうした丸彫像ではコンク聖女フォワ遺物像がその先駆けとなった。その他オットー朝伝統を汲むドイツ北イタリアの諸工房では、象牙や金を素材とした工芸細工数多く制作されフランスリムーザン地方ではエマイユ工芸発達し聖遺物箱や装幀などが制作された。また、バイユーのタペストリー代表される刺繍工芸盛んになったのもロマネスク美術の特徴といえる

※この「ロマネスク美術」の解説は、「西洋美術史」の解説の一部です。
「ロマネスク美術」を含む「西洋美術史」の記事については、「西洋美術史」の概要を参照ください。

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