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ずぞう‐がく〔ヅザウ‐〕【図像学】

読み方:ずぞうがく

イコノグラフィー


図像学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/18 23:08 UTC 版)

図像学(ずぞうがく)は、絵画彫刻等の美術表現の表す意味やその由来などについての研究する学問。[1]

洋の東西を問わず、近代以前の美術作品は、今日の美術のように作家の個性や美そのものを目的とするというよりも、その作家の属する社会において、成員ならば了解可能なモチーフの組み合わせによって、社会的、宗教的などのメッセージを表出する性格が顕著であった。そうしたモチーフは、例えば西欧において百合は「純潔」を、は「忠誠」を表すといった例がよく知られている。また、百合を持っているのは聖母マリア蛇と翼の付いた杖を持っているのはヘルメースメルクリウス)などと、人物とその持ち物が関連付けられていることも多く、これをアトリビュートという。これらは当時の作家の所属した社会において、作品を制作する際の約束事であり、それを守ることによって作品の表出するメッセージは、社会の成員にとって了解可能なものとなっていた。[要出典]

ヨーロッパ美術

中世のキリスト教美術では、教義を伝えるために図像学が発達した[要出典]ルネサンス期になると、従来の図像に加えて、ギリシア神話ローマ神話に由来する図像も使われるようになり、多様なモチーフが生まれた[要出典]マニエリスムの時代には宮廷で鑑賞される作品として、極めて複雑な寓意を持たせた作品も作られた[要出典]。こうした図像の意味は近代になると次第に忘れられていったが、20世紀初めの美術史家エミール・マール(Emile Male, 1862年 - 1954年)は『ロマネスクの図像学』『ゴシックの図像学』などを著し、中世の図像体系を明らかにした[要出典]

映画

映画においてはアイコノグラフィと呼ばれ、俳優の社会的イメージや各ジャンルであらかじめ決められている約束事のことを指す[要出典]。ウエスタン映画における決闘場面のような、典型的な登場人物や状況などを盛り込み、さらに照明やセット、衣装や小道具などのようにスタイル上必要な特色も含まれる。

イコノロジーとの違い

イコノロジーは美術史家エルヴィン・パノフスキーが提唱した概念。一見似たような言葉であるが、パノフスキーによれば、図像学が絵画作品などに表された事物の意味を研究するのに対して、イコノロジー(図像解釈学)はより深く、作品の奥底にある歴史意識、精神、文化などを研究しようとする学問である。

脚注

関連項目


図像学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 00:13 UTC 版)

「件」の記事における「図像学」の解説

江戸時代後期文献民俗学資料があるが、最古の手記にもすでに「人面牛身」と記載される(『密局日乗文政2年/1819年)。 天保7年1836年)付の瓦版によれば天保7年12月丹後国倉橋山」に人面牛身の「件」が出現したと言う。なお、この丹後与謝郡(よさのこおり)にあったおぼしき倉橋山」は、現・京都府宮津市天橋立以西にある標高91mの倉山が合致する天保7年流布し瓦版から書写したと思われる件の史料現存する。「止可雑記」(毛利家文庫山口県文書館)に残される絵・文は展示もされている。 また、旧・五郎兵衛新田村古文書にも書写例が見つかっている しかし文政10年1827年)頃に越中国立山出現したとされる「くたべ」系(後述)は、件と同種変種というものの、その絵にいくつかの特異点みられる長い髪女性のような顔の絵が数点、老翁顔や老躯のものもあり、爪が伸びた胴体に目が付いた例も2点挙げられている。 牛頭女性牛女後述)についても第二次世界大戦ごろから都市伝説化している。

※この「図像学」の解説は、「件」の解説の一部です。
「図像学」を含む「件」の記事については、「件」の概要を参照ください。

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