ふたご‐ざ【双子座】
ふたご座
双子兄弟の頭にある2つ並んだ明るい星が目印
日本では冬の代表的な星座です。こいぬ座の上にほとんど同じくらいの明るさで2つ並んでいる星が、ふたご座のアルファ星カストルと、ベータ星ポルックスです。カストルは1.6等で、距離は50光年。2.0等と2.9等の緑がかった白色の2つの星からなっています。オレンジ色のポルックスは1.1等で、距離は35光年。表面温度は5000度くらい。この2つの星を先頭に2列に3等星と4等星がとびとびに天の川まで連なっています。日本では、めがね星、きんぼし・ぎんぼし様などたくさんの名前がつけられています。
仲のよい双子の兄弟ポルックスとカストルの物語
スパルタの王妃レダの美しさにひかれたゼウスは、白鳥に姿を変えて、レダのもとに通っていました。そして、レダはゼウスとの間にポルックスを、夫との間にカストルを産みました。仲のよい2人がともに立派な勇士に成長したある日、もう一組の双子の兄弟と乱闘になり、カストルは相手の槍で突き刺され、瀕死の重傷を負いました。それを見たポルックスは、父ゼウスのもとに行き、自分も死なせてほしいと切願しました。ゼウスは、「おまえは神の子として生まれ、兄は人間の子として生まれた。もし彼を助け、彼と同じ運命をたどろうとするのなら、生涯の半分は彼とともに天で、半分は地下で暮らさなければいけない。」と話しました。ポルックスはその道を選び、兄弟は天界と黄泉の国を1日おきに暮らすことになったといいます。
ふたご座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/22 04:28 UTC 版)
Gemini | |
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属格形 | Geminorum |
略符 | Gem |
発音 | 英語発音: [ˈdʒɛmɨnaɪ]、属格:/ˌdʒɛmɨˈnɒrəm/ |
象徴 | the Twins, Castor & Pollux |
概略位置:赤経 | 7 |
概略位置:赤緯 | +20 |
正中 | 2月20日21時 |
広さ | 514平方度[1] (30位) |
主要恒星数 | 8, 17 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 80 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 3 |
3.0等より明るい恒星数 | 5 |
10パーセク以内にある恒星数 | 1 |
最輝星 | ポルックス(β Gem)(1.14等) |
最も近い星 | GJ 251;(18.2光年) |
メシエ天体数 | 1 |
流星群 | ふたご座流星群 Rho Geminids |
隣接する星座 | やまねこ座 ぎょしゃ座 おうし座 オリオン座 いっかくじゅう座 こいぬ座 かに座 |
ふたご座(ふたござ、双子座、Gemini)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。
β星は、全天21の1等星の1つであり、ポルックスと呼ばれる。α星カストルは、ポルックスに準じる明るさである。ポルックスの近く(北西)に位置する。β星(ポルックス)とα星(カストル)と、それにγ星とμ星で、星座はほぼ長方形を形作る。 ふたご座と向かい合う極はいて座である。
主な天体
恒星
1等星のβ星(ポルックス)以外に、α星(カストル)[2]、γ星[3]の2つの2等星がある。
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている[4]。
- α星:カストル[5] (Castor[4]) は、ふたご座で2番目に明るい恒星。カストルAとカストルB、カストルCの三重連星で、これら3つの星すべてが2つの星から成る連星である。従って、カストルは6重連星ということになる。カストルBまでは簡易な望遠鏡で見ることができるが、3つめ以上の星を見分けるのは難しい。通常は3つ(6つ)合わせて2等星として扱われる。
- β星:ポルックス[5] (Pollux[4]) は、ふたご座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[6]。
- γ星:アルヘナ[5] (Alhena[4]) は、ふたご座で3番目に明るい恒星。
- δ星:ワサト[5] (Wasat[4]) は、黄道からわずか0.2度に位置しており、黄道の位置を知る目安となる。
- ε星:メブスタ[5] (Mebsuta[4])
- ζ星:メクブダ[5] (Mekbuda[4])
- η星:プロプス[5] (Propus[4])
- μ星:Tejat[4]
- ξ星:Alzirr[4]
- ο星:積水 (Jishui[4])
- ゲミンガ:全天で最も強力なガンマ線源の1つ。中性子星と考えられている。
星団・星雲・銀河
流星群
神話
ギリシア神話の双子ディオスクーロイ(Dioskouroi、ラテン語形:ディオスクーリー Dioscuri)が星座になったといわれる。この双子はスパルタ王妃レーダーの息子で、兄のカストールの父はスパルタ王テュンダレオース、弟のポリュデウケース(ラテン語名ポルクス Pollux、一般に、ポルックス)の父は大神ゼウスであったとされる[7]。そのため、ポリュデウケースは不死であった[7]。メッセーネー王アパレウスの双子の息子イーダースとリュンケウスとの争いでカストールが死ぬと、ポリュデウケースはゼウスに2人で不死を分かち合いたいと願った[7]。ゼウスはその願いを受け入れ、2人を天に上げて星座とした[7]。
ただしエラトステネースの伝えではディオスクーロイの父親に言及しておらず、2人の間に差を設けていない。彼らは兄弟愛にかけては何者にも負けず、どちらが上であるかについてもほかの何事につけても争うことがなかった。その絆の強さに感心したゼウスが彼らをふたご座にしたという[8]。
この2つの星は、ギリシャだけではなく、バビロニア、エジプト、フェニキア、日本でも兄弟として扱われている[9]。
呼称と方言
日本では、カストルとポルックスをアステリズムで捉える方言が伝わっている。ガニノメ(蟹の目)のように、この2星を眼に見立てているものが多い。
出典
- ^ “星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME CASTOR. 2013年2月10日閲覧。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME ALHENA. 2013年2月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2022年6月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、70-71頁。ISBN 978-4-7699-0825-8。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME POLLUX. 2013年1月15日閲覧。
- ^ a b c d Ian Ridpath. “Star Tales - Gemini”. 2017年10月12日閲覧。
- ^ “伝エラトステネス『星座論』(4) おとめ座・ふたご座・かに座”. 2022年8月31日閲覧。
- ^ 長島晶裕/ORG『星空の神々 全天88星座の神話・伝承』新紀元社、2012年。ISBN 978-4-7753-1038-0。
ふたご座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:40 UTC 版)
「星・星座に関する方言」の記事における「ふたご座」の解説
カストル - ポルックス(名前を共有するもの) フタツボシ(静岡・三重・広島・愛媛・香川・岡山)、大きい二ボシ(静岡)、ゾウニボシ(瀬戸内)、モチクイボシ(香川)、カドグイ・モンバシラ・モンボシ(静岡)、松杭マツグイ(宮城) 蟹の目ガニノメ・カニノメ(愛媛・静岡・三重・高知・兵庫・香川・佐渡)、カニマナク(茨城)、カニマナコ(熊本)、カレーンホシ・カレーンメ(カレーはカレイ魚。壱岐)、カドヤ・オーコボシ(岡山の真鍋島。さそり座のλ星とυ星かもしれない)、カドヤノホシ・カニノメ・カタエサン・カタヤサン・カザヤ(カタエはエイ魚。兵庫)、イヌノメ(広島)、リョウガン(香川)、リョウガンボシ(愛媛)、メガネボシ(愛媛・兵庫)、メダマボシ(兵庫)、ニラミボシ・トシトリボシ(広島)、フタツボシ・夫婦星フウフボシ・越前星・投げ星(京都天橋立) ポルックス・カストル(それぞれ別名のもの) 金星(:ポルックス)銀星(:カストル) 『日本の星』157~164・245頁、『星座手帖』215頁
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