ふたご座とは? わかりやすく解説

ふたご‐ざ【双子座】

読み方:ふたござ

黄道十二星座の一。3月上旬午後8時ごろ南中し、南の中天高く見える。α(アルファ)星のカストル光度1.6等、β(ベータ)星のポルックス光度1.1等で、これを双子兄弟見立てたもの。現在、夏至点がある。学名 (ラテン)Gemini

双子座の画像

ふたご座

双子兄弟の頭にある2つ並んだ明るい星が目印

日本では冬の代表的な星座です。こいぬ座の上にほとんど同じくらいの明るさ2つ並んでいる星が、ふたご座のアルファ星カストルと、ベータ星ポルックスです。カストルは1.6等で、距離は50光年2.0等と2.9等の緑がかった白色2つの星からなっています。オレンジ色ポルックス1.1等で、距離は35光年表面温度5000度くらい。この2つの星を先頭に2列に3等星4等星がとびとびに天の川まで連なってます。日本では、めがね星、きんぼし・ぎんぼし様などたくさんの名前がつけられています。


仲のよい双子の兄弟ポルックスとカストルの物語

スパルタ王妃レダ美しさにひかれたゼウスは、白鳥に姿を変えてレダのもとに通っていました。そして、レダゼウスとの間にポルックスを、夫との間にカストル産みました。仲のよい2人がともに立派な勇士成長したある日、もう一組双子兄弟乱闘になり、カストル相手突き刺され瀕死の重傷負いました。それを見たポルックスは、父ゼウスのもとに行き自分死なせほしいと切願しました。ゼウスは、「おまえは神の子として生まれ、兄は人間の子として生まれた。もし彼を助け、彼と同じ運命をたどろうとするのなら、生涯半分は彼とともに天で、半分地下で暮らさなければいけない。」と話しましたポルックスその道選び兄弟天界黄泉の国1日おきに暮らすことになったいいます


ふたご座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/22 04:28 UTC 版)

ふたご座
Gemini
属格 Geminorum
略符 Gem
発音 英語発音: [ˈdʒɛmɨnaɪ]、属格:/ˌdʒɛmɨˈnɒrəm/
象徴 the Twins, Castor & Pollux
概略位置:赤経 7
概略位置:赤緯 +20
正中 2月20日21時
広さ 514平方度[1]30位
主要恒星数 8, 17
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
80
系外惑星が確認されている恒星数 3
3.0等より明るい恒星数 5
10パーセク以内にある恒星数 1
最輝星 ポルックス(β Gem)(1.14
最も近い星 GJ 251;(18.2光年)
メシエ天体 1
流星群 ふたご座流星群
Rho Geminids
隣接する星座 やまねこ座
ぎょしゃ座
おうし座
オリオン座
いっかくじゅう座
こいぬ座
かに座
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ふたご座(ふたござ、双子座、Gemini)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。

β星は、全天21の1等星の1つであり、ポルックスと呼ばれる。α星カストルは、ポルックスに準じる明るさである。ポルックスの近く(北西)に位置する。β星(ポルックス)とα星(カストル)と、それにγ星とμ星で、星座はほぼ長方形を形作る。 ふたご座と向かい合う極はいて座である。

冥王星は、δ星のそばで1930年に発見された。

主な天体

恒星

1等星のβ星(ポルックス)以外に、α星(カストル)[2]、γ星[3]の2つの2等星がある。

以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている[4]

  • α星:カストル[5] (Castor[4]) は、ふたご座で2番目に明るい恒星。カストルAとカストルB、カストルCの三重連星で、これら3つの星すべてが2つの星から成る連星である。従って、カストルは6重連星ということになる。カストルBまでは簡易な望遠鏡で見ることができるが、3つめ以上の星を見分けるのは難しい。通常は3つ(6つ)合わせて2等星として扱われる。
  • β星:ポルックス[5] (Pollux[4]) は、ふたご座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[6]
  • γ星:アルヘナ[5] (Alhena[4]) は、ふたご座で3番目に明るい恒星。
  • δ星:ワサト[5] (Wasat[4]) は、黄道からわずか0.2に位置しており、黄道の位置を知る目安となる。
  • ε星:メブスタ[5] (Mebsuta[4])
  • ζ星:メクブダ[5] (Mekbuda[4])
  • η星:プロプス[5] (Propus[4])
  • μ星:Tejat[4]
  • ξ星:Alzirr[4]
  • ο星:積水 (Jishui[4])
  • ゲミンガ:全天で最も強力なガンマ線源の1つ。中性子星と考えられている。

星団・星雲・銀河

  • M35散開星団。ふたご座で最も明るい星団・星雲類であり、全天で5番目の大きさの散開星団である。地球からの距離2,800光年。この星団はふたご座の星座の西の端の近く、η星の北西に位置する。

流星群

神話

ギリシア神話の双子ディオスクーロイ(Dioskouroi、ラテン語形:ディオスクーリー Dioscuri)が星座になったといわれる。この双子スパルタ王妃レーダーの息子で、兄のカストールの父はスパルタ王テュンダレオース、弟のポリュデウケースラテン語名ポルクス Pollux、一般に、ポルックス)の父は大神ゼウスであったとされる[7]。そのため、ポリュデウケースは不死であった[7]メッセーネーアパレウスの双子の息子イーダースリュンケウスとの争いでカストールが死ぬと、ポリュデウケースはゼウスに2人で不死を分かち合いたいと願った[7]。ゼウスはその願いを受け入れ、2人を天に上げて星座とした[7]

ただしエラトステネースの伝えではディオスクーロイの父親に言及しておらず、2人の間に差を設けていない。彼らは兄弟愛にかけては何者にも負けず、どちらが上であるかについてもほかの何事につけても争うことがなかった。その絆の強さに感心したゼウスが彼らをふたご座にしたという[8]

この2つの星は、ギリシャだけではなく、バビロニア、エジプト、フェニキア、日本でも兄弟として扱われている[9]

呼称と方言

日本では、カストルとポルックスをアステリズムで捉える方言が伝わっている。ガニノメ(蟹の目)のように、この2星を眼に見立てているものが多い。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME CASTOR. 2013年2月10日閲覧。
  3. ^ SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME ALHENA. 2013年2月1日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2022年6月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、70-71頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  6. ^ SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME POLLUX. 2013年1月15日閲覧。
  7. ^ a b c d Ian Ridpath. “Star Tales - Gemini”. 2017年10月12日閲覧。
  8. ^ 伝エラトステネス『星座論』(4) おとめ座・ふたご座・かに座”. 2022年8月31日閲覧。
  9. ^ 長島晶裕/ORG『星空の神々 全天88星座の神話・伝承』新紀元社、2012年。ISBN 978-4-7753-1038-0 

座標: 07h 00m 00s, +20° 00′ 00″


ふたご座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:40 UTC 版)

星・星座に関する方言」の記事における「ふたご座」の解説

カストル - ポルックス(名前を共有するもの) フタツボシ静岡三重広島愛媛香川岡山)、大きい二ボシ静岡)、ゾウニボシ(瀬戸内)、モチクイボシ(香川)、カドグイ・モンバシラ・モンボシ(静岡)、マツグイ(宮城蟹の目ガニノメ・カニノメ(愛媛静岡三重高知兵庫香川佐渡)、カニマナク(茨城)、カニマナコ(熊本)、カレーンホシ・カレーンメ(カレーカレイ壱岐)、カドヤ・オーコボシ(岡山真鍋島さそり座のλ星とυ星かもしれない)、カドヤノホシ・カニノメ・カタエサン・カタヤサン・カザヤ(カタエエイ兵庫)、イヌノメ(広島)、リョウガン香川)、リョウガンボシ(愛媛)、メガネボシ(愛媛兵庫)、メダマボシ(兵庫)、ニラミボシ・トシトリボシ(広島)、フタツボシ夫婦星フウフボシ・越前星・投げ星(京都天橋立) ポルックス・カストル(それぞれ別名のもの) 金星(:ポルックス銀星(:カストル) 『日本の星』157164245頁、『星座手帖215

※この「ふたご座」の解説は、「星・星座に関する方言」の解説の一部です。
「ふたご座」を含む「星・星座に関する方言」の記事については、「星・星座に関する方言」の概要を参照ください。

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「ふたご座」の例文・使い方・用例・文例

  • 私の星座はふたご座です。
  • ふたご座で最も明るい星
  • ふたご座という星座
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